出かける前に鏡でチェックしても、後ろ姿は見逃しがち。そのため、パンツ(ショーツ〉)のラインがくっきり出ていたり、ショーツが食い込んでウエストやヒップに段差ができていたり、ケアレスミスをしている女性が少なくありません。

そんな失敗をしないために必要なのは、「まず後ろ姿を鏡で確認すること、そして、正しいショーツを選ぶこと」だと、下着のプロである川原好恵さん。

では、大人の正しいショーツ選びとは? 今回は、その注意点を教えていただきましょう。

ショーツの食い込みや段差は「老けた印象」になるので要注意

まずは、しっかり現実を見るために、ワコール人間科学研究所が発表した、加齢に伴うヒップの変化を捉えた「時系列データ」を紹介しましょう。ワコール人間科学研究所は、54年にわたり、述べ4万人もの人体計測を続け、さまざまな研究を行なっている研究所。同じ女性を30年以上にわたって計測し続けたデータも豊富で、これはそこから導き出されたものです。

ワコール人間科学研究所による計測データ
ワコール人間科学研究所による計測データより

ドキッ! とする結果ではありますが、これが誰にでも訪れる現実。ヒップは筋肉でできているので、もちろん鍛えればその成果が期待できますが、年齢を重ねると肉質がやわらかくなるため、どうしてもショーツが食い込んで、ウエストやヒップに段差ができがち。また、肌も敏感になりやすいため、ウエストや足口をゴムで締め付けないようにしましょう。脱いだときにくっきりゴムの跡がついていたら、そのショーツは引退させたほうが良さそう。その変わりに、ヒップがレースになっているもの、ウエストがゴムの変わりに生地を折り返してあったり、生地が切りっぱなしになっていたりするものがオススメです。

そろそろMサイズの呪縛から解き放たれて

もうひとつ気をつけたいのがサイズ選び。「ずっと体重が変わっていないから、私はMサイズ」そう思っている女性が多いのですが、先の「時系列データ」を見てもわかるように、年齢を重ねると“おニク”のつき方が変わります。そのため、体重は同じでも、実際はボディーシルエットが変わっていて、今まではいていたMサイズが小さく感じることも多々。特に、若い年齢層をターゲットにしたブランドはショーツが小さめなことが多いので要注意です。

ただ、女心として、MサイズからLサイズへとサイズアップさせるのは心理的に許せないもの。でも、小さなサイズのショーツが食い込んで段差ができ、後ろ姿に老け感が出るより、サイズアップしたほうがきれいなボディーシルエットになるということも。そんな冷静な判断と勇気をもつことも、ときには必要です。

大人女性が選ぶべきショーツをプロがセレクト!

アースカラーのショーツ
下着のプロが選出した着心地の良いショーツのセレクション

では、大人の女性は、どんなショーツを選べば良いのでしょうか? 今回は、着用頻度の高いスカートや細身のパンツも安心して穿ける、代表的な4つのカテゴリーに分けて紹介していきます。

■1:タイトスカートにもオススメ!ひびかず、はきやすく、麗しい「才色兼備なレーシィーショーツ」

レースのショーツ
「才色兼備なレーシィーショーツ」のバリエーション

ヒップの食い込みは、マナーの面でも絶対NG。それを避けるにはヒップ部分がレースになったものを選ぶのがおすすめ。総レースのショーツは服にひびかず、はき心地心地も軽く、見た目も優雅です。

ワコール「サルート」のショーツ
セクシー&ゴージャスがコンセプトのブランド「サルート」のショーツは、シンプルななかに艶やかさが漂います。¥4,100〜(ワコール〈サルート〉)
ワコール「ラゼ」のショーツ
見た目は普通のショーツながら、実はお腹もヒップもほどよくサポートするという優秀さ。¥3,900(ワコール〈ラゼ〉)
ブティックシーンのショーツ
老舗ランジェリーブティックと老舗ショーツメーカーが共同開発した、立体パターンのショーツ。そのはき心地は誰もが絶賛!¥3,600(ブティックシーン)
ランジェリークのショーツ
羽衣のような薄いレースで軽やかなはき心地。レースからうっすら肌が透ける様が品良くセクシー。¥7,000(カドリールインターナショナル〈ランジェリーク〉)

