東京の下町を代表するグルメである「もんじゃ焼き」。気取らずに楽しめますし、東京の下町風情が味わえて、外国人のお客様をお連れしても喜ばれそうですよね。

とはいえ、首都圏以外にお住まいの人はもとより、東京生活が長い人でも、実は焼き方・食べ方がよくわからない……なんて人が多いのでは?

カジュアルな料理で堅苦しいマナーはないとはいえ、まちがった方法でうまく焼けなかったり、知らずに周囲に不快感を与える食べ方をしてしまったりしては残念ですよね。そこで、トータルフードプロデューサーの小倉朋子さんから、もんじゃ焼きを食べるときのNG作法について教わりました。

意外と知らない「もんじゃ焼きの作り方・食べ方の基本」

もんじゃ焼きの焼き方・食べ方の基本

まず、これからもんじゃ焼きデビューする人に向けて、つくり方・食べ方の手順を解説しておきます。

■1:具を炒める

容器に入っている具とダシ汁のうち、まずは具だけを炒めます。

■2:具で土手をつくる

炒めた具でリング状の土手を作ります。

■3:土手の中心にダシ汁を流し込む

土手の中心に少しずつダシ汁を流し込み、具と混ぜ合わせます。

■4:全体を薄く伸ばす

具とダシ汁が混ざったら、全体を薄く伸ばします。トッピングの餅やチーズはこの時点で乗せましょう。

■5:ヘラで食べる

生地にとろみが出てきたら、小さなヘラ(ハガシ)で鉄板からはがし取って食べます。

基本の流れは以上です。もんじゃ初心者で自信がない場合は、お店の人に焼いてもらうのもアリですが、ぜひ自分でもチャレンジして焼き方をマスターしましょう。

もんじゃ焼きをつくるとき・食べるときの「NG作法」8選

では、上記の基本を前提として、もう少し具体的に、焼き方で間違いやすい点や、NGな食べ方について見ていきましょう。

■1:具と一緒にダシ汁を入れてしまうのはNG

最初は具だけ炒める

焼き方の基本でお伝えしたように、もんじゃ焼きではキャベツなどの具だけを先に炒めます。具とダシ汁はひとつの容器に入っています(ダシ汁の上に具が乗っている)が、まずは具だけを鉄板に乗せましょう。ビギナーがやりがちなミスですが、はじめからダシ汁ごと入れてしまうと、もんじゃ焼きがうまく焼けません。

■2:具を漫然と炒めるのはNG

具を刻みながら炒める

具の炒め方ですが、通常の野菜炒めのようにただ具を鉄板上で動かすだけではNG!

「鉄板と垂直になるようにヘラを持って、具をざくざくと細かく切り刻みながら炒めましょう。具を細かく刻むことによって、次の工程で土手がつくりやすくなります」(小倉さん)

つまり、ただ漫然と炒めるだけで野菜が大きいままでは、土手をうまくつくれません。具は炒めながら大胆に刻むべし!

■3:土手を低くつくるのはNG

土手をつくるときの注意点は?

土手をつくるときには、なるべく高さを出すように、と小倉さんは勧めています。

「平べったいリングにすると、中心にダシ汁を流しこんだときに、あふれやすくなります」(小倉さん)

ただ、リング状にまとめるだけで満足するのではなく、決壊しにくい土手をつくりましょう。

■4:土手の中心にいっぺんにダシ汁を流し込むのはNG

土手の決壊に要注意!

ダシ汁をいっぺんに流し込むと土手が決壊する恐れが……。ダシ汁は2~3回に分けて流し入れるようにしましょう。

■5:ダシ汁と具をすぐに混ぜ合わせるのはNG

ダシ汁を鉄板に流し込んだら、いよいよ具とダシ汁を混ぜ合わせる工程ですが、おいしく焼き上げるにはちょっとしたコツがあるようです。慌ててすぐに全体を混ぜ合わせないようにしましょう。

「ダシ汁を鉄板に流し入れたら、まずダシ汁だけを軽く混ぜます。ダシ汁のなかに粉が残っていることがあるので、ダマにならないように伸ばすイメージです。

それから、具(土手)とダシ汁を一気に混ぜ合わせるのではなく、土手の内側から少しずつ崩していくようにして全体を混ぜ合わせましょう」(小倉さん)

■6:餅やチーズを入れるのが早すぎるのはNG

チーズは最後に乗せる

全体を混ぜ合わせたら生地を鉄板全体に薄く伸ばします。焼き方の基本でもお伝えした通り、トッピングの餅やチーズはこのタイミングで乗せましょう。入れるのが早すぎると、鉄板に焦げついてしまいます。

■7:生地を内側から食べるのはNG

ヘラ(ハガシ)の正しい使い方は?

生地にとろみがついたら食べごろです。小さなヘラ(ハガシ)で鉄板からひと口分ずつはがし取っていただきます。ここでまず注意したいのは、生地は端からはがし取っていくこと! 例えば、中心部分においしそうにとろけた餅やチーズがあるからといって、いきなり中心から取ろうとするのはマナー違反です。

■8:ハガシを口に含むのはNG

もんじゃ焼きは一般的には、箸ではなくハガシで食べます。ただ、ハガシはみんなで共用する鉄板に触れるものなので、むやみに口に含むのはNGです。

「カレーのスプーンのように、ハガシをぱくっと口に含むと、衛生上の問題もありますし、まわりの人に不快感を与えてしまうかもしれません。

もんじゃ焼きをきれいに食べるには、生地のはがし方にコツがあります。ハガシを垂直ぎみに持って、自分で食べるひと口分を全体から分離したら、手前に引き寄せながら鉄板に押し付けましょう。そうすると、生地にいい具合に焦げ目がつきますし、ハガシの先端部分に生地がくっつくので食べやすいです」(小倉さん)

自分自身がおいしく食べるためにも、まわりから「食べ方が汚い」と思われないためにも、上記のハガシの使い方を押さえておきましょう。

ちなみに、猫舌の人はハガシから直接食べず、一旦お皿に取って冷ましてからお箸で食べてもよいとのことです。ハガシに息をフーフー吹きかけて冷まそうとするよりも、お皿で冷ますほうが見た目的にもよいかもしれませんね。

ビギナーの人もこれだけ押さえておけば安心! あとは“習うより慣れろ”でぜひお店でもんじゃ焼きを楽しんでみましょう。

小倉朋子さん
トータルフードプロデューサー
(おぐら ともこ)トヨタ自動車広報、海外留学を経て現職。諸国の食事マナーと総合的な食について学ぶ「食輝塾」を開催。飲食店のコンサルティング、マーケティング分析から食文化、マナー、ダイエット、食育など幅広いジャンルで活躍。主な著書に『世界一美しい食べ方のマナー』(高橋書店)、『やせる味覚の作り方』(文響社)など。
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この記事の執筆者
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WRITING :
中田綾美
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