世界でもっとも大きなデザインのお祭り、ミラノ・デザインウィーク2018を、ライフスタイルジャーナリストの小川フミオ氏がリポートする第3回目。これまでは自動車ブランドによる展示内容を紹介してきたが、それを含めて、生活全般にわたる新しいデザインの潮流にも触れておこう。
ミラノがデザインの街になった理由
すぐれたデザインがすぐれた環境をつくる。たとえば英国では、チューブと呼ばれる地下鉄が紳士の足になってきたが、利便性に富む視覚システムを構築したのはフランク・ピックである。
街とデザインが切り離せないのは、ミラノも同じ。1961年から開催されている家具国際見本市を中核とするデザインウィークでは、それを強く感じる。
戦後、英国ではノーウェジアンウッドなどと呼ばれた北欧家具がイタリアにも進出。万人に好かれるニュートラルで、ぬくもりのあるデザインで人気が出た。
北欧家具に、しかしながら、市場を席巻されるのを危惧した政府が、工業都市として栄えてきたミラノで業界の音頭をとった家具産業振興策が原点ともいわれている。
いまや世界中から家具をはじめ、生活にまつわるデザインの数かずがミラノに集まるまでに。そこでここでは2018年に目についた主要なものを紹介していこう。
常識に問わられないデザインが新たな可能性を示唆する
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- 小川フミオ ライフスタイルジャーナリスト