お金持ちには、大きくふたつのタイプに分かれます。ひとつは何かのきっかけで一瞬は巨万の富を得るものの、すぐに没落してしまう成金タイプ。そして、もうひとつは自分が得た財産を堅実に守り、増やし、次世代まで受け継ぐことのできる真の富裕層タイプです。

どちらを目指すべきかといえば、当然のことながら後者のタイプですよね。真の富裕層は、ただお金を稼ぐのが上手なだけでなく、実は、お金の使い方にも細やかに神経を使っています。

「たくさんあるからこれくらい使っても平気」というどんぶり勘定ではなく、普通の人がついついやりがちな浪費を彼らは意識的に避けているのです。

そこで、ファイナンシャルプランナーの高橋成壽さんから、富裕層は絶対にやらないお金の使い方について教わりました。どれかひとつでも習慣になっていると、どんどん無駄なお金が出ていってしまいます。少しでもお金を増やしたいなら、今すぐに改めていきましょう。

ほとんどの富裕層が絶対にやらない「お金の使い方」7選

■1:人に見せびらかすための買い物をする

真のお金持ちは見せびらかさない

まず、富裕層の買い物のセオリーとして、“人にどう見られるかよりも自分の満足度を重視する”という点が挙げられるとのこと。

「富裕層は、どちらかというと人の目には見えないところにお金をかける傾向があります。例えば、いかにも豪邸というような派手な建物だったり、ガレージに高級車が何台も停まっているのが外から丸見えだったりするのは、本物のお金持ちとはいえません。

外からはわからないけれど、家の中に入ってみたら、居心地がいいように建材も家具も一級品というのが、富裕層の住宅ではよくあります。

本物のお金持ちがなぜ人の目には見えないところにお金をかけるのかというと、目立つことをしたところで、妬まれたり悪い輩に目をつけられたりするだけで何もいいことがないからです」(高橋さん)

虚栄心が先立つと、「もっともっと他人に見せびらかしたい」と自分の身の丈に合わない買い物行動がどんどんエスカレートすることにもなりかねません。他人にどう見られるかよりも、自分の満足度をよく見据えて、長く愛用できるものを購入しましょう。

■2:安いという理由だけで目の前のものを買う

リアル店舗やオンラインショップで、“月末まで50%オフ”や、“まとめ買いで●円お得”といった文言を見かけると、「今、買わなきゃ損」「ついでにこれも買っておこう」と財布の紐がゆるんでしまいませんか? 高橋さんによれば、安いという理由だけの買い物は、富裕層は絶対にしないとのことです。

「一般的には、“値段が安い”というのはメリットだととらえられますが、真のお金持ちには“安いから買う”という発想がありません。彼らが買い物をする基準は、あくまで“自分にとって必要かどうか”です。

自分にとって必要でないものは、たとえ値段がどんなに安かろうと富裕層は見向きもしません」(高橋さん)

確かに、「安いから」という理由で購入したものは、食品であれば食べ切れなかったり、洋服であればほとんど袖を通さなかったりで、結局は無駄にしてしまうことが多いですよね。また、本当に自分が欲しくて買ったわけではないものは、その商品から得られる満足度も低くなりがち。

無駄遣いしないためにも心豊かに暮らすためにも、安さに釣られてのショッピングは控えましょう。

■3:便利だからといってネットショップばかり利用する

安易なネットショッピングはNG

日頃お買い物をする際に、わざわざお店に足を運ぶのが面倒だからといってオンライン通販ばかり利用していませんか? もちろん、富裕層がネットショップを利用しないわけではないですが、彼らは自分が関心のあるジャンルの買い物では、しっかり実店舗で品質を確かめる労をいとわないとのことです。

「富裕層が何にお金をかけているのかは、その人の価値観次第なので、一概には言えません。

例えば、住環境を重視して、壁紙ひとつとっても特注品にするという人もいれば、健康にこだわってジャンクフードは極力避けて、高くても品質のよいものしか口にしない、という人もいます。

こだわってお金をかける対象は人それぞれですが、彼らの共通点は“自分の価値観を大切にする”ということ。住環境であれ食品であれ、彼らは自分が重きをおいている分野については、実によく調べています。ただお金をかけているだけでなく、自分が納得できる買い物をするための手間暇も惜しまないのです」(高橋さん)

確かに、自宅で気軽にショッピングできるのは便利ですが、そればかりに頼っていると本物を見抜く目が養われないかもしれませんね。ときには、品質をよく調べたり、お店をはしごしたりなど、買い物にとことんこだわってみてはいかがでしょうか。

■4:お世話になっている人への出費を惜しむ

お世話になっている人へのおもてなし

お金持ちに対する偏見のひとつに、“強欲でケチ”というネガティブなものもありますよね。しかし、高橋さんによれば、富裕層のリアルは実に気前がよく、お世話になっている人への出費を惜しまないとのことです。

