正解は… 板チョコ です。

まさか、板チョコの筋がカッターナイフのヒントになるとは!
まさか、板チョコの筋がカッターナイフのヒントになるとは!

終戦後、アメリカ進駐軍の兵隊さんがかじっていた板チョコには、食べやすいように折り筋がついていました。そこで岡田氏、「板チョコのような折り筋を刃に入れておけば、切れなくなったらポキポキ折って、1枚の刃で何回も新しい刃を使い事ができる」というアイディアにたどりついたのです。

カッターナイフの着想が、ガラス片と板チョコにあるなんて、驚きですよね! すごい発想力です!

「刃物は折れたらダメ」と最初は否定されたけれど、今では岡田氏の刃の規格が世界基準に!

岡田氏は勤務終了後に、独学で試作品を創り続け、その第一号で実用新案を取得しました。

しかし、資金力も大量生産技術もなかったため、「刃物は折れたらダメ」「作っても売れない」と、大手メーカーには相手にされず…「きる範囲でやってみよう!」と、工場に3000本の「刃」を発注。思うように仕上がらずバラつきの大きかったその3000本を、岡田氏は3か月かけて、ひとつひとつヤスリなどの工具で手直しし、ようやく商品化に至ったそうです。

商品名は「折る刃式カッターナイフ」。「折る刃」をもじった「オルファ」はその後、岡田氏の会社の社名になりました。

紙や布、薄手の合板や石膏ボードなど、刃のサイズによっていろいろなものを切ることができ、ノコギリなどの他の道具よりも切りくずが出ず、切断面が美しい…という事で、その後、世界中のあらゆる現場で役立つ、大ヒット商品に!

大型刃、小型刃など、用途によって、いくつかの刃の種類がありますが、互換性が重要なこともあり、発明元である「オルファ」のカッターナイフの規格は、今では事実上の世界基準になっています。

「カッターナイフ(cutter knife)」は和製英語なので、英語圏では「utility knife」などと呼ばれているそうですが、スイスなど「Japanese knife(日本製ナイフ)」という呼び方が、道具の一般名称として使われている国もあるのだとか!日本人のクリエイティビティを称賛してくれているような呼び名ですよね。

子供たちにも、日本のクリエイティビティの歴史を教えてあげたいですね。
子供たちにも、日本のクリエイティビティの歴史を教えてあげたいですね。

カッターナイフはさまざまな業界で活躍していますが、家庭の身近な道具でもあります。

子供のころ、初めて大人から「気をつけて使いなさい」とカッターナイフの使用許可をもらったとき、「自分は認められたんだ!」と誇らしい気持ちになった経験、皆さまにもあるのではないでしょうか?

外国からのお客様だけでなく、これからカッターナイフに触れる子供たちにも、日本人の素晴らしい発明の歴史を教えてあげたいですね。

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Precious.jp編集部 
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参考資料:『折る刃式カッターナイフの誕生秘話』オルファ株式会社/『COMZINE』~ニッポン・ロングセラー考~(2007年7月号)/『木のメモ帳』廣野 郁夫
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