大人として知っておきたい、「辱(はずかし)める」という常用漢字の意外な読み方と意味
「辱」という漢字は、中学校で「辱(じょく)」という音読みを学習し、高等学校で「辱(はずかし)める」という訓読みを学習する、常用漢字です。
これ以外の読み方は「表外読み(常用漢字表にない読み方)」になり、読めなくても「常識のない方!」と笑われたりはしないでしょう。
しかしながら、たとえ表外読みであっても、フォーマルな文書に入りやすい言葉、となれば、知っておきたいところですね。会議などの発表で、音読する機会があるかもしれません。そんな時に読み方を知らず、Shame(残念な)女性にならぬよう、「辱」の難読日本語、ぜひ制覇しておきましょう。
…というところで、クイズです。
【問題1】「辱うし」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント1:使用例:(葬儀のお悔やみへのお礼状に)「故○○儀永眠の際は、御懇切な御弔辞を賜り、且つ御丁重な御香料を辱うし、まことに有難うございました」
ヒント2:意味は「身に染みてありがたい」「おそれ多い」「面目ない」などです。
さて、正解は?これは…読める方がいらしたら、かなりの日本語博士だと思います。
※スクロールすると、正解があります!
正解は… 辱(かたじけの)うし または 辱(かたじけな)うし です。
か、かたじけのうし? と、正解を聞いても耳慣れない響きに戸惑われる方も多そうですが、ヒントの例文の如く、今でも、フォーマルな「お悔やみのお礼状」などに使用されている言葉なのです。
ヒントにも意味をあげましたが、もう少し詳しく解説いたします。
「辱うし」は、「かたじけない」という言葉を丁寧にした「かたじけのうする」という言葉の連用形です。「かたじけない」を漢字表記すると「忝い」または「辱い」です。
やや文語的ですが、日常会話でも「そこまでしていただいて、かたじけない!」とお礼を言う方、いらっしゃいますよね?「かたじけない」には「身に染みてありがたい」「おそれ多い」「面目ない」などの意味がありますので、「ありがとうございます」というよりも、より丁寧で深い意味のこもったお礼の言葉になります。
「そこまでしていただいて、かたじけない」というお礼を意訳して噛み砕くと、
「自分には過分なご親切をたまわり、おそれ多くも身に染みてありがたいです」というところでしょうか?
つまり、最上に丁寧な感謝を一言に込められるのが「かたじけない」という言葉です。
ですので、フォーマルなお例文には「辱(かたじけの)うし、まことに有難うございました」という言い回しがふさわしい、と考える方がいらっしゃるのでしょう。
耳慣れない言葉ですが、大人の女性としては「辱(かたじけの)うし」、読めるようにしておきたいですね。
…というところで、2問目です。
【問題2】
「辱知(じょくち)」という日本語の意味は、以下のどれでしょうか?
1:恥を知る、聡明な人物
2:過去に自分をバカにしてきた相手
3:知り合いであることを、へりくだって言う言葉
さて、正解は?
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