惜しまれつつ閉店した博多うどん「はし田」が、新業態で東京に戻ってきました
2012年に六本木ヒルズに出店し、多くの人に愛されながらも閉店した博多うどんの店「はし田」。その伝説の店をつくり、自らもうどんを打っていた橋田義尊さんが新たな店舗をつくるべく東京に再び戻ってきました。
「世界で一番高いうどん屋をつくろうと、九州の都農ワイナリーのワインを提供したりして、2012年に六本木ヒルズにオープンしてから3年連続ミシュランガイドブックにてビブグルマンをいただいていました。ちょっと自分も九州に戻ってやりたいことがあったので一旦戻ったのですが、また東京に出店することになりました」(橋田さん)
新たな店舗の名前は、「はし田たい吉」。福岡でうどん居酒屋「たい吉」を営む弟子の中川光雄さんとパートナーを組み、ふたりの屋号を合わせた店名でカウンターのみのうどん店を新橋に6月17日開店しました。
六本木の店舗では、たらいを使って手で打っていましたが、1日70食がつくる限界。今回新橋に出店するにあたって、1日200食の提供を考えてと機械製麺を選択。
閉店した「はし田本店」は将来的にどこかにつくることを考えつつも、リーズナブルでたくさん食べてもらえるセカンドブランドの「はし田たい吉」での出店に至ったそうです。ただ、素材へのこだわりは変わらず、今回の店舗でも国産の小麦を使っています。
「福岡県の糸島市でつくられた小麦を強力粉と薄力粉を混ぜてつくっています。僕も伝え聞きなのですが、日本のうどんの小麦の80%はオーストラリア産のオーストラリアホワイトという小麦だといわれています。オーストラリアは農業大国でおいしい小麦をつくっていますが、あえてコストが高い国産小麦を使うのはまず地元のものを使いたいから。
あと、色を見ていただくとわかるのですが、ちょっと生成りがかった色をしていて、小麦の香りが強い。歯ごたえやのどごしは打ち方にもよるのですが、幅5mm・縦2mmの平打ち麺でつくっていて、ゆであがり時間は季節や小麦のコンディションによって変わりますが6~7分です」(橋田さん)
メニューの数が多くて何度も通いたくなる!
名店の味をそのままに、うどん激戦区の新橋に昼も夜も気軽に楽しめるリーズナブルなお店として新たなスタートを切ったはし田たい吉。連日大人気で、オープンからお昼すぎには麺切れで一時閉店し、再度仕込み後の夕方に再オープンするほどの大盛況。営業時間も11時半開店に変更し、少しでも多くの人に食べてもらえるようにとがんばっているそうです。
スープは鹿児島枕崎の上質な鰹節や長崎のあごだしにこだわっています。店内はカウンター席のみですが、女性でも入りやすい明るい雰囲気。
そして何より驚くのが、そのメニューの数。食券を購入して食べるスタイルのうどん店ですが、福岡のうどん居酒屋のようなバラエティー豊富なうどんを取りそろえています。うつわもうどんに合わせて複数型用意し、よりおいしく食べてもらえるための演出にもこだわっています。
オフィス街の店舗のため土日祝日は休業と、遠隔地の人は訪れにくいかもしれませんが、新橋界隈の気になるお店リストに加えておいて、平日ランチの候補に覚えておいてほしいです。
問い合わせ先
- はし田たい吉
- 営業時間/11:30〜 ※麺がなくなり次第終了
- 休業日/土日祝
- 店内席数/14席
- TEL:03-6257-3009
- 住所/東京都港区西新橋1-15-7
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 北本祐子