数々の名品コスメを生み出してきた「シャネル」の軌跡

モードの世界に色褪せることのない多くの伝説を残したマドモアゼル シャネル。あまりに偉大なクチュリエゆえに、ファッションの功績に目が行きがちですが、実は、美容史に残るコスメの発明家でもあったのです。世界で最も有名な香水『N°5』が誕生したのは1921年。今も語り継がれるシャネルの口紅を自らのために考案、発表したのが1924年。そして、次なる最大の挑戦としてスキンケア製品のクリエイションに取り組みました。その驚くほど斬新なコスメが目指したのは、あらゆる女性の肌に、眩しいほどの生命の輝きを宿すこと。ケアのたびに感じる、喜びとときめきの秘密を91年の歴史からひもときます。

「顔はあなたの内なる世界を映し出す鏡。その顔を十分にお手入れしてあげなさい」

マドモアゼル シャネル©Lipnitzki/Roger-Viollet

スキンケアの開発にあたり、マドモアゼルは自らに問います。女性のファッションやライフスタイル、生き方の価値観が大きく変わりつつある時代に求められる美しさとは何か。答えは、マドモアゼル自身の希望とニーズを具現化することにほかなりませんでした。古典的な美意識というべき、温室育ちの青白い肌や、とり澄ました表情に、「ノン」を突きつけるかのように、彼女が目指したのは、生き生きと輝く、生命力にあふれた肌。

拭き取り用のクレンジングをしみ込ませたティッシュに、マッサージにも適した多目的なオイル。肌を守りながら日光浴を楽しめるオイルに、週末や旅行のためのクリームなどアイディアあふれるアイテムも。1927年から次々と登場した型破りな製品は、行動的で冒険好きなマドモアゼルだから生まれたもの。世界の女性たちを自由で活動的なライフスタイルへと導き、心地よく自信にあふれた人生を送るためのエールになったのです。

■1927年:『ユイル ドゥ ヴィザージュ』など15品からスタートした、シャネルのスキンケアの歴史

『ユイル ドゥ ヴィザージュ』50ml ¥13,000

再生、潤い、クレンジング、敏感肌ケア、栄養という視点をもった化粧水やクリーム、オイルを発表。なかでも、写真のジャスミンエキス配合のフェイシャルオイル『ユイル ドゥ ヴィザージュ』は、2017年(写真左)に現代の処方で甦り、顔・ボディー・ヘアケアとその万能性はオイル美容の傑作です。

■1987年:シワ対策の時代に、いち早く「たるみ」にフォーカスした『リフト セラム』

'80年代は、テクノロジーの進化によってスキンケアコスメが大いなる躍進を遂げた時代。その立て役者は美容液で、集中的かつパワフルな力を発揮するスター級が続々登場しました。しかし、エイジングの悩みに関していえば、当時はシワにフォーカスするものがほとんど。そのなかでいち早く、たるみの問題に焦点を当て、リフトという概念を打ち出したシャネルには、先見の明があったといえるのではないでしょうか。常に、斬新でユニークな視点で、女性の美を探求するのがシャネルの心意気。『リフト セラム』はその後、建築構造学や遺伝子学など、さまざまな分野と連携して研究されることで、エイジングケアの代表ライン『LE LIFT』へと成長していくのです。

■1995年:女の肌は「保湿が命」と教えてくれた永遠のスタンダード『イドゥラ セラム』

『マイクロ アイ ジェル』15ml ¥7,800

肌には究極、何が必要かと問われたら「保湿」と答えて間違いはないもの。潤った肌こそ美しく、潤った肌こそ強いという事実は、決して覆せないスキンケアの真理なのです。シャネルは、1995年の保湿美容液『イドゥラ セラム』を礎に、最新技術によるフォーミュラを採用しながらセラムを強化。アップデートさせ、さらに『イドゥラ ビューティ』という一大シリーズを立ち上げました。マドモアゼルがシンプルなスタイルにこだわるように、「保湿命」のアイテムたちは「レス イズ モア」の精神を汲んだ、永遠のスタンダードといえるもの。『イドゥラ ビューティ』のシリーズは、現在11品のラインナップ。みずみずしいジェルにカメリアのオイル成分を含んだバブルが浮かぶ画期的なフォーミュラは、『マイクロ セラム』(30ml ¥10,000)をはじめ、『マイクロ アイ ジェル』(15ml ¥7,800)、『マイクロ クリーム』(50g ¥10,000)で展開されています。

■1996年:シャネルが目指す「光のように透明な白」を実現する『ブラン ピュール』

『ブラン ピュール』は、現在の美白ライン『ル ブラン』の前身。フランス語で、ブラン=白、ピュール=純粋。その名が示唆するように、シャネルが目指したのは透明感あふれる光の白でした。シミという点にフォーカスするだけでなく、全体印象に光をもたらすことが女性をより美しく見せる。どこまでも透き通るピュアな肌…それがシャネルの美白哲学の根底にあるのです。

