フランスでは、毎年1月6日から、特徴のある焼き菓子をいただく風習があります。それは「ガレット・デ・ロワ」。そのちょっと変わった焼き菓子を食べる風習や、よりおいしく楽しむポイントをクラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワさんに教えていただきました。

フランスの風習「ガレット・デ・ロワ」とは?

「ガレット・デ・ロワ」

ガレット・デ・ロワは、フランスに伝わる伝統的な焼き菓子のこと。キリストの生誕を公のものにした、東方からやってきた3博士を指す「ロワ(王)」の「ガレット(丸く焼いた菓子や料理)」という意味で、1月6日の「公現祭」(エピファニー)をお祝いして食べられる新年に欠かせないお菓子です。

クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワさんによると、現在では1月6日に限らず、1月中も、家族や友人たちが集まるときによく食されるとか。

パイ生地の中にアーモンドクリームが入っており、さらに「フェーヴ(Fève)」という「そら豆」という意味の小さい陶器の人形が入っているのが一番の特徴! フェーヴの形は、天使や王様などの人型や、お城や教会などの建物などさまざまです。

当たると祝福される「フェーヴ」

そして切り分けて、みんなでいただくときに、フェーヴ入りのひと切れに当たった人が、その日の王様もしくは王妃様になり、皆から祝福されるという伝統的な風習があります。

お菓子としてのガレット・デ・ロワ

ガレット・デ・ロワは、お菓子としては、とてもシンプルな焼き菓子。「職人の技と個性がはっきりと出る」ことから、フランスのM.O.F.(フランス最優秀技術者)検定試験の課題にもなっているといいます。職人の腕が試されるお菓子とは、ぜひ味わってみたいですよね。

日本でガレット・デ・ロワを購入して食べる場合、ぜひ質の高いものをいただきたいものです。高級なガレット・デ・ロワというものはあるのでしょうか? またどのようなお店で購入するのがおすすめでしょうか? 

「ガレット・デ・ロワは、エピファニーに誰もが食べる最も庶民的なお菓子です。日本で例えるなら、行事菓子の桜餅やおはぎのようなものです。ですから、そもそも“高級”というものではありません。気軽に買えるものでしたら、パン屋さんのもの。クリームやパイ生地にこだわりを求めるのでしたら、お菓子屋さんのものがいいと思います」

ガレット・デ・ロワをより楽しむには?

ガレット・デ・ロワの楽しみ方

ぜひガレット・デ・ロワを用いて、フランス流の新年のお祝いをしてみましょう。ガレット・デ・ロワをよりおいしく、楽しくいただくためのポイントを教えていただきました。

■1:オーブンで温める

「購入したら、200℃にオーブンを温め、火を止めてから5分、中に入れて温めるのをおすすめします。電子レンジは、集中的に高温で温められるため、生地やクリームのバターが溶け出し、サクサク感が失せてしまいます。一方、オーブンの残り火は、お菓子全体に熱がやわらかく入るので、サクサク感が残ります」

■2:カットするときは見えないところで

「カットするときは、切り分けた本人がフェーヴに当たる可能性がありますので、それを見せないためにも、皆に見えないためにも、ふきんをかぶせながらカットするか、影で切り分けてから出すといいでしょう」

■3:最年少の子どもから、ひと切れ目を取る

「テーブルでは、最年少の子どもをテーブルの下に潜らせて、その子が『ひと切れ目はAさんにあげて、ふた切れ目はBさんにあげて、と指示してもらいます。そして、フェーヴが当たった人が女性でしたら誰かその場にいる男性ひとりを選び、男性だったら女性ひとりを選びます。そしてそのふたりが、その日にお祝いをされます」

取る順番や、指名ルールもあったとは! 新年のパーティーに取り入れてみるのもよさそうですね。

Club de la Galette des Rois
(クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ)伝統菓子の本来の魅力や文化を大切にし、伝える活動をしている。会の象徴は古くからフランスで愛されている幸福を運ぶお菓子、ガレット・デ・ロワ。正統派ガレット・デ・ロワとその文化の普及を核として、多彩な伝統菓子と文化を楽しむことを目的としている。
この記事の執筆者
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WRITING :
石原亜香利