以前と比べると、ダイエットをしてもなかなか思うように痩せないという方は多いのではないでしょうか。
ウェルネス&ダイエットエキスパートの和田清香さんは、大人女性は腸と脳からアプローチするのをすすめます。まずはその考え方から知っておきましょう。
大人女性のダイエットアプローチは「論理的」に!
和田さんは、大人女性のダイエットが続きにくい原因と対策を次のように話します。
「30~40代女性は、若いころと同じダイエットをしても痩せにくくなったり、自身の体型コントロールがうまくいかなかったりすることで、ダイエットを始めてもあきらめがちになります。ホルモンバランスが崩れる年齢を迎えるにあたり、うまく自分で気力を醸成できなくなることも、ダイエットで結果が出ない一因かもしれません。
そんなとき、論理的な知識をもって、効率的なダイエットを実行したい、という方におすすめなのが『脳腸ダイエット』です」
「脳腸ダイエット」とは?
和田さんの言う脳腸ダイエットとはどのようなダイエット方法なのでしょう?
「『腸と脳は血管や神経を介してつながっていて、互いに影響し合う』という、脳腸相関に着目したのが『脳腸ダイエット』です。
何かを極端に制限するダイエットは、栄養不足やストレス、自律神経の乱れなどを招き、腸内環境の悪化から便秘や肌荒れ、むくみや冷えなど新たな不調を抱えることもあります。
脳腸ダイエットでは、脳と腸両方のサイクルを整えることで、肌や体はもちろん、自律神経のバランスや心のコンディションをも良好にし、ダイエットの継続と効率アップを目指します。
体重や見た目だけではなく、心と身体の両方を健康にすることでダイエットにつながる、そんな合理的な考え方は大人女性におすすめだと思います」
脳腸ダイエットのメリット
脳腸ダイエットは、従来のダイエット方法と比べて、どのようなメリットがあるのでしょうか?
「従来の、意思の力だけで行うダイエットは、継続するのが難しい方法でした。特にストレスがかかる無理な食事制限などの食生活や、無理な運動ではよい結果は得られないことを、私自身、身をもって知りました。
一方、脳腸ダイエットは、好きなことや続けられそうなことを選んで、心と体を心地よい状態に整え、結果、太りにくい体を手に入れる方法です。
腸が健康ならばメンタル面も安定して、ダイエットも続けやすい。数か月続いたら、もうそれはダイエットではなく、一生モノの習慣になるのが脳腸ダイエットのメリットといえると思います」
脳腸ダイエットの実践法
一生モノの習慣になるとは、惹かれますよね! 脳腸ダイエットの実践法として、食事、入浴、睡眠、ボディーチェック、エクササイズのやり方のポイントをアドバイスいただきました。
■1:食事
「ストレスになるほどの食事制限はしないこと。発酵食品をいろいろ試し、積極的に取り入れるのがポイントです」
■2:入浴
「全身の巡りをよくするため、毎日湯船に15分程度つかります。余裕があれば湯船の中でウエストをひねったり、お腹をマッサージしたりしましょう」
■3:睡眠
「脳の休息や自律神経のバランスを整えるため、質のいい睡眠をとることが大事です」
■4:ボディーチェック
「体重にこだわるよりも、自分が感じる見た目・サイズ感を大切にすることがポイントです。私は体重計に乗らず、鏡で全裸の全身をチェックして、むくみやまずいところを見つけては調整するようにしています」
■5:エクササイズ
「私が考案した脳腸エクササイズをおすすめします。これは『脳腸相関』を整えることを狙ったエクササイズです。逆立ちとねじりエクササイズをご紹介しますが、いずれもポイントはゆっくり深い呼吸を心がけること。深い呼吸をすることで、副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスした状態になります。
深い呼吸には、体を効率よく温め、腹部周りの筋肉をほぐす効果も期待できます。ねじる・ひねる動きは、腸に刺激を与え、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、脳にも血流が行きやすくなるというメリットもあります」
ここで和田さん流の逆立ちとねじり、ひねりエクササイズのやり方をみていきましょう!
●逆立ちエクササイズ(初心者向け)
1. 壁を背にして両手を床につき、壁に足をつけて少しずつ足を上に移動させて逆立ちのポーズをとる。
2. 頭からかかとまで一直線になるようにするのがコツ。
・逆立ちの状態でゆっくりとした呼吸を5回行う。
・慣れてきたら徐々に回数や時間を延ばしていく。
「逆立ちは、普段の状態とは反対方向に重力がかかることで、血液や酸素が全身や脳に回りやすくなるうえに、大腸や小腸も刺激されます。また、深く呼吸を行うことで、体温と代謝がアップ。頭がスッキリし、集中力がわいてきますよ」
●ねじりエクササイズ
1. 脚をクロスさせた状態で、上半身を左右にねじり、その状態のまま深い呼吸を4~5回繰り返す。
2. クロスする脚を入れかえ、同様にねじりと呼吸を繰り返す。
「外側から腸を動かすのには、ウエスト部分をひねる運動が効果的です。私はドレッサーの真後ろにティッシュボックスを定位置にしており、毎朝のメイク中、スツールに座ったままティッシュを取るたびに上半身のツイスト運動をするようにしています。このように日常にもひねる・ねじる運動を無理なく取り入れるのもおすすめです」
ダイエットがなかなかうまくいかない、という方は、まずは無理をしていないかというところから振り返ってみるのがいいかもしれません。そして脳と腸を意識した自分に合ったダイエット法を見つけてみてはいかがでしょうか。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利