知れば知るほど、その価値に心酔!私だけのダイヤモンドを惹き寄せる「ジュエリー用語集」

宝石の知識や情報をどこよりもわかりやすく、魅力的に発信する「日本宝石協会」のエキスパートに、大人の知の欲求を満たすダイヤモンドジュエリーの基本の基を徹底リサーチ。愛情もぐっと深まります!

トップジュエラーのダイヤモンドリング3種
(C)Harry Winston

Fire&Brightness(ファイア&ブライトネス)

地球上で最も硬いダイヤモンドは、屈折率も随一! よって、輝きの種類を表す「ブライトネス」や「ファイア」も、最強です。「ブライトネス」とは、上からの光を内部で複数回(2回)全反射させ、再び上へと放射する光。「ファイア」は、クラウン側のファセットから放射される際の、虹色に分散される光。それぞれを見比べると、輝きの違いは一目瞭然です。

Setting(セッティング)

ダイヤモンドと貴金属の接点となる「セッティング」(石留め)にも、ジュエラーの美学が表れます。主流は、4〜6つの爪でダイヤモンドを留める「プロングセッティング」。爪の形状や数でも印象はさまざま。石畳のようにダイヤモンドを隙間なく敷き詰める「パヴェセッティング」や、貴金属でダイヤモンドを覆う「ベゼルセッティング」は、ひっかかりづらく、普段使いに最適。

Kimberley Process(キンバリー・プロセス)

原石の生産地が記載された「キンバリー・プロセス」証明書
原石の生産地が記載された「キンバリー・プロセス」証明書。労働条件や環境保護、腐敗防止等に配慮したクリーンな原石であることを、消費者に明確に提示。(C)TASAKI

2003年に施行された「キンバリー・プロセス」認証制度は、紛争ダイヤモンド原石の輸出入を規制する、国際的な取り組み。参加国の日本で流通する原石は、100%この制度が適用されています。さらにサプライヤーに対して、責任あるジュエリー協議会の行動規範認証の取得を義務付けるジュエラーも。それぞれの企業努力もあり、原石調達の不透明性は確実にクリアな方向に!

4C(フォーシー)

ダイヤモンドの品質を格付けする国際基準に、カラット(重量)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨)の頭文字からなる、GIA(米国宝石学会)が定める「4C」があります。この厳しい評価基準をもとに、ダイヤモンドジュエリーの価格は決まります。私たちが愛するトップジュエラーが扱うのは、高評価を得たダイヤモンドのみ! これらを詳細に学ぶことは、ダイヤモンドの知られざる真価に触れる絶好の機会になるはずです。

・Carat(カラット)

サイズと間違われることが多いカラットは、宝石の重さを表す単位で、1ctは0.2g。右の図案は、高評価を得たダイヤモンドのカラットに対する実物大の目安。まったく同じカラットでも、カットの品質が落ちればサイズも価格も別物に。自身のライフスタイルに適した、クオリティとカラットを見極めて。

・Color(カラー)

ダイヤモンドのカラー5種
1.ライトイエロー、2.ベリーライトイエロー、3.淡黄色、4.ほぼ無色、5.無色(C)TASAKI

ダイヤモンドの色は、無色透明のDからライトイエローのZまで、23段階で評価。上の写真は5種類に大別したものですが、トップジュエラーの多くは、ほぼ無色〜無色を採用。しかし色は、飾ってあるときと実際肌に載せたときでは印象が変わります。自分の肌色と相性のいい色を、見つけてみてください。

・Clarity(クラリティ)

透明度の評価基準は、原石の中に見られるインクルージョン(内包物)や表面に見られるスクラッチなどの特徴を11段階で評価します。10倍に拡大して見たとき、いずれの特徴も確認できないものが最高ランクに。インクルージョンがあっても欠陥と見なさなければ、それは原石がもつ個性と認識しましょう。

・Cut(カット)

「4C」のなかで唯一人の手が加わる「カット」(研磨)は、各ジュエラーのポリシーと職人技の見せどころ! ゆえに精緻で完璧な仕上がりが求められます。ここではプロポーション(理想的なカットバランス)、ポリッシュ(研磨状態のよし悪し)、シンメトリー(左右対称性)の3項目を、それぞれ5段階で評価します。

3EX(トリプルエクセレント)

「4C」のひとつ、「カット」を評価する3項目(プロポーション、ポリッシュ、シンメトリー)において、最高ランクのExcellentをすべて獲得したダイヤモンドに与えられる称号が「トリプルエクセレント」。職人の研磨技術の高さを物語り、トップジュエラーが扱うダイヤモンドでも稀!

5C(ファイブシー)

GIAが定める「4C」の枠を超え、Character(個性)、Confidence(信頼)、そしてブランド名を使用したChopard(ショパール)など、今、多くのジュエラーが独自に5つ目の評価基準を設けています。それは数値では測れない原石から放たれる個性だったり、トレーサビリティだったり。表立って語られることはありませんが、ダイヤモンドジュエリーの付加価値を上げていることは確かです。

【Topics!】宝石好きのラブコールに応えて一般向けの検定もスタート!

書籍『宝石検定』
 

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URL:https://www.kentei-uketsuke.com/gemstones/
問い合わせ先:「日本宝石協会」

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PHOTO :
小池紀行(CASK)
EDIT&WRITING :
兼信実加子、藤田由美、安村 徹(Precious)
取材協力 :
日本宝石協会