春のお花見シーズンが到来! お花見弁当を手づくりして、友人や家族と一緒に公園へ出かけるというのも良いのでは?

そんな行楽のお弁当に欠かせないもののひとつが「いなり寿司」。今回は、そのいなり寿司を究極においしくつくるための方法を、家庭料理や日本の郷土料理を得意とする郷土料理研究家のがまざわたかこさんに教わります。

究極においしい「いなり寿司」の油揚げの選び方&味の付け方

つくり方を覚えて、よりおいしいいなり寿司を!

まずはいなり寿司の要となる油揚げ。究極においしいいなり寿司を目指すなら、油揚げは自分で味付けしたものを使いましょう。

そこでまずは、味付け前の油揚げの選び方を、がまざわさんに教えていただきました!

「油揚げは大きく分けて2種類あります。薄くて重量感のある“手揚げ風”と、厚みがあるもののふわふわと軽い“寿司揚げ”と呼ばれるもの。

いなり寿司に使う油揚げは、開きやすくて扱いやすい寿司揚げのほう。お値段もお手ごろで、枚数もたくさん入っているので、いなり寿司をつくる際にはオススメです」

油揚げの味の付け方5ステップ

おいしさの決め手はしっとり感。

寿司揚げの油揚げを用意したら、早速、味を付けていきましょう! どんな調味料で味付けするのがオススメでしょうか? また煮込み方も気になります。プロのワザも含めて教えていただきました!

■1:まずは油抜きを

「おいしいいなり寿司をつくるためにはまず油揚げの油抜きをしましょう。鍋に湯を沸かし、袋状に開いてからお湯に浸けることで、油が抜けて味のしみが格段に良くなります」

■2:基本の調味料は「砂糖、醤油、みりん」

「砂糖、醤油、みりんでしっかりとコクのある味付けにするのがオススメです。しっかりした味付けは傷みにくく、行楽にも向いています。

甘いのが苦手な方は、砂糖やみりんを減らして甘さを抑え、出汁を加えて京風にあっさりと仕上げても良いですね。出汁を加えたものは、加えないものと比べると傷みやすいので気を付けましょう」

■3:ザラメ糖なら焦げにくく味もおいしくなる

「普通の砂糖でもおいしくつくれますが、炊いていく過程でゆっくりと溶けるザラメ糖だと焦げにくく味もおいしく仕上がります。コクを出したい場合は中ザラ糖もオススメです」

■4:フライパンなどの底の広いものを使う

「調味料と共に味が染み込むまでじっくりと煮込みますが、そうして煮上げる際、家庭ではフライパンなどの底の広いものを使用すると、味もまんべんなくなじみます」

■5:煮汁はしぼりすぎない

「いなり寿司のおいしさの決め手は、なんといってもしっとり感。おいしさをまとったせっかくの寿司揚げですから、少ししっとり感が残る程度の煮汁は含ませておきましょう。煮汁をしぼる際は、揚げを数枚重ねるのがコツ。それを両手で優しく挟むと適度に煮汁がしぼれます」

いなり寿司に合う酢飯のつくり方5ステップ

少し置くことで、おいしさアップ!

続いては、いなり寿司に合う酢飯のつくり方! 春の行楽には、具材を入れるのも素敵です。どんなものが合うのでしょうか? 酢飯のつくり方のコツをピックアップしていただきました!

■1:かために炊いてアツアツのまま合わせ酢を回しかける

「ご飯はかために炊いて、必ずアツアツの状態で合わせ酢を回しかけてつくりましょう。こうすることで、ご飯が合わせ酢を吸って、適した固さの酢飯になります。寿司酢は、ご飯2合に対して大さじ4~5程度がオススメです」

■2:1~2時間置いて味をなじませる

「酢飯が熱いうちは甘みと酸味が強すぎると感じますが、冷めると味がなじみます。油揚げに詰めてつくり終えたあと、すぐに食べるより、1~2時間置くことで酢飯に味がなじみ、よりおいしくなります」

■3:ご飯は昆布を入れて炊くと旨みアップ

「酢飯となるご飯に昆布を入れて炊き上げれば旨みがアップします」

■4:香り付けに白ごまや大葉を

「シンプルな酢飯も良いですが、白ごまや、きざんだ大葉、ゆずの皮など香りのアクセントとなるものを加えると食べ飽きせずおいしくいただけます。酢飯にごまを加える際は、少しごまの粒を指でひねってつぶしながら加えることで、ふわっと香り立ちます」

■5:具材で歯触りよく華やかに

食感も楽しめるように、ちょっとしたひと工夫。

「具材として、かんぴょうや昆布、干ししいたけを甘辛く炊いたものや、細かく切った漬け物などを加えても歯触りがよく、見た目も華やかです。また肉そぼろやフレーク状にした鮭もオススメです」

油揚げに酢飯を詰めるコツ

そしていよいよ、油揚げに酢飯を詰めるときがやってきました! 崩れたり、ふんわり仕上がらなかったりした経験はありませんか? プロのコツを教えていただきました!

酢飯の粗熱が取れたころに詰める

「酢飯は完全に冷めてしまうと形づくりにくくなってしまうので、粗熱が取れた、ほどよく温かい状態で詰めるのがいいです」

酢飯は俵型に。おにぎりの容量でほどよい力加減で握る

「油揚げに詰める際は、酢飯をにぎり寿司のように俵型に握ってから詰めると詰めやすいです。握る際は力を入れすぎるとかたいいなり寿司になってしまいますし、やわらかすぎても食べているときに崩れてきてしまうので、おにぎりをつくるときのような、ほどよい力加減が大切です」

仕上げは、定番の「紅しょうが」を添えて

添え物がいなり寿司をよりおいしくしてくれます。

できあがったら、ぜひいなり寿司に合う添え物も用意したいものです。どんな添え物が合うのでしょうか?

「いなり寿司といえば、なんといっても、定番の紅しょうが。ピリッとした生姜の辛さが、いなり寿司の甘さを抑えて、箸休めにもぴったりです。

また、旬のふきと鷹の爪を入れてピリ辛に仕上げた炒め煮なども、春らしくてよいと思います」


いかがでしたでしょうか。油揚げと酢飯づくりに、油揚げに酢飯を詰める工程、そして添え物。すべてそろって究極においしいいなり寿司が完成します。

お気に入りの容器やお弁当箱に詰めて、お花見に出かけましょう!

がまざわたかこさん
郷土料理研究家、調理師、かんぶつマエストロ、ナチュラルフードコーディネーター
ホテル和食部門で修行後、現在は都内で『嫁活(よめかつ)』料理教室を開催。企業向けレシピ開発やイベント講師、コラム執筆、食育授業など幅広く活動。『心がほっこりするごはん』をモットーに体も喜ぶ素朴なごはんを提案している。https://oceans-nadia.com/user/22477
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利