東京・虎ノ門に位置するラグジュアリーホテル「オークラ東京」。2棟からなるオークラ東京の「オークラ ヘリテージウイング」の5Fにあるレストラン、フランス料理「ヌーヴェル・エポック」では、伝統的なフレンチのスタイルを継承しながらも、その枠にとらわれない新しいエッセンスを取り入れたコース料理を展開しています。
ヌーヴェル・エポックを率いるのは、2025年9月に新料理長に就任した山下亮一氏。南仏サン=レミ=ド=プロヴァンスのミシュラン一つ星レストラン「ラ・メゾン・ジョンヌ」にて研鑽を積み、その後「ホテルオークラ京都 岡崎別邸」での総料理長の経験などを経て、現在ヌーヴェル・エポックで腕をふるいます。
また、シェフ・パティシエは、日本料理「吉兆」やフランス料理「オテル・ドゥ・ミクニ」でのシェフ経験など、異色の経歴を持つ荒木貴志氏。幅広い食材を活かした、またお食事に合わせたスイーツの提供を得意としています。
ヌーヴェル・エポックでは、2種のランチコースと3種のディナーコース、そのほかショートコースなどに加え、平日限定で「デザートワゴンランチ」も提供中。
今回はPrecious.jpライターが「デザートワゴンランチ」を実際に体験。今秋注目のお食事メニューを詳しくご紹介します。
ヌーヴェル・エポック「デザートワゴンランチ」を体験レポート
好きなデザートを好きなだけ。そんな魅力いっぱいのランチメニューが「デザートワゴンランチ」です。コースは、アミューズ、前菜、スープ、メイン、そしてデザートワゴンで構成されています。
まずは「始まりのお愉しみ」と題したアミューズから。秋のアミューズは、れんこんと菊芋を使ったポタージュと、かぼちゃのペーストを挟んだチーズのサブレの2種類。秋ならではの味わいが楽しめるうれしいひと皿です。
塩味の効いたサブレには、刻んだピスタチオで食感にアクセントを。ブラックオリーブのパウダーやほんの少し加えた花椒で華やかな味わいを演出しています。甘いかぼちゃとの対比が◎。
前菜には「みやぎサーモンのミキュイと柿のマリネ リコッタチーズに奈良漬のアクセント」が登場します。ミキュイとは、ほんのわずかに火を通すフランス料理ならではの技法。レモンの皮とともに8時間じっくりとマリネされることで、サーモンの旨みがぎゅっと引き出されています。
添えられているのは、トニックウォーターでコンポートした甘み豊かな柿とカッテージチーズ。さらに奈良漬と繊細にカットされた金糸瓜が彩りを添え、素材同士の掛け合わせの妙を感じさせてくれます。
中でも印象的なのは柿とサーモンの組み合わせ。サーモンのなめらかな脂に柿の甘やかさが寄り添い、奈良漬の塩気がきゅっと味を引き締める。ひと口ごとに新鮮な驚きがあり、上品で奥行きのある味わいが楽しめました。
自家製のバゲットとブールには、ボルディエの無塩発酵バターを添えて。続くお食事やデザートのためにほんの少し我慢しないと、パンだけでいくつでも食べられてしまいそうなおいしさです。
スープは「和牛で仕上げた琥珀色に輝くダブルコンソメを小さなカップで」。メニュー名通り、和牛を使ったコンソメスープで、和牛の旨みと香味野菜の香りが広がる滋味深いひと皿。カップが熱々で冷めない工夫がされているのも素晴らしいです。
メイン料理は魚と肉から1品選べます。筆者がいただいたのは魚料理。「香ばしく焼き上げた太刀魚ときのこ入り帆立貝ムース 黄色いビーツのピクルスにアーモンドと焦がしバターの香り」です。
外側はこんがりと香ばしく、中はふっくらと仕上げた太刀魚。間には、きのこの風味をきかせた帆立のムースを忍ばせています。仕上げには、焦がしバターとアーモンドを合わせた香り豊かなソースを。ナスタチウムの葉のソースが鮮やかな緑を加え、季節野菜とともに味わう、見た目にも華やかなひと皿です。
肉料理は、備長炭で香ばしく炙った金華豚に、やさしい甘さを引き出した秋茄子のソースを添えて。付け合わせには根菜や甘み豊かなさつまいもが並び、まるで秋そのものを味わうようなひと皿に仕上がっています。
