アートを身近に見て買える、新しいギャラリーが京都に誕生!

アート作品を一般に展示販売するコマーシャルギャラリーには、アーティストと契約し、そのアーティストの新作を扱う「プライマリーギャラリー」と、一度、市場に出た作品を再び販売する「セカンダリーギャラリー」があります。

今回紹介する「CANDYBAR Gallery(キャンディバー ギャラリー)」は、後者セカンダリーギャラリーとして、世界的に有名なアーティストの作品を展示販売しています。

雑居ビルの1室をリノベーションしたミニマムな空間
雑居ビルの1室をリノベーションしたミニマムな空間

膨大なコレクションを所蔵。独自テーマの企画展もおもしろい

「キャンディバー ギャラリー」のオーナー・高岩シュン氏は、Andy  WARHOL(アンディ・ウォーホール)や草間彌生、BANKSY(バンクシー)、KAWS(カウズ)など、長年現代アートを集めているコレクター。ギャラリーでは自身のコレクションを含め、有名アーティストの作品を展示・販売しています。

代表の高岩シュンさん。長年に渡り、現代アートを蒐集。過去には、アート×アンティーク家具を提案するインテリアショップobjet d’artのキュレーターをしていたことも
代表の高岩シュンさん。長年に渡り、現代アートを蒐集。過去には、アート×アンティーク家具を提案するインテリアショップobjet d’artのキュレーターをしていたことも

特定のテーマを設けることなく、ズラリと作品を並べて販売する「セカンダリーギャラリー」が多いなか、ここ「キャンディバー ギャラリー」では年に数回、企画展を行っています。

2018年のオープニングには、Barry McGee、KAWS、五木田智央の3人にフューチャーした「ぼくたちが好きなART」を開催。つい先日は、京都を舞台にした国際的な写真祭「KYOTO GRARHIE」と連動したフォトコレクションエキシビジョンで、植田正治、杉本博司、石内都、森山大道らの写真が展示されました。

今回の常設展では淡い色彩の作品を集めて。左から、アンリ・マティス、アンディ・ウォーホル、ヴォルス、南桂子
今回の常設展では淡い色彩の作品を集めて。左から、アンリ・マティス、アンディ・ウォーホル、ヴォルス、南桂子

また、常設展においても毎回、テーマが設けられています。

テーマがあるほうが、作品やアーティストのことに興味を持って頂きやすいです」と高岩さん。企画展の開催中も、展示していない他の作品コレクションを見せていただけることも。さらに世界中のディーラーやコレクター、ギャラリーともパイプが太く、お客さんのリクエストを受けて作品を探したり、お客さんを海外のアートフェア等に案内することもある、といいます。

撮影もOK!有名現代アートを間近で見られる希少な場所

世界的に有名なアーティストの作品を展示販売するギャラリーの多くは、コレクターをターゲットにしていますが、「若い方もどんどん見にきて、アートに興味を持ってもらいたい」とオーナー高岩さん。厳重警護の美術館の中で見るような高額アートさえも、ここ「キャンディバー ギャラリー」では、写真撮影もオッケーという自由さです。

左はアンリ・マティス、右はアンディ・ウォーホル。一見、作風がまったく異なると思われる2名のアーティストも作品を選ぶとしっくり馴染む
左はアンリ・マティス、右はアンディ・ウォーホル。一見、作風がまったく異なると思われる2名のアーティストも作品を選ぶとしっくり馴染む

「私自身が20代の時、知り合いに頼み込んでKAWSの作品を譲ってもらったのが、現代アートを掘り下げるきっかけだったので、このギャラリーでも、若い方が現代アートを見たり、買ったりできる場にしたいと考えています」(高岩さん)。ギャラリー名も、敷居が高いと感じるアートに気軽に触れてもらうために、あえてポップな名前にしているそう。

ギャラリーのあるビル「ygion」自体が、カルチャー発信スポットに

祇園の複合施設「ygion」の2階にある「CANDYBAR Gallery」
祇園の複合施設「ygion」の2階にある「CANDYBAR Gallery」

「キャンディバー ギャラリー」があるのは、次世代のアート発信地として注目を浴びている、祇園の複合施設「ygion」内。「ygion」は、元々はスナックやバーがひしめく雑居ビルだったのが、時代の流れと共に空きテナントが増えるようになり、2017年11月、“クリエイティブな雑居ビル”というコンセプトで生まれ変わり、ショップやイベントスペースなどが入るように。

「キャンディバー ギャラリー」でも年に数回、同ビルのイベントスペースにて若手作家の企画展を開催しています。

アートを“見る”から“買う”へ。自宅に飾って楽しむ幸せを

リビングのソファに座っ時の目線の高さで作品を見てもらえるように」と、ギャラリー中央にテーブルとローチェアをレイアウト
リビングのソファに座っ時の目線の高さで作品を見てもらえるように」と、ギャラリー中央にテーブルとローチェアをレイアウト

「心惹かれる美しいアートとの幸運な出会いを演出することが、使命だと思っています」と、高岩さん。本来、非日常であるアートがルーティンの日常に彩りを添え、輝きを放つ。好きなアートが家のリビングに飾られてたら、それを見るだけで毎日、幸せな気分にになれそうです。

現代アートが好きでも、買うという発想に至らなかったり、購入するきっかけがなかった方も多いはず。実際に話を聞くと、意外と手に入る値段のものもあります。京都を訪れた旅の思い出も兼ねてアートを購入し、自宅に飾って楽しんでみてはいかがでしょうか?

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この記事の執筆者
女性情報誌の編集を経てフリーランスに。エディター・ライター歴15年以上。生まれ育った京都を拠点に、女性情報誌やファッション誌、グルメ誌に寄稿。京都特集や京都でのファンションロケのコーディネートも行う。
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WRITING :
天野準子