日本人がこよなく愛するおかずのひとつ、焼き魚。

昔から慣れ親しんでいるものの、食べ方に自信がもてないメニューですよね。焼き魚の食べ方が汚いと、どんなに美人でも仕事のできる女性でも「この人、育ちが悪そうだな」と一気に評価がガタ落ち。あなたは、焼き魚をきれいに食べられますか?

今回は、ルミナスフィニッシング・マナースクールの井上実智子さんから、焼き魚を食べるときのNGマナーについて教わりました。以下の8つを気を付けるだけで、印象が大違い! ぜひ参考にしてみてください。

焼き魚をいただくときに気をつけたいNGマナー8選

一尾の焼き魚を食べるときのNGマナー5選

まずは、サンマなど一尾丸ごと出されるタイプの焼き魚の食べ方から。

■1:ヒレを手で取るのはNG

ヒレは箸で取ろう
ヒレは箸で取ろう

焼き魚を食べるときには、まずヒレを取り除きますが、箸使いに自信がないからといって、手でちぎり取ってしまうのはNG!

「利き手(右手)の箸だけでうまく取れない場合、反対側の手(左手)を添えるのは構いません。懐紙を持った左手でヒレを押さえながら、右手の箸でヒレを取り除きます。

もし懐紙がなければ左手で直接押さえて、あとからおしぼりで指を清めてもOKです。ただ、懐紙はヒレを取る以外にも何かと便利なので、和食の際には携帯しておくとよいでしょう」(井上さん)

なお、取り除いたヒレは食事の邪魔にならないよう、皿の右奥に置きます。以後、骨など食べられない部分は散乱させず、必ずこの右奥の1か所にまとめるようにしましょう。

■2:お腹側から食べるのはNG

ヒレを取り除いたら、左の頭から右の尾に向けて食べ進めますが、さらに“背中→お腹”の順を意識するとよいとのこと。

「お腹のほうが脂が乗っていて、背中のほうがあっさりしています。焼き魚に限らず、食事の一般的なマナーとして、あっさりが先、こってりを後にしたほうが食材の味をしっかり堪能できるので、まず背中側から食べましょう」(井上さん)

■3:身を細かくほぐしすぎるのはNG

焼き魚で気をつけるべき箸使いとは?
焼き魚で気をつけるべき箸使いとは?

和食でも洋食でも、口に運ぶ食べ物はひと口サイズが望ましく、噛み口や食べかけを人に見せないようにするのがマナー。

とはいえ、焼き魚の身を細かくほぐしすぎると、箸でうまくつまめず落としてしまったり、皿に細かいカスが残ったりして見苦しくなりがちです。細かくほぐしすぎず、ほどよいひと口サイズを心がけましょう。

「細かい身を箸でつまんだときに、落下防止のために左手を添える“手皿”をするのもNGです。こぼしそうなときには、左手を直接添えるのではなく、左手に懐紙を乗せて、懐紙で受け止めるようにしましょう」(井上さん)

■4:上身を食べた後ひっくり返すのはNG

上身を食べ終えて、中骨全体が露出したら、次は下身の番……ですが、ここでやってしまいがちなマナー違反は、魚をひっくり返してしまうこと!

「魚をひっくり返してはならないというのは、大昔の習慣の名残だといわれています。かつて、要人たちの間で、魚をひっくり返すのは謀反を連想させるとして、タブー視されていたそうです。また、焼き魚ではなく煮魚の話ですが、ひっくり返すことで煮汁が飛び散るのでよくないという説もあります。

焼き魚の上身を食べ終わったら、頭ごと中骨を取り除いて下身を食べましょう。中骨を取り除くときも懐紙があると便利です。懐紙を持った左手で魚の頭を押さえ、右手の箸は中骨の下に入れて尾から頭に向けて滑らせると、中骨が浮いて頭ごと下身からはずすことができます。はずした頭や中骨は、ヒレと一緒に皿の右奥にまとめて置きましょう」(井上さん)

