日頃お世話になっている取引先や、お客さまを招いての公式なパーティーで、ホストとしてはどのような点に気をつければよいのでしょうか?

パーティーの席で何か失礼があっては、個人の問題だけではすまず、所属している組織や企業のイメージを損なうことにもなりかねません。感謝の気持ちを伝えたり親睦を深めたりするはずの席なのに、そんな失態はなんとしてでも避けたいですよね。

そこで今回は、池坊短期大学教授で『新社会人のためのビジネスマナー講座』の著者である寿マリコさんから、パーティーのホスト(開催者側)をするときのNGマナーを教えていただきました。

レセプション・パーティーのホストをするときのNGマナー8選

■1:服装がカジュアルすぎたり派手すぎたりする

ホストにふさわしい服装は?

まず、パーティーのホスト、お招きする側としての服装では、どのような点に気をつければよいのでしょうか?

「どんな服装が適切かは社風によりますし、基本的には会社のドレスコードに従うのがよいかと思います。もし、ドレスコードがない場合、おもてなしをするホストとしては、シンプルで上品であることが原則です。カジュアルすぎたり、華美になりすぎたりしないように気をつけましょう。

たとえば、インナーにはTシャツよりもブラウスを。また、足元に関しては、ミュールやブーツはNGですのでパンプスを選びましょう。足元は意外とよく見られているので、ヒールが傷んでいないかなど、しっかりチェックしておくことも大切です。

アクセサリーは、パールネックスレが無難ではないでしょうか。他方、インパクトの強い指輪や、一目で高級ブランド品だとわかるような時計は、ホストとしてはふさわしくありません」(寿さん)

服装は、アウトとセーフの境界があいまいで悩んでしまう人も多いはず。まずは上記のルールをしっかり押さえておきましょう。

■2:パーティー会場のフロアマップを把握していない

パーティー会場では、招待客から化粧室やクローク、喫煙ルームの場所を尋ねられることもあります。その際、スマートに案内できなければ、お客様に不便を感じさせますし、会社の信用にもかかわりますよね。

自社で開くパーティーであれば問題ないかと思いますが、会場を借りて行う場合は、フロアマップをしっかり把握しておきましょう。

■3:名刺を切らしてしまう

名刺の準備は大丈夫?

パーティーでは、初対面の人と名刺交換をする機会も多いはず。万が一、名刺を切らしてしまうと相手に対して失礼に当たりますし、ビジネスチャンスも台無しです。名刺は十分な枚数を用意しておきましょう。

また、単に機械的に名刺を交換するだけでなく、会話が弾むきっかけづくりのために、招待客の勤務先、業務内容、部署といった基本データの下調べもお忘れなく!

■4:自分が食べたり飲んだりするのに夢中になる

自分の飲み食いは後回しに

ビジネスパーティーの主たる目的は、さまざまな人とコミュニケーションをとること。とりわけ、ホストとしては、自分の飲み食いよりも、お客様との会話を楽しむことが第一です。

おいしそうなごちそうに目を奪われて、お客様をないがしろにしないようにくれぐれも注意しましょう。食欲がまさりがちな人は、パーティー開始前に軽食を摂るなどして、お腹を軽く満たしておくとよいかもしれません。

■5:お酌で粗相をする

これだけは押さえておきたいお酌のマナー

寿さんによれば、最近はグローバルスタンダードの流れで、お酌をしない会社が増えているようです。とはいえ、ホストとしてお酌をする必要がある場合は、下記3つのマナー違反に注意しましょう。

(1)お酒をしつこくすすめる

「もともと飲めないかたに強要するのがNGなのはもちろんですが、お酒が強いかたでも、敢えてソフトドリンクを飲んでいることもあります。よかれと思って、しつこくすすめないようにしましょう」(寿さん)

「いかがですか?」と一声かけるくらいならOKですが、相手が辞退しているのに「遠慮せずどうぞどうぞ」と親切の押し売りをしないように要注意!

