正解は… 1:あららげる です。あららげる。らが2回続きます。
文化庁の調査では「あらげる」と答えた方の割合が圧倒的に多い、という結果の出たこの言葉。テレビやラジオなどの放送では「あららげる」「あらげる」、どちらの表現も共に採用されています。
その理由は、
伝統的な言い方である「あららげる」よりも「あらげる」という、俗な言い方の浸透度が高くなったことと、声に出して言う際には「あらげる」のほうが言いやすいこと。
そこで放送上は「あらげる」も使用可、となったようです(参考文献:『NHK ことばのハンドブック』NHK放送文化研究所 編)。
しかし、新聞では今も「荒(あら)らげる」という表記に統一することになっており、「荒(あら)げる」とは表記しません(参考文献:『記者ハンドブック 第13版 新聞用語集』共同通信社)。
どちらにしても【問題1】で聞いているのは「慣用句」であると同時に、「荒」という漢字は「アラ」とは呼んでも「ア」とは読まないので、「荒らげる」の読み方を問うこの問題の正解は、「あららげる」になります。
しかし、放送用語として「あららげる」も「あらげる」も採用されている、という点で、もはや話し言葉でどちらを使用するかは、使う人の気持ち次第、という感じですよね?
それにしても面白いのが、この言葉に関する文化庁の調査データです。正解率11.4%というのは全年代の平均値なのですが、なんと、30代~60代以上の正解率より、10代、20代の正解率のほうが高い、という結果になりました。特に20代では、全年代平均値の約2倍、20.7%の正解率が記録されています。
学校などの試験経験と近しい年代ゆえ、という見方もできますが、若い世代に、古来の日本語表現を大切に思う人口が増えている、という見方も考えられます。古い言葉遣いを「ダサい」と思うのは若い人、と思いこんでしまいそうですが、実は違うのかもしれません。
さて、大人の女性としては、「あららげる」と「あらげる」、どちらを自分の言葉に致しましょう? 言葉遣いに対する姿勢を、改めて考えたくなりますよね。
…というところで気分を変えて、頭をやわらかくする体操をいたしましょう! もう一問、クイズです。
【問題2】
以下のふたつの言葉は「声を荒らげる」と同義語(意味が同じ)です。〇の中に、共通する「漢字1文字」を入れてください。
「〇声をあげる」
「〇号する」
〇に入るのは、どんな漢字でしょう?
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:文化庁「国語に関する世論調査」(平成22年)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