「趣く」ってなんと読む?「しゅく」ではありませんよ!

明日・4月20日は『郵政記念日』です。日付は1871(明治4)年のこの日、それまでの飛脚制度に代わって郵便制度が実施されたことにちなんでいます。また、毎年『郵政記念日』を含む一週間は、『切手趣味週間』とされ、記念切手も発行されています。今年は4月18日から日本画の近代美人画から2点のデザインが発売されていますよ。ということで、本日は「趣味」の「趣」という字の入った日本語クイズをお送りします。

【問題1】「趣く」ってなんと読む?

「趣く」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「ある場所・方角に向かって行く」「物事がある方向・状態に向かう」などの意味です。

<使用例>

「心の趣くままに辿り着いた趣味が、切手収集だったのです」

「○○○く」。
「○○○く」。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 趣く(おもむ-く) です。

「赴く」とも表記します。
「赴く」とも表記します。

「趣」の常用漢字としての読み方に、名詞形の「趣(おもむき)」があり、動詞形の「趣く」は表外読み(常用漢字表に掲載されない読み方)扱いになります。送り仮名が付くだけで言葉の印象が変わりますが、読めたでしょうか?

ちなみに「おもむく」という言葉はもともと「面向く」を意味しており、この反対語が「背向(そむ)く」です。「趣」という字は「おもむき。あじわい」も意味していますが、もとが「面向き」という言葉から来ていることを知ると、なるほど、自然と顔が向く・心引かれる何かを表す字であることに納得がいきますね。

これを踏まえて、2問目にまいりましょう。

【問題2】「趣す」ってなんと読む?

「趣す」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「催促する。ある行為をするように仕向ける」「促進する」などの意味をもつ言葉です。

<使用例>

「私と同じ趣味を持ってもらえるよう、パートナーを趣す仕掛けを、日々練っているの」

「○○○す」。
「○○○す」。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 趣す(うなが-す) です。

「促す(うながす)」という表記が一般的ですね。「趣」の表外読みの一つです。

「趣」という字を分解して考えると「走+取」ですね。もともとこの字は「急(せ)かして走らせる」という意味を基本としておりました。現在では「趣味(しゅみ)」という熟語のイメージもあり「趣」は「おもむき」という精神的な作用に関するイメージが大きいですが、実はこちらのほうが、もともとの「急がせる=趣す(うながす)」から派生した意味なのです。

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本日は、4月20日『郵政記念日』と『切手趣味週間』の情報にちなんで、「趣」という字の入った日本語から、

・趣く(おもむ-く)

・趣す(うなが-す)

の読み方や、言葉の背景についておさらいいたしました。

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Precious.jp編集部 
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本郵政ホームページ/日本記念日協会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