大容量で読み込みスピードも迅速な『QRコード』を発明したのは、日本人研究者だった!
電子情報社会にイノベーションを起こした、偉大な発明『QRコード』。その登場によって、生活のあらゆる場面で、電子情報のスマートなやりとりが可能になりました。
身近なところでは、航空券やレジャーチケットなどの発行などでも利用しますよね。最近、何かと話題になる「◯◯ペイ」というバーコード決済も、このQRコードを利用しています。
映画館に赴く際、事前にネットでチケットを購入し、証明となるQRコードを獲得しておけば、私たちは当日、早めに映画館について窓口の行列に並ぶ、という手間をかけずに、指定席で快適に映画鑑賞をすることができます。
読み取り機にQRコードをかざすだけで、決済済みのチケット情報=作品、上映時間、上映されるシアターの番号、指定席の番号等が瞬時に読み込まれ、ほんの数秒でそれらが印字された入場券を受け取れる。素晴らしいサービスですよね。
今はその便利さが当たり前になりましたが、数年前までは、状況は違っていましたよね? 話題の映画を見ようと1時間早く劇場窓口に着いたのに、行列に並んだ上、前の人で満席になってしまい、次の回まで時間を潰しにいったん映画館を出たり、またはその日に鑑賞することをあきらめたり…。
結局、映画館ではその作品を見なかった、ということになったりすれば、「存在するはずだった消費行動が消滅した」ということになり、その人数が多ければ、事業者側も大損です。
「バーコード以上の情報量を管理できる2次元コードが欲しい!」
『QRコード』の登場と普及は、あらゆる場で、こうしたロスを無くしました。『QRコード』が登場する前に一般的だった『バーコード』が管理できる情報が「英数字で最大20文字程度」だったのに対し、『QRコード』の管理できる情報量は、なんと「数字であれば7000文字程度。漢字などの複雑な文字も管理が可能」になったのです!
しかもその大容量の情報を、「開発当時に存在していた他の2次元コードの、10倍以上のスピードで管理」することに成功したのが、『QRコード』という偉大な発明だったのです。本当にすごいですよね?
『QRコード』が発表されたのは1994年、開発者は、日本企業・株式会社デンソーウェーブ(当時は株式会社デンソーの一事業部)の研究者・原 昌弘氏です。
当時「大容量」にばかりとらわれていた2次元コード開発の世界に、「スピード性」「読み取りやすさ」も併せて考えるところから始めた、日本人研究者のスゴいひらめき
『QRコード』の「QR」は「Quick Response」の頭文字だそうです。Quick Response(クイックレスポンス、素早い対応)を実現するため、『QRコード』にはある特徴が入れ込まれています。四角いコードの三つの角に、白黒三重の正方形のような図形が配置されていますよね? あれが「切り出しシンボル」と言われる、『QRコード』ならではのスゴいポイントなのです。
…というところで、クイズです。
【問題】
『QRコード』内の「切り出しシンボル」の特徴は、以下のどれでしょうか?
1:ありふれた平凡な図形を配置することで、従来のさまざまな「コード読み取り機」が素早く対応しやすいコードになっている。
2:実は特殊な図形であり、その特殊性の効果により、コードとしての画期的な機能が付帯している。
正解はどちらでしょうか?
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『FNN PRIME』(2019年8月9日)/『QRコードドットコム』株式会社デンソーウェーブ/『データのじかん』データのじかん編集部