■2:エクササイズウエアにも合わせやすい「シンプルショーツ」

スポーツにぴったりのシンプルショーツ
素肌に馴染む「シンプルショーツ」のバリエーション

最近はエクササイズの際、スポーツタイツをはく方も多いはず。そんなときやスキニーデニムをはくときにぴったりのシンプルショーツ。生地が切りっぱなしになっているものなら、ショーツライン対策も完璧。

ルナクリスティのヒップハングショーツ
股上浅めで安定したはき心地のヒップハングショーツ。ウエストはゴムを使わず生地を折り返した仕様なので、食い込みもなく楽ちん。¥2,600(ブティックシーン〈ルナクリスティ〉)
ワコール「ゴコチ」のショーツ
汗を吸収しやすく乾きやすい快適素材を使い、接着技術で仕上げられているため、肌に縫い目があたらず、まるで着けていないようなはき心地のショーツ。裾は切りっぱなしだから、服にひびく心配もナシ! ¥1,800〜(ワコール〈ゴコチ〉)
トリンプ「スロギー」のショーツ
穿いているのを忘れてしまいそうな感覚のソング。体にフィットしたボトムのときもこれなら安心。¥1,000(トリンプ・インターナショナル・ジャパン〈スロギー〉)

■3:細身のパンツにも安心!やっぱり頼りになる「優秀ソング」

Tバックショーツ
「優秀ショーツ」のバリエーション

ショーツのラインを絶対ひびかせたくないときは、やはりソング(Tバック〉)が強い味方に。でも抵抗感があるという方も……。そんなソング初心者の方は、ヒップ部分を覆う面積が少し多めの総レースタイプがおすすめ。肌当たりも優しく安心感があり、ボトムにも響きません。

ワコール「トレフル」のショーツ
クリーンな印象を与えるオフホワイトカラーと、華奢な2本のストリングの組み合わせが、上品な大人の色気を演出。¥9,000(ワコール〈トレフル〉)
ワコール「サルート」のショーツ
フロント部分に幅があるのではき心地も安定感アリ! バックの中心に光るクリスタルチャームが、可愛いアクセントに。¥3,900(ワコール〈サルート〉)
コサベラのショーツ
「コサベラ」の総レースソングは世界中にファンがいる人気アイテム。カラフルなカラー展開が楽しめます。¥2,900(ブティックシーン〈コサベラ〉)

■4:ボディーラインを決めたいときには……絶対的な自信を宿す「機能派ボトム」

機能性ショーツ
「機能派ボトム」のバリエーション

ヒップを上げたい、ウエストのくびれを取り戻したい、下腹を押さえたい……そんな願望を叶える機能派ボトム。ここぞ、というときにボディーラインを整え、自信を与えてくれます。

ランジェリークのショートガードル
立体裁断でつくられた、ナチュラルにヒップメイクするショートガードル。お腹部分は当て布がされ、程よく押さえます。¥6,500(カドリールインターナショナル〈ランジェリーク〉)
トリンプのショーツ
見頃部分は1枚のパーツで構成されているので接ぎがなく、フラットな仕上がり。接着された裏打ちで、お腹周りをシェイプ。¥4,000(トリンプ・インターナショナル・ジャパン)
ワコール「肌リフト」のガードル
ウエスト周りに配された“NANOテープ”で「たるみを引き上げる」という、頼もしい機能のボトム。その確かな実感で人気のアイテムです。¥5,000(ワコール〈肌リフト〉)
トリンプ「シェイプセンセーション」のガードル
ウエストのくびれを強調したいときは、ハイウエストを選択。カーヴィーなボディーラインが実現します。¥6,800(トリンプ・インターナショナル・ジャパン〈シェイプセンセーション〉)

後ろ姿が決まれば、服も決まってスタイルアップ。好印象にもつながります。コートを脱いで街を歩く季節の前に、クローゼットのショーツチェックしてみませんか?

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この記事の執筆者
文化服装学院卒業後、流通業界で販売促進、広報、店舗開発を約10年経験した後、フリーランスとして独立。下着通販カタログの商品企画などを経て、現在はランジェリーを中心に、雑誌、新聞、ウェブサイトなどで執筆・編集を行なう。モットーは「ラグジュアリーからプチプラまで」。国内外の展示会・店舗を幅広く取材する。
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PHOTO :
大槻誠一
WRITING :
川原好恵
EDIT :
石原あや乃