3月22日さいたまスーパーアリーナで女王の座を賭けて戦った、女子シングルのトップ選手たち。今回の世界選手権は2022年2月開催予定の北京五輪を見据えた試合となっていることもあり、注目度が高い大会に。
そんな中、多くの選手がシーズンベストを更新し、僅差で上位争いを繰り広げました。今シーズン最後の試合で大技・トリプルアクセルを決めた紀平梨花選手や、完全復活をアピールした五輪チャンピオン、アリーナ・ザギトワ選手など、来シーズンも活躍が期待されるスケーターばかり。
ジャンプやステップなど華麗な技はもちろんですが、楽曲に合わせた衣装やメイクも女子シングルならではの見どころ。ショートプログラム、フリースケーティングの画像とともに、美しきトップスケーターたちの活躍と魅力をプレイバック!
まずは、表彰台を制したザギトワ選手など海外勢トップ3!
■大好きな日本で初優勝! 圧巻の演技で会場を魅了した「アリーナ・ザギトワ」選手
平昌五輪の金メダリスト・ザギトワ選手。成長期ということもあり、今シーズンはジャンプが乱れるなど、思うような演技ができない苦しいシーズンでした。しかしショートプログラムの『オペラ座の怪人』では3回転ルッツ-3回転ループの連続ジャンプを決め、出場選手唯一の80点台をマーク! シーズンベストを更新し、これまでの悔しさを払拭してみせました。
さらにフリースケーティング『カルメン』ではジャンプ、スピンを難なくまとめ上げ、演技後には涙を見せるシーンも。世界選手権で初めての金メダルを獲得し、会場からは大きな拍手が送られました。
【Beauty Point】
ショートは白を基調とした気品溢れる衣装とメイク、フリーはがらっと雰囲気を変えてブラックレースと赤のスカートに赤リップを効かせた情熱的で大人っぽい印象に。
■銀メダルに輝いたのはシニア女子初の4回転を決めた「エリザヴェート・トゥルシンバエワ」選手
カザフスタン代表の19歳、トゥルシンバエワ選手は間違いなく今回のMVP! 今年2月の四大陸選手権で初めての表彰台を経験した選手ですが、安定したジャンプが彼女の武器。両手を挙げたタノジャンプや、プログラム後半に構成した連続ジャンプなどで、高い加点を得られるスケーターです。また、柔軟性を生かしたスピンも彼女の得意技。
今回のフリースケーティングでは、最終滑走の重圧をはねのけて、なんと大技・4回転サルコウを成功! シニアの女子大会史上初の快挙で、カザフスタン初の銀メダルを獲得しました。まさに新時代を切り開く、脅威のライジングスターです!
【Beauty Point】
ショートでは、星空ようなラインストーンの装飾が美しい濃紺の衣装。フリーでは身長148センチの華奢な体型を大きく見せる、鮮やかな色使いが印象的!
■苦難を乗り越え、見事銅メダルを獲得した「エフゲニア・メドベージェワ」選手
今回、滑り込みで代表入りが決まったメドベージェワ選手。平昌五輪で銀メダリストとなった後、なかなか結果が出ない苦しいシーズンを過ごしてきました。しかし今回は、持ち前の勝負強さを発揮! フリースケーティングの『アストラ・ピアソラ メドレー』では次々とジャンプを決め、完全復活をアピール。クライマックスでのタンゴに合わせたステップには、会場から大きな手拍子が巻き起こりました。
滑り終えると右手を突き上げ、ほえるように声を上げた姿も印象的で、満足のいく演技だったことがうかがえました。カナダのブライアン・オーサーコーチのもとで、新たな表現を手に入れたメドベージェワ選手。見事、銅メダルを獲得です!
【Beauty Point】
ショートは、赤から黒のグラデーションが美しいアーティスティックな衣装。フリーでは透け感のある黒衣装にキリリとしたアイラインを入れて、意志の強さをアピール!
続いて、日本代表の紀平選手、坂本選手、宮原選手の3選手!
■表彰台は逃しましたが冒頭のトリプルアクセルを決めた! 「紀平梨花」選手
今回、優勝候補として世界中から注目を集めた16歳の紀平選手。3回転アクセルの成功率の高さは群を抜いていましたが、ショートプログラムの『月の光』では惜しくも決まらず、悔しそうな表情を覗かせました。しかしフリースケーティングでは3回転アクセル-3回転トウループの連続ジャンプを見事成功! 大きなプレッシャーのかかる中、しなやかな演技で「地球誕生」という壮大なストーリーを表現し、最後は笑顔でフィニッシュ!
僅差で表彰台は逃しましたが、完成度の高いスケーティングで4位に輝きました。来シーズンも活躍が期待される、注目のニューヒロインです。
【Beauty Point】
ショート、フリーともに手袋をつけた衣装で、指先までの繊細な演技を印象付けました。衣装の色に合わせた可憐なアイメイクもポイントに。
■大舞台で実力を発揮!スピード感のあるスケーティングを見せた「坂本花織」選手
平昌五輪代表の座を掴み取り、続けて2018年全日本チャンピオンの座へと輝いた坂本選手は、今回が初めての世界選手権。今年2月の四大陸選手権では悔し涙を見せるシーンもありましたが、今回は流れのある高いジャンプと、柔らかさのあるスケーティングで大躍進! ショートプログラムの演技後には両手を突き上げ、大歓声を浴びました。
フリースケーティングの『ピアノ・レッスン』では、ブノワ・リショー氏による複雑な振り付けを踊りこなし、表現力の高さをアピール。ブレのないスピンやステップでも高い評価を獲得し、シーズンベストを更新! 堂々の5位入賞を果たしました。
【Beauty Point】
ショートではロングヘアーをなびかせて、少女のような雰囲気に。ふわりと広がるスカートも音楽の世界観にぴったり。フリーではモノトーンでシックに決めて。
■五輪後も進化の止まらない日本のエース「宮原知子」選手
平昌五輪後、ジャンプフォームの修正をするなど、根本からスケーティングの見直しをしたという宮原選手。練習量が多く、努力家で知られるスケーターですが、今回もその成果を遺憾なく発揮してくれました。洗練されたスケーティングや軸のぶれないスピンはもちろん、ステップでもレベル4(最高難易度)を獲得! 細かく音を捉えた繊細な演技は宮原選手ならでは。
ショート8位から追い上げたフリースケーティングでは、情熱みなぎる演技で会場を魅了し、観客はスタンディングオベーション!6位入賞を果たしました。
【Beauty Point】
ショートはシーズン途中でブルー系の衣装から、白を基調にした衣装に変更。フリーはアシンメトリーになった黒と赤のコスチュームで、凜とした美しさを引き立てます。
<2019年世界フィギュアスケート選手権の主な日程>
・3月23日(土)男子シングル(フリースケーティング)
・3月24日(日)エキシビジョン
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いかがでしたでしょうか? 今回は上位5名がトータルスコア 220点超えをマークするなど、今までにない熾烈な戦いとなりました。日本勢の層の厚さをアピールする結果ともなり、来シーズンからの活躍もますます期待できそうです。どの選手も個性あふれるプログラムやコスチュームが素敵でしたね!
さて、本日23日は期待の男子シングル、フリースケーティングが開催されます。「Precious.jp」では、この後も世界フィギュアスケート選手権の情報を随時、お届けしてまいりますので、お楽しみに!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- Fuyuko Tsuji