エキスパートにうかがいました【幸福な睡眠を叶える「香りのリチュアル」の見つけ方】
究極のプライベートタイムともいうべき睡眠。だからこそ、その準備となる「香りのリチュアル」には、感覚と個性にマッチしたアプローチが必要です。上質な睡眠のために香りを楽しむエキスパートの大沢さとりさんに、取り入れ方のヒントになる具体例をうかがいました。

【パフューマー・大沢さとりさんが提案】日本の伝統・文化に培われた「和の香り」で心に静けさと安らぎを

就寝前にお気に入りの香りと共に楽しむ読書は、大沢さんにとって大切な「香りのリチュアル」のひとつ。
「枕元には、数冊の愛読書と思いついたことを書き留めるノートを置いています。香りづけしたムエットをしおり替わりに挟み込んでおくと、ふとした瞬間にふんわり香って幸せな気分になります」。
梅雨時は、湿気を含んだ空気になじむ涼やかで静かな香りを。
空間に穏やかに広がるどこか懐かしい香りが深いリラックス感を誘う

手前/香木のなかでも格別な趣があるとされる伽羅きゃら。優美な深みのある香りが神経の高ぶりを沈めて、精神状態を穏やかに整えてくれる。薫玉堂 線香 殿上伽羅(桐箱入り) 約20g ¥11,000・観月の香皿 ¥9,460・パジャマをしまったチェストに忍ばせたり、枕元に置いたり、優しい安らぎを感じさせる香りを楽しみたい。香袋 宇治の抹茶 ¥1,100 (負野薫玉堂) 奥/透明感のあるグリーンフローラルノートが、湿度の高い梅雨の夜にクリーンな心地よさをもたらす。パルファンサトリ 睡蓮(SUIREN) オードパルファン 50ml ¥15,840 プロップ/私物
白檀や沈香(じんこう)、檜(ひのき)、柚子、紫蘇(しそ)、和薄荷(わはっか)etc.…日本の伝統文化や食文化、生活習慣、歳時記、子供時代の思い出などに根ざした「和の香り」は、本能的に懐かしさをおぼえ、深い安らぎをもたらしてくれるのが魅力です。
さらに、ふわっと柔らかく立ち上がる香らせ方を楽しむのも、日本人の繊細な感覚に響く「香りのリチュアル」です。
「湯船に体を沈めた瞬間、朝つけて消え去ってしまったと思っていた香水のかすかな気配が湯気にのって蘇るリフレイン・ノートを感じたり、ごく短時間だけ線香に火を灯して余韻を残したり、香りづけしたムエットを枕元に置いたり…。空気が動いたときにふと香りを感じる瞬間が、心静かに眠りを準備する時間をより上質なものにしてくれます」と語る大沢さん。
「リラックスするときの香り選びは、感覚的でいいと思います。好きな香りと寄り添うように過ごすことがいちばんの癒しとなり、上質な眠りの時間につながるのではないでしょうか」
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
関連記事
問い合わせ先
- PHOTO :
- 熊澤 透
- STYLIST :
- chizu(インテリア、プロップ)
- EDIT&WRITING :
- 岡本治子、五十嵐享子(Precious)