2019年から新元号に変わるということもあって、毎年恒例の新年の抱負にも一段と気合いが入るところ。ですが、過去に立てた新年の抱負を達成できたことがある人は、案外少ないのではないでしょうか……。

行動習慣のエキスパートである佐藤 伝さんは「目標のハードルが高いと三日坊主になりがち。ベビーステップじゃないと乗り越えられない」と言います。

いきなり大きな目標を掲げても、それがプレッシャーになってしまったり、途中で投げだしてしまう自分はやっぱりダメだと悲観的に考えたりしてしまうのがオチ。初めの目標は小さくして、少しずつステップアップしていくことがコツなのです。

以下で、やってはいけない新年の抱負の立て方を紹介していきます。本記事を参考に、来年からは新年の抱負を達成して、どんどん自分をアップデートしていきましょう。

絶対にやってはいけない新年の抱負の立て方8選

■1:数値化できていない抱負を立てるのはNG

ふわっとした内容は絶対にNG

心機一転の気持ちを込めて新年の抱負を考えるとき「来年こそ痩せる」「収入金額をもっと上げる」など、思い付きでなんとなく目標を掲げていませんか? 佐藤さんによると「具体的な数値で表せない、抽象的な目標はNG」なのだとか。

「例えばダイエットなら、ただ痩せるではなく、お腹周りを何cm落とす、というように具体的な数値を決めましょう。それがないと目標を達成できたかどうかの判断もできません。何をどうしたいのか、ということをしっかり意識して考えてみましょう」(佐藤さん)

ただし、高すぎる目標は挫折のもとなので注意。最初のハードルは低すぎるくらいに設定し、毎日コツコツ達成していくことがポイントです。

■2:ふたつ以上の抱負を立てるのはNG

やりたいことがたくさんあると、休日が楽しみに感じられて気分がウキウキしてきますよね。ですが、新年の抱負にあれこれ詰め込み過ぎると、かえって目標達成の妨げに……。

「『早起きして、走る』というように、ふたつ以上の要素が入っていると難易度が上がって苦しくなりがちです。この例なら『シューズを履く』くらいまで目標を小さくしましょう。コツは、動作を自動化すること。

つまり、シューズさえ履いてしまえば、自動的にランニングに出かけられるということです。『毎朝ランニングする』よりも『毎朝シューズを履く』だけなら簡単に感じられますよね。ちょっとした工夫で目標へ意識を向けるだけでも、ゴールに一歩近づきます」(佐藤さん)

行為そのものは同じでも、よりプレッシャーを感じない内容に変換すると、ハードルがぐっと下がります。また、自動化の一例として、ダイエット中に体重を計るのを忘れないよう、洗面台の前に体重計を設置してみましょう。すると毎朝自動的に体重を計れます。

■3:15分以上かかる行為を抱負にするのはNG

3分程度がベスト

学生時代、苦手な科目の授業は、随分と長く感じられたのではないでしょうか。やらなければならないけれど、あまり気が乗らない作業をこなすのは、1時間でも辛いものです。これと同じで「毎日1時間、英会話の勉強をする」というような新年の抱負を立てても、長続きしない危険性あり。

「人間の集中力は15分以上続きません。もし英会話の勉強をするのなら15分ほどで区切るのがよいでしょう。本当は15分でも長く、3分くらいのほうがより集中できます。

おすすめなのは、タイマーなどで時間を管理すること。スマホのアプリにもタイマー機能がありますが、アプリを起動し、時間を設定して……と細かい作業が必要なので、やや面倒。わたしは、操作がワンタッチで済む砂時計がお気に入りです」(佐藤さん)

長時間の勉強を自分に課しても、集中できなければ非効率なだけでなく、辛くて続かなければ本末転倒です。電車やバスでの移動時間を利用するといった手もあるので、自分のライフスタイルに合ったやり方を見つけましょう。

■4:絵にできない事柄を抱負にするのはNG

「もっと幸せになりたい」、「理想の恋人に出会いたい」という願いは、だれもが心に描いているもの。しかしそれだけでは、いつまで経っても実現できません。なぜなら、佐藤さんいわく「イメージできないものは具現化できない」からです。

「家を建てることが目標なら『ログハウスで、周りは自然に囲まれていて……』というように、具体的な絵が想像できると実現率が上がります。目標となるものの写真やイメージを、スマホの待ち受け画面に設定するのも効果的。夢の実現には、脳を上手にだまし、それが実現可能だと信じ込むことが必要なのです」(佐藤さん)

