人それぞれに考え方が異なり、多彩なファッションを楽しむように、「どう暮らすか?」も千差万別。住まう部屋は生き方の鏡そのもの、人生経験を重ねてきた40代・50代の女性だからこそ見えてくる、豊かな暮らしを総力取材しました。

7人目にお伺いしたのは、ファッションブランド「ヴァレクストラ」のCEO、ミラノ在住のサラ・フェレロさんのご自宅です。

サラ・フェレロさんの「オープンなのにコージー」な家を拝見

サラ・フェレロさん
ヴァレクストラCEO
(Sara Ferrero)マッキンゼーや投資銀行を経て、2002年にフルラのマネージングディレクターに。ファッションブランドでキャリアを重ね、2015年からヴァレクストラのCEOに。キャリアも家庭も大切にするには「仕事が楽しいということを家族と共有し、巻き込んでいくことも重要です」

サラ・フェレロさんのHouse DATA

間取り…3LDK 家族構成 …4人(夫と子供2人) 住み始めて何年? …4年

「家とは、家族との親密な関係を守る場所であり、友達との関係を育む社会的生活の舞台にもなる」

ヴァレクストラのCEO(最高経営責任者)として多忙な日々を送るサラ・フェレロさん。キャリアも家庭も趣味もあきらめず、ポジティブに生きる現代のエグゼクティブ、サラさんが夫と子供たちと暮らすのは、ミラノ・ブレラ地区のアパルトマン。

■1:両方向から光が入る、リビング・ダイニング・キッチンが一体となった「LDK」

天井高が約4mと高く、2方向の窓から光が入る、オープンなLDK。12人が座れる大きな一枚板のテーブルはオーダー家具で、真鍮のラインがアクセントに。壁には、アルタイのラグを絵画のように飾って。
天井高が約4mと高く、2方向の窓から光が入る、オープンなLDK。12人が座れる大きな一枚板のテーブルはオーダー家具で、真鍮のラインがアクセントに。壁には、アルタイのラグを絵画のように飾って。

サラさんが改装の際にこだわったのが、「オープンなのに、コージーな家」。リビング、ダイニング、キッチンがオープンスペースのひとつの空間でありながら、冷たい印象にはしたくない。帰宅したときにほっとするような、居心地のよさにこだわったといいます。

■2:ソファのある「リビング」と「バスルーム」

テレビの横のタワー型本棚はイタリアの「オピニオン・チアッティ」のもの。ローテーブルはアートピース。
テレビの横のタワー型本棚はイタリアの「オピニオン・チアッティ」のもの。ローテーブルはアートピース。
バスルームにはヴィンテージチェアを配して。
バスルームにはヴィンテージチェアを配して。

「家は家族の親密な関係を守るための場所であり、人を招く場所でもあります。この家に友達を招いてごちそうするのも大好きです。これはオーストラリア人の母譲り。いつもお客様がいる家で育ったからかもしれません」

■3:部屋を白いキャンバスに見立て、大切な品々をアクセントに配置

プライベートな空間へとつながる廊下の一角には、モノクロの風景写真が。アートが好きで、気に入ったものを少しずつ手に入れている。
プライベートな空間へとつながる廊下の一角には、モノクロの風景写真が。アートが好きで、気に入ったものを少しずつ手に入れている。
リビングには、ウズベキスタンのラグを飾って。赤いチェアは、夫の家族から受け継いだミッドセンチュリーのもの。夫と息子たちが大好きなサッカーゲームも。
リビングには、ウズベキスタンのラグを飾って。赤いチェアは、夫の家族から受け継いだミッドセンチュリーのもの。夫と息子たちが大好きなサッカーゲームも。

インテリアは、家全体を白いキャンバスに見立て、そこに大切なもの、思い出の品々を置いていく、というのがコンセプト。絵画のように飾られた、鮮やかな赤系のウズベキスタンやアルタイのラグがアクセントに。「温もりのある素材も好きなんです」


サラ・フェレロ流、今すぐ取り入れられるインテリアのヒント

大きな鏡と積み重ねた本をオブジェのように使う

サラ・フェレロさんの美しく暮らすヒント
サラ・フェレロさんの美しく暮らすヒント

リビングルームの一角にあるコーナーには、1900年代初めの大きなゴールドの鏡と積み上げられた本。「本は私にとって夢を見せてくれるものであり、一冊一冊がアート作品のようなものなのです」と、サラさん。

思いのある本を思いきって積み上げると、まるで自分だけのオブジェのようなたたずまいに。部屋に居心地のよさが漂うだけでなく、パーソナルなニュアンスも高まります。

PHOTO :
Marco Bertoli
EDIT&WRITING :
田中美保、 川村有布子、古里典子(Precious)
取材 :
高橋 恵