暑い夏はできるだけ薄着で過ごしたい、そう思うのが当たり前。ただ、下着のプロである川原好恵さんによると「暑い夏ほど、1枚のインナーが実力を発揮する」のだといいます。

なぜなら、夏のインナーは年々研究・開発が進み、技術を駆使した素材によって快適さが追求されているからだとか。

今回は、服の下にインナーを着ることで、より涼しく快適に過ごすことができる、その理由に迫ります!

暑い夏の不快感を払拭する「優秀すぎるインナーの存在」とは?より涼しく快適に過ごすために必要なこと

服の中のモワッとした湿気感や汗で、シャツやブラウスが背中にぴったり張り付く不快感。そんな夏の悩みを解決してくれるのが、一枚のインナー。

機能性に優れた素材が、服の中の湿気を外に逃がしたり、汗を素早く吸収してサラリとした肌触りを保ったりと、その実力を発揮します。その結果、暑い夏こそインナーを着た方が、実は涼しくて快適というわけです。

さらに、服に直接汗がつかないため、汗ジミを防ぐのはもちろん、クリーニングの回数を減らせるなどのメリットも。

また、最新技術によって開発された素材の中には、ニオイ対策やUV対策を可能にしたものもあり、それらを使用した高機能インナーが数多く登場しています。今回は、デイリーユースに最適な優秀インナーを6つ、厳選してご紹介します。

着る方が断然快適!暑い夏に必須の優秀インナー6選

夏にぴったりなインナー5種
バリエーション豊富な夏のインナー。用途や好みに合ったお気に入りを見つけて。

たくさんある夏のインナーの中から、快適な夏のための6アイテムを川原さんがセレクト。あなたが求める機能はどれですか?

■1:暑い夏でも快適、着たときに「ひんやり」感じる綿混素材

キレイラボ(グンゼ)の2分袖インナー
ひんやり綿混 2分袖インナー¥1,800/キレイラボ(グンゼ)

夏にインナーを着るというだけで暑く感じる……という方にオススメしたいのが、着たときにひんやりとした感触のある素材使いのインナー。この素材は綿が35%入っているので、天然素材が好きな方も快適に感じられ、蒸れにくくなっています。

キレイラボ(グンゼ)の2分袖インナーの袖部分
端は切りっぽなしだから服にも響かず安心

さらに、縫うのではなく、すべて生地と生地を接着してつくられていて、端も切りっぱなし。洗濯を繰り返しても、剥がれたりほつれたりする心配もいりません。薄手の服にも響きにくいので、夏のおしゃれにも役立ちます。

■2:日焼け止めを塗らなくてもOK!インナーで「UV対策」

ビー・ブイ・ディ レディース(フジボウアパレル)のUVケアインナー
UVケアインナー 1分袖シャツ¥1,500〜/ビー・ブイ・ディ レディース(フジボウアパレル)

夏は汗だけでなく、日焼けも心配。顔や腕は日焼け止めを塗っても、日常生活で体まで塗る人はいないはず。ただ、素材によっては服が紫外線を通すこともあるため、その対策となるのがこの「UVケアインナー」。UVカット率90%を以上という優れモノです。

UVケアインナーの生地拡大写真
服を通して肌に届く紫外線をインナーでカット

レーヨン混素材なのでサラサラして肌触りも滑らか。夏のインナーに必須の吸水速乾機能も付いていて、快適な着心地が継続します。

■3:技ありのアームホールで「脇汗」をしっかりキャッチ

フリープ(島崎)の汗取り付タンクトップ
汗取り付タンクトップ¥3,500/フリープ(島崎)
フリープ(島崎)の汗取り付フレンチスリーブインナー
汗取り付フレンチスリーブインナー¥3,600/フリープ(島崎)

暑い夏になると避けられない脇汗。脇に汗がにじんでいる状態は大人のマナーとしても避けたいものの、人前で脇汗を拭うわけにもいかず悩ましいばかり。そこでぜひ活用して頂きたいのが汗取り付きのインナー。脇の下に生地がぴったり沿うことで、脇汗を吸って、服ににじむのを防いでくれます。

