プリンセスの仕立て屋として有名な英国生まれのブランド、KATHERINE HOOKER(キャサリン・フッカー)のデザイナーが初来日! 40歳でデザイナーに転身しブランドを始めたきっかけから、キャサリン妃との奇跡の出会い、そして、コートづくりへの想いを、Precious.jpで語っていただきました。

6着のコートからブランドをスタート!キャサリン妃が愛用するブランド「キャサリン・フッカー」の魅力とは?

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プリンセスの仕立て屋KATHERINE HOOKER(キャサリン・フッカー)のデザイナー

Q. ブランドを始めたきっかけを教えてください。

A. ブランドを始めるまで、私は映画業界でセットをディレクションする仕事に携わっていました。とても好きな仕事でしたが、大きいチームで働いていたということもあり、クリエイティブな作業に向き合うことが難しく、いつしかフラストレーションが溜まるようになっていました。

35歳になったときに「人生を変えたい!」と思い立ち、時間が許す限り、世界中を旅して回るようになりました。そんななか、インドで“あるテーラー”に出会ったのです。それがちょうど40歳になったころで、私の人生を変える最大のきっかけとなりました。

Q. インドで出会ったテーラーの、どんなところに惹かれましたか?

A. ひとつのものをつくりあげる過程で、すべてのプロセスを彼自身がひとりで行っているというところに惹かれました。細部まで気を配りながら、丁寧に進めていく。すべて自分の手でつくっていく、そのプロセスすべてに恋をしてしまったのです!

その瞬間、彼に自分のコートをつくってもらいたいと思ったのですが、インドでは自分好みの生地が見つけられず、イギリスに一旦戻り、サヴィル・ロウで生地を仕入れてから再びインドに出向きました。

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コートをつくる、すべての工程に魅了された、キャサリン・フッカー

Q. どんなコートをつくられたのですか?

A. デザインは、私の記憶の中で生き続けていた、アンティークのコートを元に考えました。それは、18歳のときに訪れたイスラエル・エルサレムのヴィンテージショップで見つけたもので、アーム位置が高く細身な仕立てが、小柄な私にとてもよくフィットした奇跡の1着でした。まさにシンデレラコートのよう! そのときの着心地を再現するよう、ひとつは自分のために、5つは友達のために、合計6つのコートをつくりました。

Q. なぜ、6着つくることから始めたのですか。

A. 正直なところ、何度もインドへ出向くのには旅費もかかってしまうので、旅費を賄うための施策でもありました。ですが、友達が気に入って着てくれたおかげで、友達の友達などへ口コミで広がるきっかけとなり、次々とオーダー依頼がくるようになりました。

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「キャサリン・フッカー」では、ショルダーやアームのデザインから始める、クラシックなスタイルを採用

Q. あなたのブランドが他と違うのは、どんなところだと思いますか?

A. 多くのブランドは、デザイナー自身のイメージからものづくりが始まると思うのですが、私の場合は、お客さまとのコミュニケーションから始まります。

オーダーメイドが主流だった時代は、大量生産の時代とは違い、着る人に合うサイズ感で仕立てることが当たり前でした。クラシックな考え方かもしれませんが、どちらかというと、そちらの精神に近いかなと思います。

具体的にどのように違うかといいますと、ショルダーやアームカットからデザインを始めるという点です。それにより、よりスリムでボディーにフィットするシルエットをつくることができます。

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キャサリン妃が愛用する「キャサリン・フッカー」のコートスタイル

Q. キャサリン妃が愛用されているということですが、彼女との出会いのきっかけを教えてください。

A. 彼女と初めて会ったのは、ブランドのファーストシーズンのフェアーでした。ふらりと立ち寄って、コートを購入してくださったのがきっかけでした。そのとき既にウィリアムズ王子と交際されていたとは思いますが、私はゴシップ誌などもチェックしないタイプですので……。彼女が誰で、どんな立場の人なのかを、そのときはよく理解していませんでしたが、ナチュラルで知的で素敵な方だなという印象を受けました。その後、お店が開店してから今でも、変わらずに足を運んでくださっています。

Q. 彼女があなたのデザインを好むのは、どんなところにあると思いますか?

A. キャサリン妃は、クラシックな感性を大切にされているように感じます。「キャサリン・フッカー」は、流行を追うよりも、ベーシックなものをカラーバリエーション豊富にそろえるなど、同じスタイルでもチョイスの幅が広いのが特徴ですので、彼女の嗜好とブランドコンセプトが、合っているのかなと思います。

それから、彼女は野外のイベントにも多く出席されているので、おしゃれな見た目だけでなく、保温性の高さなど機能面も重要視されるような、現実的な考えもお持ちの方です。ウエアラブルな点でも、「キャサリン・フッカー」を選んでいただけているのかもしれませんね。

ブランドが始動してからこの14年間で急成長を遂げたファッションブランド「キャサリン・フッカー」。今回は、40歳でデザイナーに転身しブランドを始めたきっかけから、コートづくりへの想いまでを、デザイナーのキャサリン・フッカーさんに語っていただきました。

キャサリン妃も愛する、エレガントで実用的なコートは、日本でも注目が集まっています。日本人用に仕立てられた別注コートは、ヴァルカナイズ・ロンドンのみで購入できる希少品! この冬は、「キャサリン・フッカー」で自分らしい1着を見つけてみてください。

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この記事の執筆者
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PHOTO :
Getty Images(キャサリン妃)
EDIT&WRITING :
石原あや乃