「象る」の読みは?意味は? 意外に深い言葉の理解を深めましょう!
「象」と一文字出てきて「読んでください」と言われたら、お鼻の長い動物「ぞう」と、ほとんどの方が答えるでしょう。
では「象る」なら?
「ぞうる」で、「象さんのような動き」という若者言葉が、このほど新たに流行中…というわけではありません。読める大人はきちんと読める、かつ、誰しもが聞いたことのある日本語なのです。
特に、ビジネスや公式の場などで、この日本語を使う機会が、いつ出てきてもおかしくありません。
大事なシーンで漢字が読めないShame(残念な)女性にならぬよう、Respect(尊敬される)女性であれるよう、「象る」の読み方と、関連して知っておきたい言葉の正しい意味まで、しっかりおさらいいたしましょう。
というわけで、クイズです。
【問題1】
「象る」という日本語の読み仮名をお答えください。
※即答できない方は、スクロールしてヒントをご覧ください。
ヒント1:「形のないものを何かの形に移し替える。象徴する」という意味の日本語です。
ヒント2:使用例「新社長の掲げた新たなスローガンには、新たな目標を掲げると同時に、先代から続く志を象るお気持ちも込められているようです」
…さて、正解は?
正解は… 「象(かたど)る」 です。
同じように「かたどる」と読む漢字に「模(かたど)る」もあります。同じ「かたどる」という音の言葉ですが、「象る」と「模る」は意味合いが少し異なります。
「模る」の「模」という字は「模倣」「模する」など、「まねる」という意味を持っており、
こちらの「模る」は「あるものの形をまねて、そのような形につくる」という意味になります。
染付に用いる、板に彫刻をした道具を「かたぎ」と呼ぶのですが、この漢字表記は「形木(かたぎ)」もしくは「摸(かたぎ)」です。
「模る」は、物理的に形をまねる、コピーを作る、
「象る」は、精神など決まった形を持たないものを、言葉やアートなどの形で表現する、
という意味になります。
…というところで、2問目です。
【問題2】
以下の例文の“かたどる”という部分を、漢字表記に直してください。
<例文>
1:「このアンモナイトは、化石から“かたどった”ものです」
2:「この彫刻は、憤りの感情を“かたどった”秀作ですね」
3:「今日、あなたの歯を“かたどった”ので、来週の治療で本格的な義歯をはめ込みます」
全問、正解してくださいね?
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