「富裕層のクライアントでは、ほんの15分程度の打ち合わせなのに、毎回わざわざ手土産を持ってきてくださるかたが結構います。また、打ち合わせ場所が先方のお宅や事務所の場合は、凝ったティーサンドが出てくることも。

また、一緒に食事したときは、必ず奢ってくださるのですが、そのときの対応がとてもスマート。『こちらからお誘いしたので』、『いつもお世話になっているので』、『今日は私が好きなお店を選んだので』など、相手に負担をかけない理由をつけてさりげなくご馳走してくださいます。

お金があって精神的に余裕があるからなのか、気前がいいのは富裕層の共通点です」(高橋さん)

彼らのおもてなしの姿勢は、敵をつくらず味方を増やすことに寄与し、結果的には財産を守ったり増やしたりすることにもつながっているのかもしれませんね。

■5:初対面の人から勧められたものを安易に買う

初対面の相手を安易に信用しない

お世話になっている人に対して気前がいいという側面があるものの、真のお金持ちは決して単なるお人よしではありません。むしろ、自分の財産を守るために、こと初対面の相手に対する警戒心は人一倍強いのではないか、と高橋さんは主張します。

「真のお金持ちは、初対面の相手を基本的には信用していません。もし、信用するとすれば、その初対面の相手が、誰か自分の信頼している人からの紹介だというケースに限定されるでしょう。

富裕層は、目の前の相手の感じがいいかどうかよりも、過去に積み上げてきた信頼関係を重視しているのです」(高橋さん)

あなたは、見ず知らずの相手のセールストークに乗せられて、買い物をしたり契約を結んだりした経験はないでしょうか? “初対面の相手は基本的に信用せず、既存の人間関係を重視する”というお金持ちマインドには学ぶべき点がありますよね。

■6:不特定多数の人との出会いに出費する

新しい出会いを求めるよりも大事なことが…

「人間関係が広がれば、それだけビジネスチャンスも広がるはず」という思いから、異業種交流会やセミナーなどに積極的に参加している人もいるはず。しかし、不特定多数の人との出会いにコストをかけるのは、リターンよりもリスクのほうが大きいようです。

「真のお金持ちは異業種交流会など不特定多数の人との出会いは避ける傾向があります。というのも、そのような場にはどんな人物が混じっているのかわからないので、ビジネスチャンスが広がるというメリットよりも、自分が利用されるリスクのほうが大きいからです。

もちろん、彼らは社交の場を嫌っているわけではありません。パーティーやセミナーでも、知り合いが主催するものに誘われたら、損得は別問題としてできるだけ出席するのではないでしょうか」(高橋さん)

ここでもやはり“既存の人間関係を重視する”というお金持ちマインドがよく現れていますね。不特定多数の人との出会いにコストをかけるくらいなら、同じ金額や時間を自分がお世話になっている人を喜ばせることに使うほうがよさそうです。

■7:巷で話題になっている投資に安易に手を出す

「儲かりそう」と安易に手を出すのは危険

富裕層は、自分の財産を増やすために、儲かりそうな投資には積極的にチャレンジしているのでしょうか? 例えば、最近では、仮想通貨がブームとなり“億り人”なんて言葉も生まれましたが、高橋さんによれば、真のお金持ちは巷で話題になっている投資には安易に手を出さないそうです。

「私の知っている富裕層で、仮想通貨に手を出したのはたったひとりだけ。しかも、その人は、儲けようという動機で仮想通貨に投資したのではありません。

もともとIT系に強く、単に仮想通貨の仕組みが知りたいという好奇心から、損をしてもいい額を投じた結果、たまたま“億り人”になったのです。

彼は例外的なケースで、富裕層ではブームに流されて、得体の知れない投資に安易に飛びつくようなことはまずありません。もし、彼らが仮想通貨をやるとしたら、仮想通貨が現実の通貨と同じくらい信用度が高まってからだと思います」(高橋さん)

「儲かりそう」という下心だけでは火傷する素です。投資では一攫千金を狙うのではなく、自分が損をしてもいい範囲の額で始めること。また、専門家からアドバイスを受けたり、書籍やネット等、さまざまな媒体から情報を集めて勉強したりするなど、地道な努力が不可欠でしょう。

今回ご紹介した中に、あなたに当てはまるお金の使い方はあったでしょうか? 富裕層に一歩でも近づけるよう、心当たりのある悪習慣は、ぜひこの機会に直していきましょう。

高橋成壽さん
寿FPコンサルティング代表
(たかはし なるひさ)慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、金融関係のキャリアを経て2007年にファイナンシャルプランナー事務所を設立。現在は寿FPコンサルティング、ライフデザインセンター、寿アセットマネジメントなど、複数の金融サービス会社の代表を務める。「FP王子」の異名を持ち、メディアへの出演多数。著書に『ダンナの遺産を子どもに相続させないで』(廣済堂出版)がある。
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この記事の執筆者
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WRITING :
中田綾美
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