フランスを拠点とするホスピタリティグループ「アコー」のプレミアムブランドとして、2018年10月に日本に初進出した「プルマン東京田町」。 “歌舞く”をテーマに、和の要素とモダンデザインを融合させた遊び心あふれる空間で、感性を刺激するアートに出会えるアップスケールホテルです。

スイーツ_1,ティー_1,ホテル_1,東京_1,サステナブル_1,肉_1
「開業7周年記念ランチコース」カサコース(スターター+メイン+デザート+ドリンク) ¥4,800、カジュアルコース(スターター+メイン+ドリンク) ¥3,600(いずれも税込み)

今年で7周年を迎えたプルマン東京田町では現在、“日本の伝統とサステナビリティの融合”をテーマに開業7周年記念企画を展開しています。

記念のランチコースや特別な展示、そしてサステナブルな取り組みについてご紹介します。

プルマン東京田町「開業7周年記念ランチコース」を体験

スイーツ_2,ティー_2,ホテル_2,東京_2,肉_2,サステナブル_2
スターター、メイン、デザートからなる「開業7周年記念ランチコース」

開業7周年を迎えるプルマン東京田町のオールデイダイニング「KASA(カサ)」では、ホテルが大切にしてきた「サステナブルな食のあり方」を体現する特別ランチコースを提供しています。

プルマン東京田町は、環境だけでなく社会的・文化的側面も含めた総合的なサステナビリティを評価する「グリーン・グローブ認証」を昨年取得。KASAでは、自然災害や流通の都合で行き場を失った食材を積極的に仕入れ、フードロス削減と生産者支援に取り組んできたのだそう。傷や形の不ぞろいといった理由で見過ごされがちな素材も、シェフの技と感性によっておいしく美しい一皿へと昇華させています。

今回の記念コースでは、35歳以下の若き才能を発掘する、日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35 2025」でブロンズエッグを受賞したスーシェフの加藤宏樹氏によるお料理を前菜として、全3品が振る舞われます。

スターターは飾り巻き寿司から着想を得た「かんぴょうのテリーヌ」

ホテル_3,東京_3,寿司_1
かんぴょうのテリーヌ

「かんぴょうのテリーヌ」は、加藤シェフの故郷・千葉県の郷土料理「飾り巻き寿司」から着想を得て、日本の乾物・発酵文化を現代的に再解釈した、グルテンフリー&ヴィーガンの新感覚テリーヌです。

世界に共有したい日本発の食のリスト「EARTH FOODS 25」からかんぴょうを選び、たくあんや紅白なます、湯葉、万能ねぎ、スマックスパイスの酢飯、青のり酢飯などを、精進出汁で煮たかんぴょうで丁寧に巻き上げ、米粉のライスペーパーで包んでモザイク状に仕立てています。

小さい海苔巻きが集合したような形なので、ひとつずつほぐしながらいただきましたが、何種類かの海苔巻きを一緒にいただくことで、さまざまな食材が口の中で合わさって奥行きのある味わいに。

海苔や青のりの香りと、かんぴょうや根菜の滋味が織りなすハーモニーが心地よく、ずっと食べていたくなります。ライスペーパーのまわりの白ごまのプチプチ感もいいアクセントに。

土台となっている柚子ドレッシングで和えた海藻とおかひじきのサラダ、表面に点々とのせられた豆乳マヨネーズが全体に軽やかさをもたらしていました。

「日本が誇る食材を世界にどうアピールできるかということを考え、こちらを作りました」と加藤シェフ。日本に古くからある乾物文化、漬物文化、発酵文化を世界に向けて伝える、どこか懐かしさもありながら新しさを感じる一皿でした。

また、「RED U-35 2025」に出すにあたってストーリー性を込めることも意識したという加藤シェフ。日本から世界に最新技術などを発信する大阪万博になぞらえ、象徴的な大屋根リングをイメージしてビジュアルを考案したそう。かんぴょうのテリーヌを上から見ると、大屋根リングのようにきれいな円を描いているところもポイントです。

メインはラム親善大使こだわりの「ラムちまき 」

ホテル_4,東京_4,肉_3,レストラン_1
竹の皮に包まれて提供される「ラムちまき」

メイン料理は「ラムちまき」。普段は廃棄処分している竹の皮に包まれた状態で登場し、その見た目はちまきそのものですが…。

ホテル_5,東京_5,肉_4,レストラン_2
竹の皮を開くと中からラム肉とちまきがお目見え

開いてみると、中には肉汁とともにラムチョップが丸ごと一本! オイスターソースや甘い香りが特徴の五香粉(ウーシャンフェン)、生姜などとともに2~3時間じっくりと煮込んだというラムチョップは、見た目にも柔らかそうですが、食べてみるとほろほろとほどけていく食感とじゅわっと溶けるような旨味に驚き。

