創造性とクラフツマンシップを融合させた唯一無二のジュエリー ウォッチ コレクションを満を持して発表した「ティファニー」。ブランドの偉大なるヘリテージを受け継ぎ、モダンな解釈が加わったラグジュアリーなタイムピースが新しい扉を開きます。

2025年1月に開催された「LVMHウォッチウィーク」に「ティファニー」が初参加し、ブランドの華々しいレガシーに彩られた数々のハイジュエリーウォッチを発表。開発に2年以上の歳月を費やした初のトゥールビヨンウォッチ(左から2本目)も話題に。
「ティファニー」が誇る、オート オルロジュリーの歴史
最高峰のジュエリー ウォッチ メーカーとして築き上げた輝かしい伝統をたどります。高級時計製造においても1世紀半以上の歴史を紡ぐ「ティファニー」。洗練された美しさをたたえるイノベーティブな時計を生み出してきたその偉業を、タイムラインで振り返ってみましょう。
1837年
1837年、チャールズ・ルイス・ティファニーによってニューヨークで創業された、アメリカを代表するラグジュアリー ジュエラー「ティファニー」。現在まで受け継がれるラグジュアリーのスタンダードを築き上げ、創業からわずか10年後の1847年にはウォッチの展開を開始しました。本店の正面には、ニューヨーク初の公共時計として圧倒的な存在感を放つ「ティファニー アトラス クロック」を設置。正確な時を刻む比類なき時計としてニューヨーカーたちに愛され、ジュエリー同様、ウォッチメーカーとしての権威も揺るぎないものにしていきました。


1874年
1874年にはスイス・ジュネーブに自社工房を構え、本格的に時計製造に着手。当時の最先端の技術とメティエダール(芸術的な手工芸)の融合から、ジュエリーとタイムピースが一体化した芸術性の高いウォッチが続々と生み出され、パリ万国博覧会(1889年)を筆頭に、さまざまな博覧会に出品、多くの最高賞を受賞しました。



1956年
伝説のザ ティファニー ダイヤモンドをあしらったハイジュエリーのクリエイションから、稀代のデザイナーであるジャン・シュランバージェとの世紀のコラボレーションが始まったのは1956年のこと。以降30年以上にわたって「ティファニー」で活躍、偉大な功績を遺したことは周知のとおりです。自由な精神と遊び心のある贅沢さに満ちた、アーティスティックなジュエリーとウォッチの傑作が数多く生み出されました。
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貝をモチーフにした遊び心溢れる置き時計。植物と同様、海洋生物もシュランバージェが愛したモチーフ。
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デザインに繰り返し登場するダリアをモチーフにした装飾的なブレスレットウォッチ。
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20世紀を代表するデザイナー、ジャン・シュランバージェ。ニューヨーク五番街のティファニー本店の中二階に設けられた彼専用のデザインスタジオ兼サロンの仕事場から、想像力豊かな芸術的作品が数多く生み出されていった。
Jean Schlumberger, Horst P. Horst, Vogue, Condé Nast., Tiffany
2025年
そして2025年、ニコラ・ボー氏統括のもとで、「ティファニー」のクリエイティビティの可能性をさらに押し広げるラグジュアリー ウォッチ コレクションが誕生。高級時計製造の豊かな伝統と芸術的なデザインを生かしたジュエリーウォッチが、夢と幸福に満ち溢れた極上の世界へと誘います。


歴史をまとって生まれた新時代のタイムピース
Interview with Mr. Nicolas Beau(Vice President of Tiffany & Co. Horlogerie.)
取材・文/本間恵子(ウォッチ&ジュエリー ジャーナリスト)

光り輝くような「ティファニー」のウォッチコレクション、それはジュエリーの装飾性と、ウォッチの機能性の例えようもなく美しい融合。名作のエレメントを巧みに取り込み、ハイウォッチメイキングの中心地スイスで仕立てた数々のモデルは、最大の相乗効果が楽しめるジュエリーとのコーディネートを実現してくれます。
「私たちの時計づくりにおいて、貴重なインスピレーション源となっているのは『ティファニー』のヘリテージ、そして積み重ねてきたノウハウです」と語ってくれたニコラ・ボー氏。ティファニー オルロジュリーのヴァイスプレジデントである彼は、多くのラグジュアリーブランドで重職を務め、2021年に現職に着任。新たなウォッチコレクションを築き上げるために力を注いできたキーパーソンです。
「ヘリテージのなかでもジャン・シュランバージェの作品はひときわ大きな存在感を放っていて、個人的にも思い入れがあります。彼は自然を大胆にデザインしたことで知られますが、その視点には鋭い先見性がありました。今、人々はようやく自然の偉大さに敬意を払うようになりましたが、彼は早い時代からそれを深く理解し、自然の豊かさに目を凝らしていたのです」
彼のフィロソフィーを継承し、その魅力を最大限に反映させるべく生まれたのが『ジャン・シュランバージェ バイ ティファニー』や『バード オン ア フライング トゥールビヨン』といったハイエンドなモデル。シュランバージェの美のエッセンスをリバイバルするだけでなく、カスタマイズされた高度な機械式ムーブメントを搭載し、革新性も追求しています。
そして、発表されたばかりの最新作『ロープ バイ ティファニー』でフィーチャーされたのは、ジャン・シュランバージェの名品にたびたびあしらわれてきたロープのモチーフ。
「フランスのテキスタイルメーカーの名家に生まれ育った彼は、親しんできたタッセルやブレード(組紐)、織物の意匠をジュエリーにあしらいました。『ロープ バイ ティファニー』はこのレガシーを受け継ぎつつ、さらに現代的なテクノロジーも組み込んでいます。『ティファニー』にとって初めての試み、ソーラー ムーブメントです」
文字盤を透過する光で発電し、電池交換のいらないソーラー ムーブメントは、晴れた日の屋外なら約2分で24時間分の駆動力を蓄え、フル充電すれば8か月間は動き続けます。太陽のような華やぎと機能性を兼ね備えたこのモデルは、まさにセンセーショナル。
「重要なのは、私たちのウォッチはどれも100%ジュエリーにインスパイアされているということ。これこそがほかにはない『ティファニー』のウォッチの独自性だといえるでしょう」
栄光に包まれた歴史のエッセンスをデザインに注ぎ込み、美しく仕上げた優越のタイムピース。「ティファニー」が屈指の老舗ジュエラーであると同時に、革新的なウォッチブランドでもあることを世界に示す新作です。
●文中の表記は、PT=プラチナ、WG=ホワイトゴールド、YG=イエローゴールドを表します。
●掲載商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- PHOTO :
- 大原敏政(aosora/写真1枚目&12枚目)
- EDIT :
- 下村葉月、安村 徹(Precious)