「奇特な人」は変わった人?立派な人?言い換える良い表現は?

「奇特」はカン違いの多い日本語の中でも、特に注意すべき要素の多い言葉なのです。
「奇特」はカン違いの多い日本語の中でも、特に注意すべき要素の多い言葉なのです。

「Aさんは、なかなか奇特な人で…」という評判を聞いたら、あなたはどんな人物を想像しますか?

実は「奇特」という言葉、文化庁の「国語に関する世論調査」で、日本人の約半数が意味をカン違いしている、という結果の出た日本語なのです。

「奇特」は前述のように、人物の形容に、特に多く使用する言葉です。もしもカン違いして使ってしまうと、自分自身の教養を疑われてしまうだけではは済まず、評したお相手の間違った情報を伝えてしまうことになるのです。危険ですね。万が一にも、カン違いを避けたい言葉のひとつと言えるでしょう。

…というわけで、クイズです。

【問題1】

「奇特」という日本語の本来の意味は、以下のどちらでしょうか?

1:優れて他と違って感心なこと

2:奇妙で珍しいこと

…さて、正解は?

正しいのは、どちらでしょう?
正しいのは、どちらでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

正解は… 1:優れて他と違って感心なこと です。

よく考えると、カン違いが、いろいろな意味で危険な言葉なのです…!
よく考えると、カン違いが、いろいろな意味で危険な言葉なのです…!

文化庁の『国語に関する世論調査』(平成27年)では、正解率が49.9%。日本人の約半数が正しく理解しており、約半数がカン違いしている言葉、という結果が出ました。

フェイク選択肢の「奇妙で珍しいこと」を選んでしまった人が全体の29.7%。日本人の約3割、という事になります。

注目すべきは、本来の意味と、全体の3割もの人がカン違いしている意味との、大きすぎる内容の差です。

「奇特」を人物評に使用するとしたら、正しくは「特別立派だと思える人」に使うべき、大変にプラスイメージの、尊敬も感じられる表現であるのに対し、「奇妙で珍しい人」は、マイナスイメージに寄った意味合いです。

会話に「奇特」を使用する時には、周囲の理解度にまで配慮すべきかもしれません。

たとえば、少ない休日をボランティア活動にあてている、という人物の話題が持ち上がったとします。

あなたが正しい意味で「奇特な人なのね」と評したとして、それを聞いた方が「奇特」の意味を「奇妙で珍しい」という意味だとカン違いしていた場合、「この人(あなた)って、ボランティア活動をする人を、ちょっと愚かだと思うタイプなのね」などという印象を、生んでしまいかねないのです。

「奇特」はカン違いの多い日本語の中でも、「自分だけ理解していればOK」という言葉ではないので、できれば他の表現を使用したほうが、安全かもしれません。

「奇特」の類語を辞書で調べると「感心」「殊勝」などが並んでいます。

たしかに「いまどき感心な人」は「奇特な人」と同じような意味ですが、言い回しが平凡ですね。

また、「殊勝」には「感心な態度」という意味のほか「神妙なさま」という意味もあり、混乱を招く言い回しなので、大人の女性としては、「感心」「殊勝」以外で「奇特」を言い換えるスマートな表現を探したいところです。

というところで、おすすめの表現の模索をかねて、2問目です。

【問題2】

「稀有」という日本語の、読み仮名をお答えください。

※即答できない方は、スクロールしてヒントをご覧ください。

「○○」と読み仮名2文字です。
「○○」と読み仮名2文字です。

ヒント1:意味は「めったにない」などです。

ヒント2:使用例:「大谷選手は、稀有な才能の持ち主と言えますね」

さて、正解は?

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Precious.jp編集部 
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参考資料:文化庁「国語に関する世論調査」(平成27年)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