東京・銀座のフラグシップ「グッチ並木」の4階に、イタリア・フィレンツェ、米国・ビバリーヒルズに次ぐ世界3店目として誕生した「グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ」。

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「グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ」入口
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「グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ」ダイニング

2025年春にヘッドシェフとして就任したのが、南イタリア・フォッジャ出身のラファエラ・デ・ヴィータ氏です。

料理への深い探究心と、日本の食材や技法への造詣の深さ、そしてアートや美に対する並々ならぬ情熱を併せ持つ彼女は、イタリア料理の伝統を尊重しながらも、日本の四季や文化との対話を通じて、懐かしさと新しさが共存するひと皿を生み出しています。

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ヘッドシェフに就任したラファエラ・デ・ヴィータ氏

そんなラファエラ氏が手がける、就任後初となる夏メニューのテーマは「地中海と日本の夏」。イタリアと日本、それぞれの夏の訪れを祝福し、ふたつの国の風土と食文化をつなぐ料理が誕生しました。

今回は、その中からメディア向け試食会でPrecious.jpライターが実際に味わった4品をご紹介します。

「グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ」2025夏メニュー4選

■1:清涼感たっぷりの前菜「チェトリオーロ」

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ディナーコースで提供される「チェトリオーロ」

夏のディナーコースの前菜として登場する「チェトリオーロ」。南イタリアで親しまれる、きゅうりのシンプルなサラダ「インサラータ・ディ・チェトリオーロ(Insalate di Cetriolo)」を再解釈したひと品です。

中央には、ひんやりとしたきゅうりのソルベ。まろやかな甘みとともに、みずみずしさや青々しい香りがふわりと広がります。

周囲を囲むのは、沖縄のきゅうりともいわれるゴーヤを使ったソース。下には、焼き昆布のパウダーに薄力粉、パン粉、塩、バターを合わせたクランブルが敷かれており、サクサクとした歯ざわりがアクセントになっています。

ラファエラ氏は日本の食材の中でも、特に沖縄の食材にひかれているそうで、このゴーヤもその思いから選ばれたのだとか。

さらに、添えられたアイスプラントのプチプチとした食感や、ミントの爽やかな香りが、全体の清涼感をより一層引き立てます。目にも涼やかなグリーンの色合いが印象的で、「夏のはじまり」を感じさせる前菜です。

■2:うなぎとズッキーニの意外な調和「故郷のうなぎ」

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「故郷のうなぎ」

ラファエラ氏の故郷で親しまれている「ズッキーニのソテー」に、日本の夏の風物詩・うなぎを組み合わせた、ユニークなひと皿。

ズッキーニは、カルパッチョ、ピクルス、クリーム、ブルノワーズ、そしてチップスと、5種類の調理法で表情豊かに仕立てられています。備長炭で香ばしく焼き上げたうなぎは、甘辛ダレではなく、バルサミコソースで味つけされており、ほんのりとした酸味がアクセントに。

意外性のある組み合わせながら、味のバランスは絶妙で、後味はその酸味のおかげで軽やか。まさに、夏にぴったりの味わいです。中でも印象的だったのが、ズッキーニの皮を薄くスライスして揚げたチップス。パリパリと小気味よい歯ざわりが、全体に心地よいリズムを添えています。

こちらのメニューは2025年7月31日(木)まで、アラカルトでの提供を予定。提供期間が限られているため、気になる方はお早めに。

■3:夏のカプレーゼをパスタで表現「ラファエラのカプレーゼ」

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ランチコースで提供される「ラファエラのカプレーゼ」

夏のランチコースで楽しめる「ラファエラのカプレーゼ」は、ラファエラ氏のシグネチャーメニュー「ラファエラのパルミジャーナ」をベースに、イタリアの定番前菜「カプレーゼ」を再構築した逸品。ひと目で心惹かれるビジュアルと、奥行きのある味わいに驚かされます。

