正解は… 含羞(はにか)む です。
「含羞(がんしゅう)」=「恥ずかしいと思う気持ち」という熟語に「む」という送り仮名をあてた場合のみの特別な読み方…「熟字訓」と呼ばれるもので、「含」「羞」の単体の文字には「はに」や「か」のような読み仮名は存在しません。
以前、このシリーズの66回目でご紹介した「戦慄(わなな)く」も「熟字訓」です。
「戦慄(せんりつ)」から「戦慄(わなな)く」、
「含羞(がんしゅう)」から「含羞(はにか)む」。
音読みは、昔の中国の発音をもとにした読みで、音だけでは日本人的には意味がわからないものが多いのですが、訓読みは、「漢字の意味を表す日本語の読み」として日本であてられたものなので、それ自体が日本語の意味を成しているものが多いのです。
熟字訓には、訓読みの特性がよりはっきり表れており、面白いですよね。
「含羞(はにか)む」は、デジタルツールでの漢字変換ではあまり登場することのない、特殊な読み方ですが、日本語をいつくしむ大人にとっては、なかなか興味深いトリビアかと思います。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