正解は… 1~3すべて表現できる です!

考え込んでしまった方、すみません。ひっかけ問題でした。

「つつがなく」は3つとも表現できる、とても便利な言葉なのです。
「つつがなく」は3つとも表現できる、とても便利な言葉なのです。

「恙」という漢字には「うれい、心配事、病気」という意味があるので「恙ない」「恙なく」といえば、そうしたいろいろなマイナス要因のない状態であることを、広く表現できるのです。

たとえば、仕事の上司に「プロジェクトは恙なく(順調に)進んでおります」と報告する時にも使えますし、旧友などへの手紙で「どうぞ恙なく(ご健康で災難にあうことなく)お過ごしください」と書けば「平穏な日々をお祈りしております」という意味になります。

一点、注意が必要なのは「恙ない」という表現は、結婚式やお葬式では使用できません。「恙ない」は「トラブルが、ない」という、悪いことを否定する表現なので、結婚式やお葬式など、悪いことを予見したくないような場で使用するのは、ふさわしくありません。

たとえば結婚式のスピーチで「新郎新婦が、今後恙なくお過ごしになられますよう…」と表現すると「新郎新婦に『悪いことが起こらないように』」と言ったことになってしまうので、使えない、というわけです。

それ以外では「恙ない」「恙なく」という言葉は美しく丁寧、かつ、とても便利な言葉ですので、ビジネスで、日常会話で、またお手紙などで、ぜひ使いこなしてくださいね。

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ILLUSTRATION :
小出 真朱