ラビオリの形は、ラファエラ氏が幼少期、おばあさまとともに作っていたという伝統菓子「カルテッラータ」から着想を得たもの。オープンラビオリの中には、赤・黄・緑の3種のトマトソースが彩りよく詰められ、バジルソースと水牛モッツァレラのクリームソースが華やかにかけられています。

日本に来たイタリアのシェフたちが一様に驚くという、日本のトマトの豊かなおいしさと品種の多さ。その魅力が余すことなく活かされていて、ひと口ごとに異なるトマトの個性が感じられます。

味わいの構成は確かにカプレーゼ、けれど食べ進めるほどに、しっかり「おいしいパスタ」として成立しているのも印象的。バジルやモッツァレラとの相乗効果で、シンプルながら奥深いひと皿でした。

■4:メロン尽くしのひんやりデザート「かき氷 シチリア風ブリオッシュ添え」

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「かき氷 シチリア風ブリオッシュ添え」¥4,000(税込み・サービス料別)

シチリアの伝統菓子「グラニータ」と、日本の夏に欠かせない「かき氷」。ふたつの文化を掛け合わせて生まれた、夏限定のスペシャルデザートが「かき氷 シチリア風ブリオッシュ添え」です。

主役は、イタリアでも日本でも夏を象徴するフルーツ・メロン。赤肉、白肉、青肉と、3種のメロンが贅沢に使い分けられています。

イタリアで定番の赤肉メロンはジェラートに、白肉メロンは甘みを引き立てるソースに。そして、ラファエラ氏が「果肉としての旨味がいちばん強かった」と語る青肉メロンは、みずみずしい果実そのものとしてトッピング。香川県の名物「おいり」が散りばめられ、サクサクとした軽やかな食感がアクセントになっています。

さらに驚いたのが、器の底に仕込まれた白ワインとバニラが香るゼリー。氷が溶けてくると、このゼリーと混ざり合い、風味に変化が生まれていく設計。最後のひと口までおいしく楽しめる工夫に感動しました。

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ブリオッシュとともに味わうかき氷は、やみつきになるおいしさ 

そしてもうひとつの主役が、グラニータと一緒に食べる習慣があるという「ブリオッシュ」。上部の丸い部分をちぎり、かき氷をのせて味わえば、まるで「デザートをパンで楽しむ」ような新しい体験に。自家製のブリオッシュは、思わずそのまま全部食べてしまいそうになるほどおいしいものでした。

こちらのデザートは、2025年8月31日(木)までの提供予定。暑さ厳しい日に、ぜひ味わいたいひと品です。


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左「3種のトマトスパゲッティ」、右「アナナス(Ananas)」

今回ご紹介したメニューのほかにも、イタリア料理の定番をグッチ オステリア流に昇華させた「3種のトマトスパゲッティ」や、イタリアの家庭で親しまれてきたパイナップルとクルミのアップサイドダウンケーキに、沖縄産パイナップルを合わせた夏のデザート「アナナス(Ananas)」など、注目の新作がそろいます。

この夏は、新ヘッドシェフ・ラファエラ氏が手がける、アートのように美しい料理をぜひ味わってみてください。

問い合わせ先

  • グッチ オステリア ダ マッシモ ボットゥーラ トウキョウ 
  • 営業時間/ランチ  11:30~15:00、ディナー 18:00~23:00、テラス & バーカウンター 11:30~15:00(L.O.フード 14:00、ドリンク14:30)、17:00~23:00(L.O.フード 22:00、ドリンク 22:30)
  • ※テラスメニュー(アラカルト)はバーカウンターとテラス席のみで提供。テラス席は、季節・天候によってクローズの場  合があります。営業状況はお問い合わせください
    定休日/月曜日
  • TEL:03-6264-6606
  • 住所/東京都中央区銀座6-6-12 グッチ並木4F

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この記事の執筆者
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WRITING :
篠原亜由美
EDIT :
小林麻美