年々気温が著しく上昇する夏は、家で過ごす時間もおのずと多くなります。家は最高の寛ぎの場だから、快適に過ごせる環境づくりは最優先にしたい!

雑誌『Precious』8月号では、【夏の家時間が満たされる「暮らしのアイディア」】と題し、少しの工夫で五感から満たされるような、そんな心地いい暮らしのヒントをお届けしました。

今回はその中から、夏に実践したい安眠習慣と、夏の食卓を彩る器やテーブルセッティングについてご紹介します。

暑い夏を美しくしなやかに過ごすために。お気に入りの空間にひとさじの涼感溢れるエッセンスをプラスして、快適なサマータイムを!

【夏の食卓を彩る「Myセット」で優雅なひとときを…】

慌ただしい日常から解放されてほっとひと息…。そんなリラックスタイムこそ、季節感を意識したテーブルセッティングや丁寧につくられた器をチョイスしたい。食事も、お茶も、お酒の味も引き立って五感でリフレッシュできるはず!

夏のアペロタイムには瑞々しいグリーンを添えて

食器_1
“フレスコ”の酒器2合¥22,000[直径14×高さ6cm、約400ml]・猪口 各¥12,650[直径6×高さ6cm、約130ml]・中里花子の平皿¥22,000[直径29×高さ2cm](雨晴)、その他/私物

お酒を注ぐと水面が美しく揺らぐ酒器のように、心を潤す逸品は、優雅なアペロタイムには欠かせない。ひとさじの涼を呼ぶ演出もお忘れなく。

キーカラーを決めて夏の食卓を涼やかに

食器_2
下から/“ジャス”のディナープレート『Tourron』¥4,730[直径26cm]・デザートプレート¥4,400[直径20cm]・フルーツカップ¥3,850[直径14cm]・ミニボウル180ml¥3,080・“デヴィッド・メラー”のテーブルナイフ¥7,150・テーブルフォーク¥5,280(チェリーテラス・代官山)、その他/私物

テーブルコーディネートは、統一感をもちつつもメリハリが大切。まずは、ブルーが基調のグラデーションに挑戦! 一瞬にして、こなれ感が漂います。

涼を求め、好きな場所で心躍るティータイム!

食器_3
ステンレス×オークの異素材コンビで完成。“KITA WORKS”の収納ボックス『OKAMOCHI』¥19,800[幅20×奥行き12×高さ20cm]・“SyuRo”のフォググラス(L)各¥2,750・ブリキの丸缶(小)¥2,200(伊勢丹新宿店)、その他/私物

日照時間の長い夏は、その日の気分や天候でお茶を楽しむ場所を決めてみては!? あとは「Myセット」を収納する素敵なボックスがあれば完璧です。


【美のポジティブサイクル!安眠習慣で心を整える】

「仕事に家事、育児、介護まで、アスリート並みに忙しいプレシャス世代は、睡眠によるセルフメンテナンスが必須」と語るのは、睡眠コンサルタントの友野なおさん。夏に実践するべき入眠ルーティンから、美肌に関する意識改革まで、たっぷりうかがいます。

●お話をうかがったのは…友野なおさん
睡眠コンサルタント
自身が睡眠を改善したことにより、15kgのダイエットと重度のパニック障害の克服、体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。日本公衆衛生学会、日本睡眠学会 正会員。講演活動、企業の商品開発やコンサルテーション、執筆活動などを行う。

〈朝、目が覚めたらまずは15秒、空を見上げて〉

良質な眠りは、朝の目覚めからスタートしています。まず最初に、朝と夜、それぞれに意識するべきルーティンをお伝えしておきましょう。なにより大切なのは、起きる時間を一定にすること。そして体を起こしたら、15秒間、空を見上げてください。その行動が、朝のやる気スイッチと夜の眠りタイマー、それぞれをオンにしてくれます。さて、朝ごはんで大切なのは、たんぱく質の摂取です。おすすめは、袋にバナナやヨーグルト、豆乳、フルーツなどを入れてもむだけの“手もみジュース”。簡単なので、ぜひ試してみてください。

夜の過ごし方は、就寝3時間前には夕食を終え、1時間前には入浴を。その後、スマートフォンとは距離を置き、ストレッチや読書をしてベッドへ…というのが理想ですが、そうもいかないのが現実ですよね。イレギュラーの日があっても、もちろんOKです。通常モードの夜の流れをつくっておき、とにかく朝は一定の時間に起きる。これだけで眠りの質は大きく変わるはずですよ。

さて、寝室の睡眠環境ですが、昨今は住宅事情がさまざまなので、冷房温度を一定にするのではなく、ベッドの高さに温度計を置き、その場所を快適な温度、たとえば22〜27℃に調節することを推奨しています。その際、扇風機をエアコンの吹き出し口に向け、“の”の字を描いて風が降りてくるようにしてください。空気を循環させることで快適さが増すはずです。

色彩心理学によると、体感温度を下げる、心拍数を落ち着けるなど、鎮静作用があるとされるのが青。カーテンや寝具、パジャマはブルー系を選ぶとよいですね。不思議なことに、寝ている間に色は見えていないとしても、その色を触ったり、まとったりすることでも作用が得られるのだそう。また美容効果を考えたとき、肌に触れるアイテムで圧倒的におすすめなのはシルク素材です。特に枕カバーは摩擦が少なくなるので、髪への負担も減少。シルクのナイトキャップも充実しているので、活用してみてもいいかもしれません。

〈質の高い睡眠こそがスキンケアの総仕上げ〉

と、ここまで急ぎ足でお伝えしてしまいましたが、多忙な女性がこれらを完璧にやるなんて難しいですよね(笑)。いちばん大切なのは「パジャマで眠ること」。シルクだけでなくパイルやガーゼなど、自分が安心感を抱く素材を優先して。もうひとつ「足首にドライヤーを当てる」を実践してみてください。冷えやすい夏こそ温活が大切だからです。寝苦しい夏の夜、足首を温めることで、眠りの扉がスムーズに開くことでしょう。

私は、良質な睡眠こそがスキンケアの総仕上げだと考えています。リッチなクリームで満足するのではなく、睡眠ホルモンと成長ホルモンという内側からの天然美容液が分泌されてこそ美肌は完成するもの。この効果は、翌朝鏡を見たときに実感できるでしょう。私たちが眠っている間、体内で起こる果てしないリカバーの力。夏こそ、それを活用しない手はないのです。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

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PHOTO :
赤尾昌則(white STOUT)
STYLIST :
来住昌美
EDIT&WRITING :
兼信実加子、安村 徹(Precious)
取材・文 :
本庄真穂
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