連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People
明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する『Precious』連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、オフィス家具メーカー「イトーキ」執行役員・ソリューション開発統括部長を務める八木佳子さんにインタビュー!
創業135年を迎える老舗企業で、女性で初めての執行役員に任命された八木さん。これまでのキャリアに加え、自分に課されていると感じるミッションなどについて、詳しくお話しをうかがいました。
【Tokyo】家具の技術開発から空間デザインへ。ウェルビーイングを高めるオフィスとは

ビジネスパーソンが忙(せわ)しなく行き交う街、日本橋。そびえる高層ビルの11階へ上がると、まるでオアシスのような空間が現れた。ここは「ITOKI DESIGN HOUSE」。次世代のワークスタイルを実践、実験、体験する場所で、オフィス家具メーカーとして知られる「イトーキ」の本社オフィスである。ここで執行役員として活躍しているのが、八木佳子さんだ。
「当社は創業135年を迎える老舗企業で、私が女性で初めての執行役員でした。任命されたときは、ただただ驚いたというのが率直な感想。ただこれからの企業のあるべき姿を考えたとき、そろそろ女性が就任するだろうと思っていました。そういう意味では私個人への期待感に加えて、このあとに続く人への道筋をしっかりつくること、足跡を残すことが求められているのだろうと感じました。さらに今、我々のチームが取り組んでいる、データを駆使した新時代の働き方の開発とサービス展開、その新しい事業分野に会社としてあらためて注力していく、その意思表示でもあるのだろうな、と受け止めました」
軽やかな笑顔でそう語る八木さんのキャリアは、家具製品の研究職からのスタート。それが今は、家具や照明などの環境が人の行動に与える影響をデータで把握して、生産性を高めるためのオフィス運用をシステムやIoTで支える事業開発にシフトしている。
「そっと耳を澄ませてください。微量ですが、集中力を高めるといわれる水音が流れているのがわかりますか? 広い会議室の照明と少人数のトークルームとでは、照明の色味やトーンも変えています。さらにそれらの工夫が従業員のモチベーションやエンゲージメントにどう影響するのかをデータ化して展開する。それが私たちのミッションなのです」
この数年で私たちの働き方はドラスティックに変化した。よりよく生きるためにどんな環境で働くか、その考え方の転換が求められている今、八木さんの施策から目が離せない。
◇八木さんに質問
Q. 朝起きていちばんにやることは?
湯船のお湯張りスイッチを押す。
Q. 人から言われてうれしいほめ言葉は?
「おもしろいね!」。 出身の岡山から大阪に出てきたとき、周囲のお笑い偏差値が高いのにびっくり。だからこそお笑いの視点でそう言われたい(笑)。
Q. 急にお休みがとれたらどう過ごす?
フィヨルドなど、見たことがないものを見る旅に出たい。
Q. 仕事以外で新しく始めたいことは?
刺繍などの手仕事。
Q. 10年後の自分は何をやっている?
何か新しいことを学んでいる。学び好きなんです。
Q. 自分を動物に例えると?
状況を冷静に分析しているフクロウ。この質問の答えがなかなか浮かばず、周囲に相談したら「ChatGPTに聞いてみましょう」と。するとこの答えを出してくれました。
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- PHOTO :
- 望月みちか
- 取材・文 :
- 本庄真穂