高橋リタ流「シグネチャー・スタイル」の真髄|揺るがない気品で魅せる「タイムレスな印象美」

雑誌『Precious』で読者人気の高いコーディネートを常に生み出し続けているスタイリスト・高橋リタさん。最大の特徴は、本人も実践する等身大のスタイリングであるということ。

「心地よく過ごせる」をモットーとした着こなしは、ベーシックを基本としながらもフェミニンな品のよさが隠し味。誰もが取り入れやすく、好感度の高さが突出しているリタさんのシグネチャー・スタイルの魅力を、3つのキーワードを軸にひもといていきます。

高橋リタさん
スタイリスト
(たかはし りた)クリーン・知的・上品を軸としたベーシックなスタイルを基本に、フェミニンな抜け感や旬のモードな気分を巧みに取り入れたスタイリングが真骨頂。大人の女性がいつどこで誰と会っても好感をもたれる等身大の着こなしは、世代を超えて絶大な人気を集める。

揺るぎない「Rita Basic」を根底にマチュアな甘さの香る印象美をつくり出す【高橋リタ流「シグネチャー・スタイル」のファッション哲学とは?】

「私はいつも私でいたい。トレンドのおしゃれを取っ替え引っ替えして、別人のようになりたいわけではありません。好きなアイテムだけを身につける、自分らしく心地よく過ごすための装いこそが、私にとっての『シグネチャー・スタイル』です」。

このメッセージにもはっきりと凝縮されている高橋リタさんのファッション哲学。自分が好きなもの、自分に似合うもの、自分をどう見せたいか…「自身を知り尽くしている “聡明さ” を備えている女性に憧れますし、自分もそうありたい」と語ります。

自分を知り尽くすことこそ、スタイルの真髄

偏愛と呼べるほどに好みにブレがなく、どんなに流行(はや)っていようとも、自分らしくないものにリタさんは手を出しません。その理由を次のように語ります。

「いつ誰に会っても気後れすることなくいられる、つまりは、自身がいつもリラックスして心地よくいられるためには、自分に似合うものを自信をもって着こなすことがなによりも大切だからです」

大人の女性が取り入れたいフェミニンなムード

高橋リタさん流の「シグネチャー・スタイル」の基本は、夏なら黒のワンピースやTシャツ、タンクトップ、スティックパンツ、フレアスカートなど、厳選されたベーシックアイテムです。

「私のスタイリングにはマチュアな甘さがあると言われることが多いのですが、それは、ほんのりと女性らしい趣を入れることで、華やかな場所に行っても浮かず、どんなシーンでも対応できる装いを目指しているから。なので、小物などでフェミニンな要素を “抜け感” として取り入れることをポイントにしています。そして、品のあるフェミニニティは好感度にもつながるので、結果として、いつでも自信のもてるシーンレスな着こなしに行き着くのです」とリタさん。

「イタリアマダムの夏のファッションでは、辛口な女性たちが肌を潔く見せて、フレアスカートやデイドレスのおしゃれを楽しむ姿を多く見かけます。歳を重ねてからの女性らしさの表現は、人生を謳歌している感じが伝わってきますし、成熟しているぶん、若い世代と違ってフェミニンが過ぎるということもありません。年相応のフェミニンなムードこそ大人の女性が積極的に取り入れたい、遊びの要素でもあるのです」

等身大の感覚で誰もが取り入れやすい高橋リタさんの「シグネチャー・スタイル」。スタイルの基本となるベーシックは人それぞれですが、“抜け感” や “外し”、“ひねり” のテクニックなど、大人の印象美をより魅力的に見せるスタイリングのヒントにも注目してみましょう!

今もこれからも、目指すのはタイムレスな印象美

プロポのサングラス、ボルサリーノの帽子、ヴァレクストラのバッグ、イル サンダロ オブ カプリのサンダルと過去の高橋リタさんのスタイリング掲載記事
1.サングラス¥48,400(プロポデザイン〈プロポ〉)、2.ハット¥73,700(中央帽子〈ボルサリーノ〉)
、3.バッグ¥748,000(ヴァレクストラ ジャパン)、4.サンダル¥42,900(アマン〈イル サンダロ オブ カプリ〉)、A .『SLIM AARONS・ONCE UPON A TIME』(Frank Zachary著/Abrams刊)※高橋リタさん私物、B .(C)Kinta Kimura、C .(C)Getty Images、D.2018年3月号(C)生田昌士(hannah)、E.2021年4月号(C)生田昌士(hannah)、F.2021年6月号(C)長山一樹(S-14)

【Summer Accessories】私的ワードローブにもスタイリングにも欠かせない夏小物

「クラシカルなサングラス、中折れハット、かごのハンドバッグ、トングサンダル…偏愛主義のかたまりのようなラインナップ(笑)。何をどう合わせるかは、ベースとなる服によりますが、すべて、私の夏のシグネチャー・スタイルに必ず効かせているスパイス小物です」(リタさん)

【Inspirations】イタリアマダムの洒脱な着こなしと上質なライフスタイル

昔も今もリタさんをインスパイアするのは、スタイリストになってからスナップやSNSで見続けてきた、ミラノマダムをはじめとするイタリアのおしゃれな女性たち。

「センスのいい人たちは、ファッションはもちろんライフスタイルも豊か。自分に似合うものを纏(まと)って、街でリゾートで、心地のいいおしゃれを堪能していそうな女性に目がいきます」(リタさん)

【Achievements】これぞシグネチャー!ブレのない確固たるスタイル

写真は、リタさんが本誌で提案した過去のコーディネートをランダムに並べたものですが、「私、やっていることずっと変わらないね(笑)」と本人も思わずうなってしまうほど! どれも素敵に見えるのは、今でも通用するタイムレスな着こなしであることの証左でもあります。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
※高橋リタさんの【高】は「はしごだか」が正式表記です。

関連記事

問い合わせ先

PHOTO :
池田 敦(CASK)
STYLIST :
高橋リタ
EDIT&WRITING :
下村葉月、安村 徹(Precious)