ちなみに、中骨をはずさず、骨越しに下身をほじるのも“透かし箸”というマナー違反にあたるとのこと。上身を食べ終えたら、上記の方法できれいに頭と中骨を取り除きましょう。

■5:口に入った小骨を手で取るのはNG

最後まで美しく
最後まで美しく

焼き魚はどんなに器用に食べていても、つい小骨が口に入ってしまうことはあります。もちろん、小骨を無理に飲み込む必要はありませんが、人前で堂々と口から吐き出して、さらに手で取るのはNGです。

「小骨を吐き出すときは、懐紙か手で口元を隠しながら箸で取るようにしましょう。懐紙があれば、そこに直接出してしまっても構いません。口から取り出した小骨は、皿の右奥の所定の場所へ。1か所にまとめたヒレや骨等は、最後に懐紙を山折りにして隠すとよりエレガントです。懐紙のかわりに、飾りの葉っぱなどで隠すのもよいでしょう」(井上さん)

開き・切り身の焼き魚を食べるときのNGマナー3選

続いて、ホッケなど開きの焼き魚やサケのような切り身の食べ方ですが、ひっくり返すのはNGなど、基本は一尾のときと同様です。ただ、骨のつき方が一尾と異なるので、以下の点に注意しましょう。

■6:好きな場所からほじって食べるのはNG

骨がついていない手前の頭側から食べる
骨がついていない手前の頭側から食べる

開きは、中骨が皿の奥側にくるように盛り付けていることが多いので、中骨のついていない手前側から食べます。頭から尾に向かって食べ進めるのは一尾の場合と同じです。手前側を食べ終わったら、中骨を取り外して奥側を食べましょう。

■7:中骨にかぶりついて身を食べるのはNG

皮は食べるor残す?
皮は食べるor残す?

開きの場合、取り外した中骨に身がかなりくっついています。骨の周りの身はおいしいといわれていて、ここを残すのはもったいないですし、見た目的にもよろしくありません。

「中骨についた身は、箸で丁寧に取って食べましょう。中骨に直接かぶりついて、歯で身をこそげとるように食べるのはNGです」(井上さん)

■8:皮を2本の箸で引きちぎって食べるのはNG

焼き魚の中でも、特に鮭やブリなどの切り身では、皮を食べるべきなのか残すべきなのか迷う人も多いはず。井上さんによれば、魚の皮は食べても残してもどちらでもよいとのことですが、ただ大きい皮の場合、食べ方に注意しましょう。

「皮がうまく切れないからといって、両手に箸を1本ずつ握って持って皮をひきちぎるのはマナー違反です。大きい皮の食べ方には2種類あります。ひとつは皮を折りたたんでひと口サイズにして食べる方法。あるいは、懐紙を持った左手で押さえながらであれば、右手の箸で皮を切ることが可能だと思います」(井上さん)

魚の皮は好き嫌いが分かれますが、皮に目がない派の人は、懐紙もうまく活用して食べるようにしましょう。

これだけ押さえておけば焼き魚も怖くありません。人前でも堂々とエレガントに食して、周囲から一目おかれるマナー美人を目指しましょう。

井上実智子さん
マナー講師・立ち居振る舞い講師
(いのうえ みちこ)「ルミナスフィニッシング・マナースクール」主宰。マナー・立ち居振る舞いの個人レッスンを中心に行い、定期的にリーガロイヤルホテルにてテーブルマナー講習、一流ホテルにてアフタヌーンティーマナーレッスンもおこなっている。会社員、主婦、経営者など多くの女性に支持され、テレビ・ラジオ等の出演や、女優・タレントのマナー指導も経験。また、「ココロの持ち方」の心理的アドバイスにも定評があり、内面美についての探求と発信にも力を注いでいる。
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この記事の執筆者
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WRITING :
中田綾美
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