正解は… 虚仮(こけ) です。
ヒントの使用例にも挙げた「コケにされる」の「コケ」は「虚仮」という漢字なのです。音感から「ズッコケる」を連想していた方も多いのでは?
「虚仮」という日本語はほかにも、意外なところで登場しています。
「コケの一念、岩をも通す」ということわざがありますね? 実はあの「コケ」も「虚仮」なのです。「岩」と組み合わさっているので、「苔(こけ)」を連想していた方も、いらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、このことわざは「愚か者であっても、一途に思いを込めて取り組めば、岩のような硬く大きな障害でも貫通させることができる」という意味で、「虚仮(こけ)=愚か者」が正解なのです。
「苔」でも、擬人化と考えればなんとか意味が通じそうなところも、カン違いを誘発しそうですが…。
このことわざ、「虚仮の一念」という部分のみでも慣用句として成立するほど有名なので、ビジネスや授賞式のスピーチなどにも、しばしば使われます。カン違いしていると大恥をかく恐れがある日本語ですので、「苔ではなく虚仮」と、しっかり覚えてくださいね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