「訥弁」ってなんと読む?「ないべん」ではありませんよ!
明日・4月10日は『お弁当始めの日』です。新年度、新学期になりお弁当をつくり始める人を応援する記念日で、「4」が「弁」に似ていることと10(とう→当)の語呂合わせも関係しているそう。ということで本日は「弁」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「訥弁」ってなんと読む?
「訥弁」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「話し方がなめらかでないさま。つかえがちな話し方。また、そのさま」という意味です。
<使用例>
「彼は訥弁ながら、一所懸命に意図を伝えようとしていて、むしろ好感をもちました」

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は・・・訥弁(とつべん) です。

「弁」は「弁論」などに使われるように「話す。述べる」という意味ももつ字です。これに、「口が重いこと」を意味する「訥」の字を併せた熟語が「訥弁(とつべん)」です。「訥」は「飾り気がなく口数が少ないこと」をいう「朴訥(ぼくとつ)」や、「口が重いさま」を言う「訥訥(とつとつ)」などにも使われる字です。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「弁慶読み」ってなに?
「弁慶読み」という日本語の説明として正しいものを、以下の選択肢の中から選んでください。
1:区切りを誤って読むこと
2:出せる限りの大声で読むこと
3:書いていないのに書いてあるかのように読むこと

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は・・・1:区切りを誤って読むこと です。

「弁慶読み(べんけいよみ)」は、以下のふたつのフレーズをもとにした「区切りを誤った読み方」の呼び名です。
<正しい読み方>
「弁慶が、なぎなた(薙刀)を持って…」
<誤った読み方>
「弁慶がな、ぎなた(義鉈)を持って…」
ちなみに「義鉈」とは「昔、武器として使われていた大きな鉈」のことで、この例文にちなんで「ぎなた読み」という「弁慶読み」の同義語もございます。
「弁慶読み」の代表的な例をいくつかあげますね。
・「ここで、はきもの(履き物)を脱いでください」/「ここでは、きもの(着物)を脱いでください)」
・「なんかいも(何回も)、みたい(見たい)」/「なんか、いもみたい(芋みたい)」
・「スマホの、みすぎ(見すぎ)」/「スマホ、のみすぎ(飲みすぎ)」
言葉遊びのようですが、一般的に「(読解力に乏しい子どもに見られがちな)区切りを誤った読み方=弁慶読み」という意味で使われやすい用語です。
***
本日は、4月10日『お弁当始めの日』にちなんで、「弁」という字の入った日本語から、
・訥弁(とつべん)
の読み方と、
・弁慶読み(べんけいよみ)=区切りを誤って読むこと
という豆知識、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/アットタウンWEBマガジンホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