身長156cmのインテリアエディターが、おすすめのアイテムを実際に体験しながらレポートする本連載。前回取り上げた『エドワードチェア』に続き、日本の老舗家具メーカー、マルニ木工の「トラディション」シリーズからご紹介します。

今回注目した『八角形テーブル』は、熱々の鍋も直接置ける機能性の高いクラシカルなカフェテーブル。曲線的な鉄脚がパリのカフェのような雰囲気で、気分が上がるデザインです。

また、一本脚なので使う人数を限定しないおおらかさがあり、立食スタイルで囲うように使っても絵になります。自由な使い方ができる点でも人気を呼んでいるアイテムです。

汎用性が高いのに、なかなか定番で見つからないカフェテーブル

カフェでよく見かけるような、ダイニングテーブルほど大げさでなく、サイドテーブルよりも汎用性の高いサイズ感のテーブルって、なかなか素敵なものが見つからないですよね。

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正方形や円形のデザインを多く見かけるカフェテーブル。こちらもマルニ木工で展開されています。

そんなカフェテーブルは、きっちりとした定義づけはされていないものの、おおよそ2人が向かい合って軽食をとれるサイズ感、ダイニングテーブルと同じくらいの高さ(70cm前後)で、一本脚のものを指すことが多いです。

リモートワークの際に人気が再熱したアイテムなのですが、法人案件で特注品としてまとめて製作されることが多く、定番アイテムで気のきいたものを探すのはなかなか困難。特注家具には耐用年数等厳しい規定もないため作っておしまいですが、定番家具は一般のご家庭で安心安全にお使いいただくための基準があるので、その関係でニーズに対して種類が少ないように個人的には感じています。

おすすめポイントは、自宅使いにもちょうどいい素材と形

今回マルニ木工のカフェテーブルをご紹介するにあたり、注目したのは素材と形状です。こちらの『八角形テーブル』の天板の表面は、厚さ41mmのコーリアン(人工大理石)が用いられています。

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【ブランド】トラディション 【商品名】八角形テーブル 【写真仕様の価格】¥299,200(本体 \272,000) 【サイズ】幅700×奥行き700×高さ720(mm) 【材質】天板:コーリアン(人工大理石) 脚部:スチール

コーリアンは、もともと飲食店のカウンターや住宅のシンク、洗面台などによく使われている耐久性の高い素材。表面硬度が高いため傷がつきにくく、耐熱性があるので熱いものも置けますし、耐光性が高いので日焼けで色が変化することもほとんどありません。

また、天板面のクリーム色の色合いが優しくインテリアに映えますし、細かいのですがサイドから見える厚みの部分の「見え掛かり」がクラシカルなデザインの仕上げに一役買っています。

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「見え掛かり」として注目したテーブルの小口に施された有機的な曲線。

また、八角形を定番家具として開発した経緯を広報の方に聞かせていただきました。インテリアの印象としては円形の方が四角形よりも柔らかになる一方で、使う側から見ると両端が使えなくて心もとないというデメリットも。そんな円形のよさと欠点を補う形として、八角形が採用されたとのこと。

確かにカフェの円形テーブルでリモートワークをしている際、ノートPCのサイドにはマグカップを置くスペースがないですよね。実際に座ってみると、細かな配慮のありがたみに気がつきます。

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直線の面と向かい合えるので、ポットとカップを体の近くで扱っても安心感があるのが八角形のメリット。
一人で移動するのは少し難しい重量ですが、その分安定感があります。

今回は、マルニ木工の『八角形テーブル』をご紹介しました。お手入れが楽で何かと便利な八角形のちょうどいいカフェテーブルで、暮らしを美しく機能的にしてみませんか? ぜひショールームで実物を試してみて使い勝手を確かめてみてください。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM