おしゃれをクラスアップさせたり、気分をリセットしてくれたり…香りは、私たちにさまざまな効果をもたらしてくれるアイテム。秋のなんだか寂しい気持ちや逸る心に寄り添ってくれる香りとは、どのようなものでしょうか? 香り選びのセンスに定評のあるビューティ・プロデューサーの美香さんに教えていただきました。

禅の世界のような静寂を取り入れられるフレグランス3選
「今年もあと3か月を切り、年末に向けて気持ちが逸る時期ですね。本来なら、秋はゆったりとした時間を過ごしやすいはずなのに、なんだか心がワサワサとしてしまう…こんなときは、香りを取り入れて落ち着くのがおすすめです。“落ち着く”というと、私は禅の世界をイメージします。畳や障子、お香といった禅の世界が醸し出す安らぎは、心を穏やかにしてくれます。そんな禅の静寂を感じるフレグランスを選ぶと、パッと場所を変えられるような気持ちの切り替えが素早くできるのではないでしょうか。東洋を象徴するウードや墨といったオリエンタルな調香を選ぶと、静寂の世界へ誘えると思います」(美香さん)
そんな静寂の世界へ誘えるフレグランスをご紹介いただきました。
「毎朝の香りのベースにしたくなる新しい静寂の香り」(美香さん)

「世界中を旅してきた創業者のジャン・ラポルト氏が、中東で心打たれたオリバナムのインセンスをイメージして作られた香り。スパイシーかつ深く豊かな甘さを感じるオリバナムをシダーウッドやペッパーと組み合わせた香りは、ヨーロッパの解釈によって新しい禅を感じます。ゆらゆらと揺らめくお香の煙が浮かび、静寂の中を旅するような落ち着きを取り戻せます。私は毎朝、香りのベースのようにこれを纏い、穏やかな1日をスタートしています」(美香さん)
「モダンな和木に身を任せば、ゆらゆらと動く感情を整えられそう」(美香さん)

「KITOWAは、お香を知り尽くした日本香堂のブランド。だからこそ成せる技を感じる香りです。伝統的な和木がモダンに昇華したら、こんなウードになったのね、と感動。大自然に身を任せて、そのまま風のようにゆらゆらと動く感情を整えていきたくなる香りです。そこに、官能的なローズやイランイランが融合して、日本のモダンニズムを感じさせるような優しい華やかさもあります。ただ落ち着くだけでなく、気分を上げたいときにもぴったり。アルコールフリーの水性香水なので、髪に纏うこともできますし、肌にも優しいつけ心地。香りも長持ちします」(美香さん)
「ミステリアスな美しさが肌の上でそっと香り立ち、静かに咲き誇ります」(美香さん)

「台湾の茶文化では、最初の一杯はお茶を淹れた茶器の香りを楽しむそう。P.sevenは、その香りをフレグランスで表現しているブランドです。今回、墨の余韻にインスピレーションを得た3種類の香りが発表されました。私が心惹かれたのは、墨花の香り。墨を磨るところから始まる静寂さと、墨が包み込む香りは、とても心が落ち着きます。そこにチャイニーズローズとピオニーのハーモニーが折り重なり、華やかさとは異なる、奥深くも優しい香りが広がります」(美香さん)
香りは、五感の中でもっとも早く脳へ伝達されるといいます。美香さんのように落ち着く香りを見つけて、ゆったりとした秋の時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
※掲載している商品の価格は、すべて税込です。撮影はご本⼈によるもので、商品はすべて私物です。
- TEXT :
- Precious.jp編集部