ファッションで語る「アイデンティティ」とは——これからの20年も一緒に…あの人の「名品」物語
自分らしい価値観で選び、長く身に纏う名品は、その人の「アイデンティティ」の表現そのもの。人生経験を積んで、審美眼も磨かれた素敵なあの人が、名品と出合い、育んできた物語には、きっとこれからの名品選びのヒントが見つかるはずです。
安藤優子さん「信頼性と自信を授けるベーシックカラーの上質ジャケットは一生もの」
「ジャケットは頼りになる相棒で、戦友であり、戦闘服」と語る安藤優子さん。
40年以上、報道の現場に携わり、世界中を駆け巡って取材をこなし、スタジオではいかなるときも動じることなく、カメラに向かう。そんな毎日で、何千着ものジャケットに袖を通してきた。幼い頃から “服を着る” ことが好きだっただけに、安藤さんのジャケットスタイルは、決して生真面目になりすぎず、華美ではないが、知的な洗練を醸し出す。視聴者にもどこか心地よい安心感を感じさせるのだ。
「ジャケットにはパワーがあります。例えば、ニュースを伝える際に “信頼性” を表現するのがジャケット。取材先でも相手への敬意を表すために、ジャケットは欠かせません。特にVIPへの取材では力を与えてくれる存在です」
なかでも大統領にインタビューする時は、アメリカなら「カルバン・クライン」、フランスなら「シャネル」と、その国のブランドのジャケット・スーツが、自信を授けてくれたとか。
「ほかにも “サンローラン” のスモーキングや、“ロロ・ピアーナ” のカシミアジャケット、“エルメス” のコットンジャケットは格別でした。20年、30年と共に過ごしてきたものも多く、いいジャケットは一生ものだと思います。 まずは縫製がきちんとしていて、型崩れしないこと。裏地やボタンの数なども配慮がされていて、仕立てのいいものを選ぶようにしてきました。
また、私にとってジャケットはベーシックアイテムなので、ネイビー、黒、ベージュ、ホワイトといった基本色は外せません。どれも長く愛用することを前提にしていますが、決め手は “肩”。自分の肩に合うジャケットが必ずあります。襟の大きさや肩線の流行による微妙な変化や、ビッグサイズかジャストサイズか、などは常に意識していますが、肩幅が大きすぎて、服に着られている印象は避けたいですね」
そして飛行機の搭乗時も、必ずといっていいほど、ジャケットを着用する安藤さん。いつ何時でも取材に立ち向かえるジャケットは、プロフェッショナルであることの証といえる。
「名品と呼ぶべきジャケットは、価格の多寡にかかわらず、こうしていつも袖を通すことによって、“自信” という名の力を与えてくれるのです」
サルトリアのノウハウが生かされた、アイスグレーのカシミアダブルフェイス素材のベルテッドジャケット。ボタンのないベルトクロージャーで、リラックス感のあるシルエットながら、セミフォーマルからカジュアルまで幅広く楽しめる、モダンなアウター。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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