■2006年:エイジングケアをポジティブに変える新アイコン『サブリマージュ』

『ラ クレーム N』50g ¥40,000

シャネルのラグジュアリーを語るにふさわしい、スキンケアの至宝が誕生。それが、エイジングケアの傑作である『サブリマージュ』です。マダガスカル島産の「ヴァニラ プラニフォリア」に想像を超えたパワーがひそんでいることを発見し、先進科学のアプローチによってエイジングケアコスメへと昇華。現在では、シグネチャーアイテムであるクリームは最新作を含め3種、クレンジングやUVプロテクションなどフルラインで展開しています。2000年初頭から始まった、この『サブリマージュ』物語は、世界に旋風を巻き起こし続け、さらにその先の未来へと続いていくことでしょう。

■2011年:外資ブランド初の快挙!新規美白有効成分の承認を得た『ル ブラン』

『クリーム TX(医薬部外品)』50ml ¥13,000

例えば、襟元のパールが反射して女性の肌を明るく見せるように。白いカフスが手元を優雅に縁どるように。光り輝く白を目標に研究を重ねてきたシャネルは、2011年、ついに外資系ブランドで初の新規美白有効成分の承認を取得。その新規美白有効成分「TXC」を配合した『ル ブラン』シリーズのクリームによるケアは、軽やかで心地よく、気がつけば黄ぐすみも色ムラもないパールのごとく輝く肌へと導きます。この『クリーム TX』の登場によって、クリームで美白という新習慣が女性たちに浸透。『セラム HLC』(医薬部外品 30ml ¥16,000)と共にリピーターが多い、『ル ブラン』シリーズを代表する逸品です。

■2013年:最先端の遺伝学を応用し、インテリジェントなコスメの時代をリードする『LE LIFT』

『LE L セラム』30ml ¥16,500

1987年、『リフト セラム』で初めてたるみケアを発案したシャネルが、満を持して世に送り出したのが『LE LIFT』。遺伝子研究ブームの真っただ中、その先端を行く遺伝学「エピジェネティクス」に注目し、「もっと若々しい未来を獲得できる」と、攻めのエイジングケアを提唱しました。これによって、肌の未知なる才能を開花させるインテリジェントなコスメの時代が到来。写真の『LE L セラム』のほか、アイケアが2種、感触別のクリームが3種、マスク2種と、リフトアップケアの要となってくれるアイテムが充実しています。

■2016年:多忙な現代女性の味方『ラ クレーム ドゥース』

『ラ クレーム ドゥース』50g ¥18,000

精力的に仕事をこなし、常に美しくあることを心がけていたマドモアゼル。彼女は、旅用や週末用など目的別クリームをはじめ、数々の個性的なクリームを考案しました。2016年に登場した『ラ クレーム ドゥース』は、そうした伝説を受け継ぐ新名品のひとつ。細胞間脂質の研究から生まれたクリームは、肌に快適なバリアを築きながら潤いとハリで満たし、天候の乱れや大気汚染など、どんな環境下でも優しく寄り添ってくれます。ストレスフルな社会を力強くしなやかに駆け抜ける、現代女性たちにとっては心強い親友のような存在のコスメです。

■2017年:健康長寿に学び、健やかな美肌を目指す次世代のスキンケア『ブルー セラム』

『ブルー セラム』30ml ¥12,000

健やかな肌は、強くて美しい。それをいかにして育むかを、長寿の人々が集まるエリアにスポットを当てて研究した成果が、これまでにない発想のコスメである『ブルー セラム』。自らが美しく、生き生きと仕事をするために、規則正しい生活とバランスのいい食事、そして十分な睡眠…と、常に健康的な生活習慣を心がけていたマドモアゼルは、まるでこの未来を予見していたかのようです。

■2018年:『サブリマージュ』、『ル ブラン』、『ブルー セラム』から新名品が誕生!

1927年からスタートしたシャネルのスキンケアは、マドモアゼルから革新の精神を受け継いで進化と変遷を遂げてきました。時代の求めに応じてフォーミュラが刷新され、ときには新たなアイテムが追加されて。2018年の今年、『サブリマージュ』からは究極のクリーム、『ル ブラン』からはオイルで美白という新提案、『ブルー セラム』からは目元ケア用の『ブルー セラム アイ』(15ml ¥8,000)が新戦力として登場しています。

大胆なアプローチで人々を驚かせながら、常に女性たちのライフスタイルに寄り添うコスメを世に送り出してきたシャネル。止まることなく進み続けることこそが、創始者マドモアゼル シャネルの意思であり、数々の名品を生み出してきたブランドの使命なのです。

※掲載した商品はすべて税抜です。

問い合わせ先

PHOTO :
戸田嘉昭・池田 敦(パイルドライバー)
WRITING :
松澤章子(ビューティー ディレクター)
EDIT :
荒川千佳子、五十嵐享子(Precious)
RECONSTRUCT :
難波寛彦