ちまきは、もち米にたけのこ、にんじん、干し椎茸、帆立、うずらの卵を五香粉で炊き込んでいます。さらにラム味噌を入れることでジューシーに柔らかくなるのだとか。ラム味噌というのは、ラムのすね肉を柔らかく煮たものにピーナッツや鰹節、砂糖などを入れたラムの肉味噌です。

ちまきには鶏肉、という固定概念が覆るほど、ラムチョップとちまきがベストマッチしていました。実は、ラム肉はミネラルとの相性がよく、今回でいう帆立や、牡蠣、ムール貝といった貝類が意外にも合うのだそうですよ。

ちなみに、ちまきに添えてある赤唐辛子とネギとコリアンダーのサラダも、一緒にいただくと爽やかさが加わりよいアクセントになっていました。

オーストラリアのラム肉とその文化の普及に尽力する“ラム親善大使”であるエグゼクティブシェフ・福田浩二氏のこだわりが光る一品です。

デザートは秋の落ち葉のような「栗のエスプーマ」

スイーツ_3,ティー_3,ホテル_6,東京_6,レストラン_3
栗のエスプーマ

最後に登場するデザートは「栗のエスプーマ」。枯葉や銀杏の葉をイメージしたチョコレートチュイルが印象的な、秋の情景を閉じ込めたような一皿です。

スイーツ_4,ティー_4,ホテル_7,東京_7,レストラン_4
枯れ葉のようなチョコレートチュイルの下にはシナモンアイスが

枯れ葉の下からのぞくのは、栗のエスプーマで包まれたシナモンアイス。こちらはシナモンを真っ黒になるまで香ばしく焦がしてアイスに香りをうつしているそうで、栗とともに豊かな香りが楽しめました。

エスプーマのとろりとしたなめらかな食感にアクセントを加えるようなパリッ、カリッとしたチュイル、そして鼻をくすぐる香ばしい香り…食が重たくなりがちな秋ですが、軽やかに楽しめるデザートでした。

開業7周年記念ランチコースは、デザートありのカサコースと、デザートなしのカジュアルコースから選べます。提供期間は2025年10月31日(金)まで。日本の伝統とサステナビリティを融合させたプルマン東京田町ならではのランチコースを味わいに、ぜひ訪れてみてください。

エントランス正面に展示された「RE BONSAI」にも注目

ホテル_8,東京_8
「RE BONSAI」の展示

また、開業7周年企画の一環として、枯れた盆栽をドライ加工によって“枯れない盆栽”として再生させる、「RE BONSAI」作家・鈴木良夫氏による作品が、正面エントランスに展示されています。

展示されているのは、樹齢250年ほどの花梨の盆栽。根がむき出しの全長約1.5mにも及ぶ迫力のあるRE BONSAIは、サステナブルな発想から生まれた唯一無二のアートピースです。

ホテル_9,東京_9,サステナブル_3
枯れた盆栽をドライ化させたRE BONSAI
ホテル_10,東京_10,サステナブル_4
普段は見えない根っこまでよく見えるのがRE BONSAIならでは

生きているときには価値の高いものでも、枯れてしまえばゴミとして廃棄されるしかないという盆栽。RE BONSAIは、そんな盆栽に新たな価値を与えて蘇らせる取り組みです。

盆栽として鉢に植えられている際には見えない根っこまでよく見えるのもRE BONSAIならでは。ぜひ間近で見てみてくださいね。展示は、2025年10月31日(金)まで。


ホテル_11,東京_11,サステナブル_5
サステナブルな取り組みが評価されたプルマン東京田町

プルマン東京田町では、客室キーやアメニティに自然素材を使用し、プラスチックの使用を廃止するなど、開業当初からサステナビリティを重視した運営を継続してきたそう。また、ランチコースを提供しているKASAでも、フードロス削減を意識したサステナブルディッシュを提供し、環境保全と地域社会への貢献を両立しています。

プルマン東京田町のサステナブルへの強い思いが感じられる開業7周年企画。ぜひ期間中に足を運んでみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

関連記事

この記事の執筆者
フリーランスの編集者・ライター。グルメやスイーツ、ライフスタイル系の記事執筆・編集を中心として活動中。元システムエンジニア、プログラマの経験を持つ。二児の母。趣味は料理、SNS、写真を撮ること、美味しいものを食べること。麺類と辛いもの、自分のために買うご褒美スイーツが特に好き。
Twitter へのリンク
EDIT :
小林麻美