ひと言に幸せと言っても、その形は人それぞれ。イラストや写真などを活用して、より鮮明なイメージを持つようにしましょう。

■5:ワクワクしないことを抱負にするのはNG

本当にやりたいことを考えてみよう

やらなければとは思うものの、本当はやりたくないことは、だれにでもあるものです。しかし、新年の抱負にそういった目標を選ぶのは避けましょう。

「行動の源泉はワクワク感です。お金を貯めるのが辛い人が500万円貯めようとしても、ワクワクしないのできっと続かないはずです。目標を達成できなかったという失敗経験は、挫折感につながるため、本当はやりたくないことを新年の抱負に挙げるのはやめましょう。

それよりも、やってみたかったことに挑戦するのはどうでしょうか。自分のワクワクの源を深掘りして、本当にやりたかったことが何なのかを考えてみてください」(佐藤さん)

いつも目標を達成できないのは、もしかすると本当はやりたくないことだからなのではないでしょうか。途中で投げ出して自己嫌悪に陥ることはやめて、自ら進んで取り組めるような事柄にチャレンジしてみては?

■6:明確なゴールがない抱負を立てるのはNG

人が訪ねてくるならすぐに部屋を片付けるけれど、無目的だと気が乗らないのが人の性。このように、目的がはっきりしていない新年の抱負は投げ出してしまいがちです。

「英会話が続かないという人の原因の多くは、明確なゴールがないからです。これがもし、来月から海外出張が決まった人なら、英会話の勉強にも必死に取り組むでしょう。『みんながやっているから』と周りに同調しただけの目標は得てして長続きしません」(佐藤さん)

先述の部屋の片付けの例で言えば、彼氏を部屋に呼ぶことで半ば強制的に片付けができるはず。どうしてもそれを実行しなくてはならないなら、目的(ゴール)を明確にすることで達成できるでしょう。

■7:五感を刺激しない抱負を立てるのはNG

あなたはVAKのどのタイプ?

前述の「絵にできない事柄」がNGであるように、五感を刺激しない目標だと、イメージが不鮮明になってしまいます。物事を捉えるとき、どんな情報をより重視するかは、人によって異なります。佐藤さんによると、そのタイプは次の3つに分けられると言います。

V(ヴィジュアル:視覚の情報を重視)
A(オーディブル:聴覚の情報を重視)
K(キネスティック:体で感じる情報を重視)

「南の島を想像するとき、真っ先に何が浮かびますか? 青い海や空など、目から得られる情報を思い浮かべるのはVタイプ(男性に多い)。波の音やカモメの鳴き声などを思い浮かべるのは、耳の情報を重視するAタイプ(女性に多い)。少数派ですが、砂浜の感触や心地よい風などの体を通して感じる情報を思い浮かべるのがKタイプです。これらのタイプを意識することで、目標とするイメージがより鮮明になります」(佐藤さん)

自分が3つの内のどのタイプなのかを理解していると、目標とする姿やイメージがはっきりと思い描けるようになるはずです。

■8:近い報酬がない抱負を立てるのはNG

突然ですが、来年10万円もらえるよりも、来月1万円もらえるほうが、なんとなくお得な気がしませんか? 人間は、遠い未来よりも近い未来の事柄のほうを重要に感じるのだと言います。つまり、遠い未来の抱負は挫折しやすいということです。

「今年の年末の時点から来年のクリスマスの予定を立てる人がいないことからも分かるように、人は3か月以上先の予定は立てられないと言われています。

例えば『3年後にエベレストに登る』というような遠い未来の目標は、なかなか達成できません。夢はエベレスト登頂だとしても、まずは高尾山から……というように、近い未来の目標を立てるのがよいでしょう」(佐藤さん)

高尾山からスタートして、それが達成できれば来年は富士山……というように、徐々にステップアップしていくことが、やがて最終目標であるエベレスト登頂につながるのです。

最後に、どうしても新年の抱負を達成できないという人へ、佐藤さんからアドバイスをいただきました。

「『自分のためにスタートし、誰かのためにゴールする』というマラソンの言葉があります。単に自分のためなら、案外あっさり諦められるものですが、もしゴール地点で誰かが待っているとしたらどうでしょう。その人のためなら、もっとがんばれるのではないでしょうか。誰かのためという目的も、あなたを突き動かすエンジンになるはずです」(佐藤さん)

今年こそ、と意気込んで立てる新年の抱負。しかし毎年達成できない……というのは、セルフイメージの低下にもつながるため、できる限り避けたいところです。自分に合った、なるべく小さな目標を着実にクリアしていくことが、大きな目標を達成するための近道なのだと考え、来年は今年よりも素敵な1年にしましょう。

佐藤 伝さん
行動習慣研究所 代表
(さとう でん)約30年間にわたり行動習慣を研究し、行動習慣ナビゲーター(Dream Navigator)認定講座を主宰。日本の朝活のパイオニアとして、テレビや雑誌でも活躍しているほか、月例の交流会「プレミアム朝カフェ」も実施。習慣に関する著書は、国内外で累計150万部を突破している。
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この記事の執筆者
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WRITING :
上原 純
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