正解は… 設(しつら)え です。
小説や会話の中にしばしば登場しますが、漢字で書かれていると意外と読めない言葉ですよね?
「設え」は、「設える」と動詞化もできます。動詞の場合は「良く設えてある」のように使用します。
「設え」の意味は「用意・準備」ですが、単純にモノを揃える、という「準備」より、もう少し深いニュアンスを感じさせる言い回しです。
千利休が、茶道の基本として唱えたのが、「もてなし」と「しつらえ」だと言われています。つまり「設え」は、「おもてなしの心」を表現するための「準備」なのです。ですから、さまざまなシーンで大切なお客様をお迎えする前に、
「おもてなしの準備をしましょう」
と言うより、
「おもてなしの気持ちをしっかりと表せるように、設えを整えましょう」
と表現したほうが、より気持ちがこもった印象の、美しい言い回しとなります。
また、自分がおもてなしを受けた際には、
「テーブルクロスも茶器も美しく、お茶もおいしくて感激しました!」
と言うより、
「素晴らしい設えに、感激いたしました」
と一言で表現すると、洗練された印象になります。ぜひ使いこなしてくださいね。
…というところで、もう一問、クイズです。
【問題2】
昨今、ビジネススキルのひとつとして話題になり、教室等も開催されている「接遇」という言葉があります。「接客」と「接遇」の違いが重要なポイントとなりますが、両者の違いをお答えください。
即答できない方は、スクロールしてヒントをご覧ください。
ヒント:「遇」という漢字を使った動詞「遇する」は、「もてなす」という意味です。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