美しく、美味しく、リュクスでトラディショナル、モードでいてロマンティック。大人の女性が憧れ続ける街「パリ」で暮らす3人の素敵なお宅にお邪魔しました。

アートや自然、古きよきもの、美しいものを愛する3人のそれぞれのこだわりが詰まった家は自分らしく人生を楽しむ、生きるスタイルそのものといえます。

今回はその中から、経営者・コンサルタントソフィ・ヌヴゥーさんのご自宅をご紹介します。

ソフィ・ヌヴゥーさん
経営者・コンサルタント
(Sophie Neveux)モロッコのカサブランカ生まれ。生後3か月でパリへ。16区で暮らす。17歳で夫と出会う。ウイスキー専門店「ラ・メゾン・デュ・ウイスキー」を夫と経営。現在は、イタリアンブランドのライフスタイル雑貨などのトータルコンサルティングも行っている。

経営者・コンサルタント ソフィ・ヌヴゥーさんの「コクーンのような家」

「本当に好きなものだけがあれば十分。シンプルで温かく、安らぎに包まれた家はコクーン(繭)のような場所です」

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パリ右岸のアパルトマンに暮らすのは起業家のソフィ・ヌヴゥーさん。高い天井を彩る繊細なワイヤー照明が印象的。“エルメス”のケリーに描かれたうさぎは、アーティストの河原シンスケによるもの。アート好きなソフィさんのコレクションのひとつ。
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白×ヘリンボーン柄のすっきりと明るいリビング。繊細な照明は、ワイヤー・アーティストのマリー・クリストフの作品。ソフィーさんの友人でもあり、このリビングに合う照明を、と話し合って生まれた作品だとか。ソファやローテーブルなど、ほとんどの家具は“クリスチャン・リエーグル”。壁にかかっているモノクロの写真は、植田正治の「砂丘」シリーズ。棚にも、急須やうちわなど、日本で購入したアーティスト作品が並ぶ。

パリ右岸は落ち着いた住宅街でありながら、小さなカフェやバーなどが点在する魅力的なエリア。なかでも、パリで最も美しい街のひとつとして知られている16区。オスマン建築様式と呼ばれる荘厳なアパルトマンが立ち並び、パリの風情を存分に堪能できる場所で暮らすのは、起業家・コンサルタントとして活躍するソフィー・ヌヴゥーさん。

「長くパリに住んでいますが、今でも毎日、美しい街並みにうっとりしています。歴史的な建造物がたくさんあり、セーヌ川沿いの街路樹は四季折々に色や表情を変え、豊かな自然も楽しめます。以前の家も同じ通りでしたが、ずっと気になっていたこの物件が空いたと聞いて、即決しました。大幅なリノベーションが必要だったため、完成までの1年半は、目の前のアパルトマンを借りて、現場と家を行き来していました」 

ソフィーさんは、夫と共にウイスキー専門店「ラ・メゾン・デュ・ウイスキー」を経営。創業50周年を超える老舗で、博物館と見紛うほどの豊富な品揃えで、初心者からウイスキー愛飲家まで集う場でもあります。

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エントランスの黒い照明は「フィレ・ド・フィッシュ(魚の網)」という名のライト。パリのギャラリーでひと目惚れ。

また、日本のウイスキーの品揃えが豊富な「ラ・メゾン・デュ・ウイスキー」は、パリの日本ウイスキーブームの火付役でもあります。

「芳醇な香りと深い味わいが日本のウイスキーの魅力。仕事柄もあって、夫と一緒に何度も日本を訪れています。滞在中はギャラリーなどでアートを購入。自然をリスペクトする日本人アーティストの作品は、家を心地よいものにしてくれます」 

夫婦共に大の日本贔屓で、家のアートは、ほとんどが日本で購入した日本人アーティストの作品。

「わが家は典型的なオスマン建築のアパルトマン。3mほどある高い天井や、大きな窓から入る明るい光を生かすため、白を基調にピュアでクリアな空間をテーマにしました。特徴的なのはヘリンボーン柄の床。以前の住人が幾重にも重ねていた絨毯を剥がしたら出てきたのがこの床。素の魅力を生かし、蘇らせるところからリノベーションが始まりました」

「定期的に不要なものは捨てることで思考もクリアに。すっきりとした空間は心地よく暮らすための最初の一歩です」

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多くのゲストが訪れるため、ダイニングテーブルは最大12人掛け用。テーブル、椅子共に“クリスチャン・リエーグル”。小さな木の家がコラージュされた立体的なアートは世界を舞台に活躍する川俣正の作品。窓際の“ピエール・ポラン”のソファに腰掛けて、街路樹を眺めながら読書をするのがソフィさんの至福時間。ワイヤーの照明はマリー・クリストフ。

真っ白でピュア、ミニマムですっきりとした印象のソフィさん宅に、安らぎと心地よさをもたらしているのは、ヘリンボーン柄の床や家具、アートで巧みに取り入れられた木の温もり。ワイヤーアートのような照明もインテリアのポイントです。

「魚の網のような、繭のような…。自然をモチーフにしてワイヤーでつくられた繊細なデザインの照明は、部屋を優しい光で包んでくれます。また、定期的に家中を点検し、不要なものは捨てることで思考もクリアに。すっきりとした空間は心地よく暮らすための最初の一歩です。本当に好きなものだけがあればそれで十分。家は私にとって、コクーン(繭)のような存在。シンプルで明るくて、温かくて安らげる、リラックスできる唯一無二の場所です」

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廊下の飾り棚には草間彌生のかぼちゃオブジェが。
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草間彌生のかぼちゃオブジェ
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リビングの一角。ミニマルなデザインのガラステーブルは“エリック・シュミット”。
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リビングのピアノはスタンウェイ社製。8歳の時にピアノを習い始めたが長くは続かず。最近レッスンを再開し、ときどき弾いている。
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主寝室には色を取り入れて。赤い花のアートはパリを拠点に活躍する現代アーティストの巨匠黒田アキの作品。
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キッチンの壁面の絵は、交流のあるアーティスト・河原シンスケに自由に描いてもらったそう。スツールは“フィリップ・スタルク”、システムキッチンは“Boffi”。
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アーティスト・河原シンスケの絵
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娘さんの部屋。大通りに面しているためどの部屋からも街路樹が見渡せる。「わが家のグリーンは美しいこの街路樹。だから、室内にはあえてグリーンを置いていないの」とソフィさん。

【ソフィさんのHouse DATA】

●場所…パリ右岸
●間取り…リビング、ダイニング、キッチン、寝室、子供部屋×3、バスルーム×2、クローゼット
●広さ…約280平米
●家族構成…夫、子供(三姉妹)
●住んで何年?…20年

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PHOTO :
篠あゆみ
EDIT :
田中美保
取材 :
鈴木ひろこ