好きなものをセレクトできるデザートワゴン
お食事の後に登場するのは、本メニューのメインとも言える「デザートワゴン」です。常時20種類以上のスイーツやお菓子が並ぶワゴンで、好きなものを好きなだけセレクトし、取り分けてもらうことができます。
デザートワゴンの下段には、華やかなグラスデザートやミニタルトがずらりと並びます。メニューは季節ごとに変わるものもあり、貴腐ワインを使ったメロンゼリーや、甘酒とハーブを組み合わせたマンゴープリンなど、旬のフルーツをシェフならではの工夫で大人のスイーツに仕上げたメニューにも注目です。
ワゴン上段には、チョコレートや切り分けて楽しむケーキなどが並びます。チョコレートだけでも、オランジェットやガナッシュ、ボンボンショコラ、生チョコレートとバリエーション豊か。
ワゴン最上段のボックスには、シェフこだわりの焼き菓子も。ホワイトバルサミコとトンカ豆を使ったマドレーヌには、全粒粉でプチッとした食感をプラス。ヘーゼルナッツを合わせたフィナンシェや、ガレットブルトン、カヌレ、フランスの伝統的な焼き菓子「トゥルト・ピレネー」をミニサイズに仕上げたものなど、どれも魅力的でした
気になるスイーツをセレクトして
筆者もいくつかのスイーツをいただきました。真っ先にセレクトしたのはオークラ伝統のショートケーキ。ふわっと軽い生クリームとやわらかなスポンジ、甘みのあるいちごとの組み合わせは、まさに王道。オークラ東京でデザートを楽しむなら外せないひと品です。
さらに、2種類のテリーヌもいただきました。ペルー産ホワイトカカオのチョコレートを使ったテリーヌは、濃厚でありながら甘さ控えめで、大人の味わいを楽しめます。宇治抹茶のテリーヌは、クリームチーズを加えたなめらかな食感が特徴で、砂糖を控えたことで抹茶本来の深い味わいを堪能できる一品です。
お皿の上に並ぶグラスデザートにも気分が高まります。特に2層のコーヒーゼリーは、オークラ東京ならではの極上のおいしさでした。エチオピア・イルガチェフェのフルーティーなコーヒーを水出しにして作った、ロースト感の少ないすっきりとしたコーヒーゼリーを、オーツミルクのブランマンジェに重ねています。お食事後のデザートとしてはもちろん、ほかの甘いスイーツとの相性も抜群でした。
かわいらしいマカロンは、いちご、ピスタチオ、レモン、バニラの4種類。カラフルな彩りはテーブルがより華やぎますね。
食後のお飲み物には、コーヒーや紅茶、カプチーノ、カフェオレなどから選べます。筆者は温かいカフェオレをセレクト。やさしい甘みが広がり、心までゆったり落ち着きました。
前菜からデザートワゴンまで、ひと皿ごとに込められた旬の食材とシェフのこだわりを感じながら、ゆったりとした時間を楽しむことができる「デザートワゴンランチ」。自然光あふれる上質な空間で味わう料理やスイーツの数々は、心に残る特別なランチ体験となりました。
お食事メニューやスイーツメニューは季節によっても変わります。平日限定の「デザートワゴンランチ」のほか、通常の「ランチコース」(\27,000/¥17,000)や「ディナーコース」(\39,000/\36,000/\27,000)もおすすめです。
ぜひその時々の季節感あふれるお食事を楽しみに、オークラ東京へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- オークラ東京「ヌーヴェル・エポック」
- 営業時間/11:30~14:30、17:30~21:30
- 定休日/火曜日
- TEL:03-3505-6073
- 住所/東京都港区虎ノ門2-10-4 オークラ ヘリテージウイング5F
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- TEXT :
- 伊東ししゃも 編集者・ライター
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- EDIT :
- 小林麻美

















