シミは見た目年齢を大きく左右してしまう肌の大敵。「私はメンテナンスしているから」という方でも、日頃からの適切なケアをしているかどうかで大きく変わってきます。いつまでもいい肌を保っていくためには、化粧品に頼るだけでなく、食事や生活習慣にも気を使うことが大切です。シミをつくらないために身につけるべき習慣を、3人の皮膚科医の方々に伺いました。
肌をシミから守る基本的な習慣
まず、シミはなぜできるのでしょうか。その原因と対策を、美肌のための習慣を実践する皮膚科医・小林智子さんにお聞きしました。
■1:500円玉くらいの量の強い日焼け止めを塗る
「シミの原因になっているのはメラニンですので、紫外線対策がもっとも重要です。
特に5~8月の紫外線量の高い季節や屋外でのレジャーなどでは、強い日焼け止めが必要になりますが、注意したいのは塗る量。ほとんどの方が適正量の半分~1/3程度しか塗っておらず、その場合期待される効果が得られません。
平均的な日本人の顔の大きさでいうと、500円玉くらいの量を塗る必要があるのです」
■2:ビタミンA・C・E、ポリフェノールを摂る
「一方、できてしまったシミに関しては、美白剤を使用することのほか、医学的に証明されているビタミンA・C・Eやポリフェノールをたっぷりとって対策します」
特に夏場のおすすめは、アメリカでもアンチエイジングドリンクとして注目されている緑茶。緑茶に含まれるポリフェノールのひとつ・カテキンが抗酸化作用により、紫外線のダメージを軽減してくれるそう。
そのままでももちろんおいしいのですが、海外ではフレーバーティーとして緑茶にミントやドライフルーツを加えるのが人気だそうです。ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。
シミのもとをつくらせない食習慣
ほかにも、毎日の食事で積極的に取り入れたい食材はあるのでしょうか。京都・四条にある「あいこ皮フ科クリニック」院長の柴 亜伊子さんに伺いました。
■3:ヘム鉄たっぷりの赤身の肉やレバーを摂る
「ビタミンCたっぷりのフルーツや野菜も大事ですが、実はそれと同じくらい大事な栄養素があります。それは鉄、特にヘム鉄です。鉄が、シミの原因となる活性酸素をやっつけてくれます。ヘム鉄というのは、ほうれん草やプルーンなどに入っている非ヘム鉄ではなく、肉やレバーに入っている鉄。吸収量や量が全然違います」
■4:タンパク質、ビタミンA・B・D、亜鉛を摂る
「皮膚の代謝を上げて、できてしまったシミを早く追い出すことも大切です。新しいキレイな皮膚をどんどんつくって、シミの溜まってしまっている古い皮膚を追い出してしまいましょう」
それには、タンパク質、ビタミンB、亜鉛、ビタミンD、ビタミンAが最低限必要なのだそうです。これらが全部入っており、いちばん効率的なのが「赤いお肉」。そして、ヘム鉄を摂るならレバーが最もおすすめだそうです。
「赤ければ赤いほど、栄養がギュッと詰まっています。霜降りやバラやカルビよりも、赤身のお肉を選んでくださいね」
これ以上シミをつくらない習慣
では、知らず知らずにやっているかもしれない、シミをつくってしまうようなNG習慣は――?
東京・六本木ヒルズにある美容皮膚科「アオハルクリニック」院長、小柳衣吏子さんは次のように話します。もし習慣にしていることがあれば、すぐにやめましょう。
■5:ファンデーションだけ塗って安心するのはNG
「日焼け止めを塗っているのに日焼けするという方は、少ししか塗っていない場合が多いです。また、雑な塗り方をすることで、頬やこめかみの辺りなど、シミができやすい部分にきちんとのっていないケースもあります。
きちんと塗ったつもりでも、おでこや鼻先は皮脂や汗で流れやすいため、そのまま放っておくと日焼けしてしまいます。
それから、ファンデーションを塗ることで日焼けを防止できると思っている方が非常に多いのですが、SPF30などと書いてあるBBクリームのようなもの以外は、日焼け止めの効果はありません」
■6:日焼け止めと遮光アイテムを併用しないのはNG
「紫外線対策には、物理的な遮光がいちばん。帽子やサングラス、日傘などで遮光したり、肌を覆ってしまうほうが、効果は高いです。
日焼け止めを塗っているから大丈夫というわけではなく、赤外線も肌を老化させますので、それをカットするという意味でも、日焼け止めだけでなく、物理的にも遮光したほうがよいでしょう」
■7:できたシミをこすったり触ったりするのはNG
できたシミに対して、美容液などを塗るときにも注意が必要です。
「一生懸命、こすりつけるように塗ってしまうと、余計にシミが濃くなってしまうことがあります。やり過ぎないように、気になっても触らないようにしたいですね」
皆さんはしっかりUVケア、できていましたか? やっているつもりだけれど、できていないという状態が、実は最も怖いのかもしれませんね。
毎日のUVケアと肌にいい食生活で、シミのもとをブロックしていきたいですね。
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- 文/小野寺るりこ