2025年11月5日〜9日開催「アートウィーク東京」——街がアートに変わる5日間。美術館&ギャラリーをつなぐ11のルートをポップなバスが駆け巡る

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アートスペースを巡回する、無料のシャトルバス。ライムイエローのバスが走ります!

東京の現代アートの創造性と多様性を国内外に発信すべく、’21年にスタート。いわゆる「メイン会場」は設けず、都内にある美術館・ギャラリーが参加して、そこを自由に巡るスタイルのアートイベントです。独自のプログラムや関連イベントも開催され、東京のアートやカルチャーの最前線を紹介します。

なかでも特徴的なのは、アートスペースを無料のシャトルバスが巡回すること。ツアーではないので、どこから乗っても、どこで降りてもよく、ふだんはなかなか行けない場所、ひとりで入るのは遠慮してしまうような場所でも、「行ってみようかな」という気持ちにさせてくれます。

今年のバスルートは11本。ルートの一部が交錯して乗り換えができるようになっています。ここでは、そのうちの3つのルートをピックアップ。アート・トリップのイメージをふくらませて!

1.〈清澄白河〜大手町ルート〉まずは「MOT」を目指すべし!個性豊かなギャラリーも新鮮

東京都現代美術館、通称「MOT」がある清澄白河は、感度の高いギャラリーが集まったアートの街。おしゃれなカフェも多く、街散策も楽しめます。京橋へ巡回し、アーティゾン美術館と小山登美夫ギャラリーでは、都市型のアートスポットならではの空間を楽しんで。映像作品プログラム「AWT VIDEO」は「MOT」の学芸員・岡村恵子氏が監修を担当。

◇バスが回るのは…東京都現代美術館 (清澄白河)

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開館30周年で盛り上がってます!
N.Y.を拠点に活躍する笹本晃のミッドキャリア個展「笹本晃 ラボラトリー」、「開館30周年記念展 日常のコレオ」開催中。戦後から現在までを振り返るコレクション展示も見逃せない。

⇒カナカワニシギャラリー (清澄白河)⇒無人島プロダクション (錦糸町)⇒ハギワラプロジェクツ (清澄白河)⇒

◇アーティゾン美術館 (京橋)

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「ART」と「HORIZON」を組み合わせた館名で、時代を切り拓くアートの地平を表す。期間中は「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×山城知佳子×志賀理江子 漂着」を開催。

⇒小山登美夫ギャラリー (京橋)⇒

◇AWT VIDEO (大手町)

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ナヤブ・ノール・イクラム《ザ・ファミリー》2022年(C)Nayab Noor Ikram,courtesy Kana Kawanishi GalleryL

パブリック・スペースで展開!
プログラムタイトルは「儀礼、あるいは祈りの不条理な美」。祈りの形を表現した映像作品10作を上映。

開催場所:千代田区丸の内1-3-2 三井住友銀東館 1F アース・ガーデン

2.〈表参道〜初台ルート〉大人気の「AWT BAR」が今回もオープン!ファッションの街を走ります

ファッションの街ならではのスタイリッシュなアートスポットを巡るルート。ポップアップバー「AWT BAR」では、ミサシンギャラリー(南麻布)で個展を開催する小沢剛、アノマリー(天王洲)で作品を展示するChim↑Pom from Smappa!Group、国立新美術館(六本木)でのグループ展に出展するやなぎみわが、それぞれ考案したカクテルが楽しめます。

◇バスが回るのは…AWT BAR (南青山)

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(C) ichio matsuzawa office
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設計は「AWT BAR」アドバイザーである妹島和世の選定により、建築家・松沢一応が担当。カクテルのほか、気鋭のシェフによるオリジナルフードも提供。

⇒ファーガス・マカフリー (表参道)⇒

◇エスパス ルイ・ヴィトン東京 (表参道)

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(C) Louis Vuitton / Daici Ano

空の広さを感じる空間もアート!
建築家・青木淳設計のルイ・ヴィトン表参道ビル7Fにある、ガラス張りのアートスペース。空に浮かぶような非日常の空間にも魅了される。アンディ・ウォーホルのポートレートを展示中。

⇒ワタリウム美術館 (外苑前)⇒ナンヅカアンダーグラウンド (神宮前)⇒ケンナカハシ (新宿)⇒

◇東京オペラシティ アートギャラリー (初台)

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絵画、彫刻、写真、映像、デザイン、ファッション、建築など幅広いテーマを扱う。「柚木沙弥郎 永遠のいま」(10月24日〜12月21日)では、昨年101歳で亡くなった染色家の世界を紹介。

⇒ギャラリー38 (神宮前)

3.〈虎ノ門〜銀座ルート〉拠点となる「AWT FOCUS」がアートとの新たな関係を生み出す

「鑑賞」と共に、「購入」も、アートの楽しみ方です。そのふたつの体験を掛け合わせた特別展「AWT FOCUS」はぜひチェックを。写真専門のPGI、外資系ギャラリーのペース・ギャラリーなど雰囲気の異なるギャラリーが集まる虎ノ門界隈から、雑居ビルにあるこぢんまりした老舗と、近未来的なラグジュアリーブランド系ギャラリーが混在する銀座の街を巡行。

◇バスが回るのは…AWT FOCUS (虎ノ門)

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風間サチコ《黒い花電車-僕の代》 2008年Courtesy Mujin - to Production

作品鑑賞&作品購入も!
国際芸術祭「ドクメンタ14」アーティスティックディレクターのアダム・シムジック監修。プログラムタイトルは「リアルとは?」。

会場:港区虎ノ門 2-10-3 倉集古館 1・2F

⇒タケニナガワ (麻布十番)⇒PGI (麻布十番)⇒ペース・ギャラリー(麻布台)⇒東京画廊+BTAP (銀座)⇒資生堂ギャラリー (銀座)⇒

◇ギャラリー小柳 (銀座)

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熊谷亜莉沙「Single bed」展示風景 2019年 Photo by Keizo Kioku. (C)Arisa Kumagai, courtesy Gallery Koyanagi.

1995年に現代美術画廊として開業、’16年に杉本博司のデザインでギャラリースペースをリニューアルオープン。期間中はドイツ現代写真を牽引するトーマス・ルフの個展を開催。

⇒シャネル・ネクサス・ホール (銀座)⇒

◇銀座メゾンエルメス ル・フォーラム (銀座)

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(C) Nacása & Partners Inc. / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès

建築家レンゾ・ピアノによる、ランタンの灯りを思わせるガラスブロックを使った建物も見どころ。期間中は榎忠、遠藤麻衣子、エロディー・ルースルのグループ展「メタル」を開催。


◇information「アートウィーク東京」

「アートウィーク東京」自体は無料のイベント。一部展覧会やプログラムは事前予約やチケット購入が必要。無料配布される「AWT参加証(リストバンド)」を提示すると一部で割引が適用される。「AWT BUS」は7つのエリアを巡回するほか、「AWT FOCUS」会場から東京都現代美術館、東京都庭園美術館、東京オペラシティ アートギャラリー、「AWT VIDEO」の4か所への直通運行もあり。「AWT BUS」の運行は会期中の11月7日〜9日の3日間。

問い合わせ先

アートウィーク東京

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EDIT :
須川千恵子、喜多容子(Precious)
文・構成 :
剣持亜弥