温泉は心身にさまざまな恩恵をもたらしくれるもの。日常の喧騒を離れて、ただゆっくり浸かっているだけで、疲れが癒されると共に、スキンケアまで叶えられる極上の湯宿が日本各地に点在しています。

そんな“美肌の湯自慢”の名宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんにピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、箱根・強羅温泉にある「強羅花扇 円かの杜(ごうらはなおおぎ まどかのもり)」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

大浴場と客室で温泉三昧!成分多彩な名湯でしっとりすべすべ肌に近づく

「強羅駅」から車で5分ほど。「強羅花扇 円かの社」は、標高704メートルの高台に位置し、緑豊かな森に囲まれた全20室の湯宿です。円(えん)とご縁(えん)にかけた宿名には、「ゲストに丸く満ち足りた気分でお帰りいただきたい」との思いが込められてるのこと。その思いは優美な建築にも表象され、玄関前で回る水車や箱根の峰を映す円窓など、いくつもの円のモチーフが息づいています。

外観
箱根の自然の中に佇む「強羅花扇 円かの森」。
ロビー
ロビーをはじめ「木の美学」にこだわり抜き、全国から集めた銘木が使われている。
ロビーカウンター
チェックインは一枚板のロビーカウンターで。

「この旅館の自慢は、泉質の異なる2本の自家源泉。大浴場と客室露天風呂で、それぞれの効能を享受できます。まず、大浴場の泉質は、ナトリウム-塩化物・硫酸塩・炭酸水素塩温泉。さまざまな成分がブレンドされていることから、肌表面の汚れを落としつつ、しっとり保湿効果も期待できる欲張りな湯です。広々とした開放的な内湯と箱根の森に包まれたような露天風呂で、美肌の湯を十二分に堪能できます」(植竹さん)

大浴場内湯
大浴場内湯。
大浴場露天
大浴場露天。
大浴場へのアプローチ
大浴場へのアプローチも趣きがある。

「客室の温泉の泉質は、ナトリウム-塩化物温泉。湯のよさもさることながら、完全プライベートな空間で雄大な箱根連山を眺めつつ湯浴みできるのは贅沢の極みです。肌だけでなく心にまで美容液が浸透するかのような優雅な時間を過ごすことができ、日頃の疲れがそっと癒されました」(植竹さん)

客室露天風呂
客室露天風呂。

客室は、スタンダードルーム、デラックスルーム、スイートルームの3タイプ。それぞれ間取りや設えは異なりますが、どの部屋も木の温もりを感じられる落ち着いた空間です。もともと宿のルーツが飛騨高山ということもあって、室内に配された上質な木工家具は飛騨産。大きな窓からは季節の移ろいも感じられ、静かに流れる時間の中で心から寛ぐことができます。

客室
客室の一例。

洗練されたおもてなしも格別!一期一会の京会席料理を五感で味わう

ディナーは丹念な手仕事が随所に生きる京会席料理。本場で修業を重ねた料理人のこだわりが詰まった一皿一皿が、至福の味わいを届けてくれます。

食事処
個室の食事処。

「地元の旬の素材と全国から取り寄せた厳選食材を融合したコース料理のメニューは月替わり。彩り豊かな前菜に始まり、吸物、御造り、焼物、蒸物など、繊細な会席料理を個室でゆったりいただきます。本店が飛騨高山にあることから、箱根では珍しい上質な飛騨牛や飛騨産コシヒカリが提供されるのもこの宿ならでは。こだわり抜いた素材のよさを生かしつつ、趣向を凝らした美食の数々にも魅了されました」(植竹さん)

夕食一例
夕食の一例。
バー
ディナーの後は、隠れ家のような地下のバーで大人の時間を過ごすもよし。

以上、「強羅花扇 円かの杜」をご紹介しました。大浴場と客室で異なる泉質の天然温泉に浸かり、肌にも心にも磨きをかけたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • 強羅花扇 円かの杜
  • 住所/神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320-862
    客室数/全20室
    料金/朝夕2食付き 2名1室1名¥42,150(税込)~
  • TEL:0460-82-4100

関連記事

WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)