タンクトップの袖部分
脇の下にぴったり沿う生地が汗をしっかりキャッチ【タンクトップタイプ】
フレンチスリーブの袖部分
夏に心配な汗ジミもスマートに回避【フレンチスリーブタイプ】

通常アームホールは楕円ですが、脇の下に生地が沿うようにスクエアにカットされています。ほんの小さな違いですが、これが脇汗をキャッチするという大きな仕事をするというわけです。

さらに、このインナーはすべての縫い目を表に出し、タグ類も外側に着ける事で、デリケートな肌にも優しい仕様になっています。

■4:気になる「汗のニオイ」を抑える抗菌防臭効果をプラス

ワコールのスゴ衣 快適プラス 薄い、軽い、涼しい
スゴ衣 快適プラス 薄い、軽い、涼しい¥3,400/ワコール

汗をかいたら、すぐに着替えられれば良いのですが、オフィスや外出先では到底無理。その後、時間が経過して気になるのがニオイです。

それを最新の技術で解決したのが、スウェーデン生まれのポリジン加工。ポリジン加工とは銀イオンの抗菌作用を用いた加工で、生地に付加することで、ニオイを元から防ぐというもの。スポーツウエアやアウトドアウエアにも多用されています。

スゴ衣快適プラスの生地拡大写真
特殊なポリジン加工を施してニオイ対策

抗菌防臭のポリジン加工を施した薄くて軽い綿混素材は通気性もあり、汗を吸ったら速く乾くのでサラリとした肌触り。暑い日に一日中外出、そんな日の強い味方です。

■5:透けて安心!殿堂入りを果たした「シームレスインナー」

ハンロ(ワコール)のコットンシームレス
コットンシームレス¥7,500/ハンロ(ワコール)

上質な天然素材のインナーを展開するスイスブランド「ハンロ」。中でも、脇に縫い目のない「コットンシームレス」は世界的なベストセラーアイテム。やや光沢のある綿100%の生地に加え、華奢なストラップや胸元のVラインなど、シンプルだからこそ際立つデザイン性の高さが人気のヒミツ。

コットンシームレスの拡大写真
計算され尽くしたミニマムなデザインが魅力

洗練されたデザインゆえ、透ける素材のトップスの下に着ても良く、シャツの胸元からのぞいても下着っぽさがなく安心。ベージュやブラックなどベーシックカラーが充実しているので色違いでそろえておくと便利です。

■6:スカート裏地が太ももに「張り付く」。その不快感から解放

ピッシェル(美光)のキュロットペチ
キュロットペチ¥3,000/ピッシェル(美光)

本来、ワンピースやスカートから脚のラインが透けて見えるのを防いだり、脚さばきを良くしたりするのがペチコートの役割。夏はスカートの裏地が汗をかいた脚にぴったり付くのを防ぐのにも役立ちます。汗が服につくのを防ぐため、汗ジミや服の傷みを軽減することにも繋がります。

キュロットペチの裾部分
綿100%だから汗を吸収し、静電気も防止

このペチコートに使われている素材は、イタリアの高級シャツにも使用されている綿で上品な光沢としなやかさが特徴。スクエアなシルエットだから、ワイドパンツの下にはいてももたつきません。


寒い冬は防寒インナーで寒さ対策するように、暑い夏は夏用のインナーで汗対策、暑さ対策するのが、賢い女性の選択。「インナー=暑い」という先入観は捨てて一度着てみれば、その実力を実感できると思いますよ。

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この記事の執筆者
文化服装学院卒業後、流通業界で販売促進、広報、店舗開発を約10年経験した後、フリーランスとして独立。下着通販カタログの商品企画などを経て、現在はランジェリーを中心に、雑誌、新聞、ウェブサイトなどで執筆・編集を行なう。モットーは「ラグジュアリーからプチプラまで」。国内外の展示会・店舗を幅広く取材する。
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PHOTO :
大槻誠一
WRITING :
川原好恵
EDIT :
石原あや乃