(2)酒瓶を持ち歩く

「お酌をするために、ビール瓶などを持ち歩くのはマナー違反に当たります。お酒はテーブル上にあるものを注ぐようにしましょう」(寿さん)

酒瓶を持ってウロウロ歩き回るのは、見た目的にもエレガントではありませんよね。

(3)置き酌をする

「ビールの場合はNGとまではいえないのですが、日本酒に関しては、テーブル上の盃に直接注ぐのはマナー違反です。相手が盃を手に取ってから注ぎます」(寿さん)

テーブル上でお客様の盃が空になっているのを見つけても、慌てて注いじゃダメ! まずは、一声かけてみて、相手が盃を手に取れば“注いでOK”のサインです。また、逆にお客様のほうからお酒をすすめられたら、しっかり両手で盃を持っていただくようにしましょう。

■6:ホスト同士で固まったり、特定の客と話し込んだりする

パーティー慣れしていない場合、知らない人が大勢いる場で心細さを感じてしまうかもしれませんが、身内同士で固まってしまうのはホスト失格! 自分よりも、お客さまのケアが優先です。会場内にひとりでいる招待客がいないか? 常に気を配りましょう。

また、お客さまのなかでも、気心の知れた特定の相手とばかり話し込むのも考えもの。ひとりの客との会話は10分程度、長くても20分以内には切り上げて、なるべく万遍なく挨拶に回るようにしましょう。

■7:お客様からいただいたものをテーブル上に放置する

お客様プレゼントをいただいたら?

ビジネスパーティーでは、お客様がホストのために、ちょっとしたプレゼントや花束を用意してくれることもあります。もし、贈り物をいただいた場合、どのように振る舞えばよいのでしょうか?

「まずは、その場で丁寧にお礼を述べることが大原則ですが、そのお客様とのやりとりを終えた後の対応にも要注意です。うっかり贈り物をテーブル上に置きっぱなしにすると、せっかくの厚意をぞんざいにしているような印象を与えてしまいますので、控え室などに保管するとよいでしょう」(寿さん)

ホスト役は四方八方に気を配る必要があるので、贈り物を粗末に扱うつもりがなくても、何かの拍子にテーブルに放置してしまうことがあるかもしれませんね。失礼がないように、すみやかにパーティー会場外に持ち出しましょう。

■8:お客様を最後まで見送らない

宴がお開きになった後も、ホストはまだまだ気が抜けません。お見送りもホストにとって重要な役割。“出迎え三歩、見送り七歩”ということわざにもあるように、なるべくお客様の姿が見えなくなるまで心をこめて見送るようにしましょう。

立ち去ろうとしたお客様がふと振り返った瞬間、ホストがもう別の作業をしていると、「本日は来てくださってありがとうございました」という感謝の気持ちが十分に伝わりません。

逆に、その場を離れずにこやかに見送ってくれる姿があれば、お客様は自分が尊重されていることを実感でき、ホストやその会社を今後「いっそう引き立てたい」という気持ちになってもらえる可能性が高まります。

ホストにとって何よりも大切なのは、招待客をもてなそうという心配りです。上記のNGマナーを改善したうえで、さらに「こんなときどうすればいいの?」と迷うことがあれば、お客様の立場になって判断するようにしましょう。

寿 マリコさん
池坊短期大学教授
(ことぶき まりこ)日本女子大学大学院人間社会研究科修了。大学卒業後、銀行勤務を経て渡仏。´Ecole de Maquillage CHRISTIAN CHAUVEAUに留学。身だしなみや所作などの、外見印象をはじめとするノンバーバルコミュニケーションに着目し、研究や実践活動に取り組んでいる。池坊短期大学では、サービスマナー演習などのキャリア関連講座等を担当、企業や官庁関連機関ではマナー講座や就労支援講座などを行っている。著書に『新社会人のためのビジネスマナー講座』(ミネルヴァ書房)がある。
この記事の執筆者
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WRITING :
中田綾美
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