連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People

明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する「Precious」連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、テロに携わった若者の再出発を促すため、ソマリアをはじめとした紛争地へ出向き、平和に向けたアプローチを続けている日本のNPO法人「アクセプト・インターナショナル」海外事業局  副局長の高橋みづきさんにインタビュー。

テロで被害を受けた難民の人道支援など、被害側のサポートを行う団体が多いなか、戦闘に関わってしまった加害側、テロリストなどと呼ばれる人々に焦点を当てて活動を続けている高橋さんに、その取り組みについて詳しくお話しをうかがいました。

高橋みづきさん
認定NPO法人「アクセプト・インターナショナル」海外事業局 副局長
(たかはし みずき)学生時代に前身団体である「学生NGO日本ソマリア青年機構」にて活動。民間企業や海外大学院を経て、直接的にテロや紛争の解決に貢献すべく、’21年6月より本団体に参画。今後は武装組織に関わった若者たちの権利条約の制定に向け、母体となるグローバルタスクフォースを設立し、国連で決議採択を目指すなど、革新的な活動も進めていく。

【Tokyo】テロに携わった若者の再出発を促すためソマリアをはじめとした紛争地へ

認定NPO法人「アクセプト・インターナショナル」海外事業局 副局長の高橋みづきさん
認定NPO法人「アクセプト・インターナショナル」海外事業局 副局長の高橋みづきさん

昨今、頻繁に耳にするようになってしまったテロや武力紛争のニュース。国際機関や団体と連携しつつ、平和に向けた独自のアプローチを行っているのが、日本のNPO法人「アクセプト・インターナショナル」。海外事業局の高橋さんは、さまざまな紛争地やその影響地域へ繰り返し足を運んでいる。ケニアから帰国し、コロンビアへ出国する合間のある日、じっくり話をしてもらった。

「テロで被害を受けた難民の人道支援など、被害側のサポートを行う団体が多いなか、私たちは戦闘に関わってしまった加害側、テロリストなどと呼ばれる人々に焦点を当てて活動しています。彼ら彼女らが犯罪に手を染めざるをえなかったのはなぜか。どうすれば違う人生へ歩きだす手助けができるのか。その問題にダイレクトに取り組んでいるのです」

先日訪れたのはケニアの刑務所。テロに関わった受刑者とのカウンセリングを行った。
「貧困が理由で組織に入ってしまったのならば、手に職をつける教育プログラムを提案したり、過激な宗教観が理由であれば、宗教指導者と協力して本来の信仰について話し合いをしたり。何度も対話を重ねて暴力と関わらない生き方を共に考えていきます」

インタビュー中、何度も出てくるのが “対話” という言葉。友好的ではない、ときに危険さえ伴う場所でどうやって対話へ導くのだろうか。

「経験を重ねて気がついたのは、私自身が知らない間に、相手に対し恐れや怯えといったフィルターをかけていたことです。相手が心を開くのを待つのではなく、ひとりの人間として私がどれだけ壁を取っ払えるか。『あの変わったアジア人がまた来たぞ』くらいの印象を残せれば、それが理想かなって(笑)」

それでも無力感に襲われることは多々あり、つい最近もソマリアのリハビリ施設を卒業した若者が殺害されるという出来事があった。
「でもそれが立ち止まる理由にはならなくて。私たちの支援で違う未来を描く若者をひとりでも増やせれば。これからも少しずつ対話を重ねて、憎しみの連鎖をほどいていきます」

◇高橋みづきさんに質問

Q 朝起きていちばんにやることは?
世界各地から届くメッセージをスマホでチェック。

Q 人から言われてうれしいほめ言葉は? 
「自分たちのためにこんなに遠いところまで来てくれてありがとう」

Q 急にお休みがとれたらどう過ごす? 
高原や温泉など日本の清らかな自然に触れたい。ジャングルや砂漠など厳しい環境にいることが多いので…。

Q 仕事以外で新しく始めたいことは? 
世界のお酒やダンスに詳しくなりたい。このふたつを知っていると初対面でも早く関係性を深めることができるんです。

Q 10年後の自分は何をやっている?
課題解決に取り組みながら、日本での支援の輪を広げていく。

Q 自分を動物に例えると? 
生成AIに聞きましょう。理性的で大胆な行動を起こす「チーター」だそうです。

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PHOTO :
Horst Stange
EDIT&WRITING :
本庄真穂、喜多容子 ・木村 晶(Precious)
取材 :
Noriko Spitznagel