1843年の創業以来、大いなる情熱を持って、数百にもおよぶワインをブレンドし、毎年変わらぬ高い品質を届けているシャンパーニュ ブランド「クリュッグ(KRUG)」。

他のシャンパーニュメゾンとは一線を画す「香りの高さと味のふくよかさ」「その年のぶどうの獲れ高や品質に左右されない、常に高いクオリティを保つ商品づくり」が実現されている理由とは?

「シャンパーニュの深い味わい」を夢見た創業者の思い、こだわりのブレンディング、シャンパーニュと音楽の関係など、「クリュッグ」にまつわるキーワードを紐解いていきましょう。

情熱とこだわりを持って20年以上かけられて造られる「クリュッグ」のシャンパーニュ

■1:「クリュッグ」を象徴する「クリュッグ グランド・キュヴェ」

シャンパン_1,ワイン_1,フランス_1
「クリュッグ グランド・キュヴェ 168エディション」750ml ¥30,600 エディションは生産開始されてからの「版」のことで、こちらは168回目のブレンディングによって生まれた1本であることを示す

120種類以上のワインをブレンドして生まれる類まれなシャンパーニュであり、「クリュッグ」の哲学を余すことなく表現している、クリュッグそのものと言える存在が「クリュッグ グランド・キュヴェ」です。

10年以上熟成させた、150以上のリザーヴワイン(ブレンド用ワイン)を複数ブレンドすることで、単一年のぶどうだけで造られたワインにはない、豊かな味わいと、ふくよかなアロマが感じることができるシャンパーニュに仕上げられています。

「クリュッグ グランド・キュヴェ」の特徴は、このブレンドだけに止まりません。このシャンパーニュに独特の繊細さや優雅さ、上品さがあるのは、ワインをブレンドしてから、およそ7年もの時間をかけて熟成させているからなのです。ワインの熟成というと赤ワインが思い浮かびますが、クリュッグはそれ以上の手間をかけて、確かな五感をもつ年齢幅の広いブレンダーたちによってブレンドされ、時間という洗練を重ねて生み出されます。

1本の「クリュッグ グランド・キュヴェ」が完成するまでに、20年以上の歳月がかけられているのです。

■2:ほかにはない味わいを。今も連綿と受け継がれるシャンパーニュへのこだわり

シャンパン_2,ワイン_2,フランス_2
創業者ヨーゼフ クリュッグ氏の肖像画を抱える6代目当主のオリヴィエ クリュッグ氏

毎年、天候の違いに左右されることなく、ヴィンテージの概念を超越し、毎年変わらぬ至高のシャンパーニュを造ること。伝統的なシャンパーニュメゾンに勤めていた創設者ヨーゼフ クリュッグ氏は、その強い志と哲学を持ち1843年に独立、メゾン「クリュッグ」を創業。以来6世代に渡って、哲学と伝統的製法を忠実に守り続けながら、その時代に即した新しい発見や革新的手法を取り入れつつ、進化を続けています。

■3:チームによって行われる、約400のワインを複数回テイスティング

誰にも真似できないニュアンスと、際立つ特徴が表現されたシャンパーニュを生み出す「クリュッグ」。それは、ぶどうを選定するところから始まります。

ワイン_3,シャンパン_3,フランス_3
広範な畑はぶどうの個性ごとに区画に分けられています。それらをすべて丁寧に手摘みしていきます

収穫されたぶどうは、一次発酵を経てリザーヴワインが造られます。ぶどう畑それぞれから生まれるワインの個性を大切にし、収穫年の異なる150を超えるリザーヴワインは「ライブラリー」に保存され、ブレンディングのときを待ちます。

ワイン_4,シャンパン_4,フランス_4
「クリュッグ」のシャンパーニュが完璧なハーモニーを奏でるのに欠かせないリザーヴワイン。1シーズンの間に最高醸造責任者のエリック ルベル氏が記すティスティングノートは、4000種にも上るそう

このブレンディングが「クリュッグ」の真髄であり、芸術とも換言できる崇高な工程です。毎年冬から春にかけて最高醸造責任者やテイスティング委員会が、400近くのワインを複数回テイスティング。このメンバーは、24歳から60代まで幅広い世代の男女で構成されており、これによって味の偏りをなくし、その時代ならではの、新しい味覚や好みを取り入れることに成功しています。こうして最高の個性を持ち、自然の特徴が余すことなく表現されたシャンパーニュが、毎年変わらぬ高いクオリティで誕生するのです。

さらに「クリュッグ」のシャンパーニュにはヒエラルキーは存在しません。多くのシャンパーニュ ブランドは手頃な価格のノンヴィンテージからグラン・クリュまで、階級にわけたシャンパーニュをラインナップしていることが一般的。「クリュッグ」の場合、ノンヴィンテージにあたる「クリュッグ グランド・キュヴェ」をメインのシャンパーニュと位置づけてはいますが、それよりも高価なヴィンテージや「クリュッグ クロ・デュ・メニル」と、品質に差をつけるようなことはしていません。その点において、「クリュッグ」の中にヒエラルキーは存在しないと言えるのです。

■4:シャンパーニュメゾンとして「王室御用達」の栄誉に輝く

ワイン_5,シャンパン_5,フランス_5
2代目当主のポール クリュッグ氏の時代に移転した庭付きの屋敷。今もメゾンの拠点となっています

1903年、「クリュッグ」は王室御用達のシャンパーニュメゾンとして、認定を受けます。

1840年半ばから1860年半ばにかけて、イギリスに向けてシャンパーニュの輸出量は倍増しました。多くのメゾンは生産量を増やし、売り上げ増を狙いましたが、2代目当主のポール クリュッグ氏は、販売量よりも品質で知られるメゾンとしての地位確立に努めました。こうした努力が実り、王室御用達にふさわしいシャンパーニュと認められたのです。

■5:より上質な味わいにするために、音楽とのマリアージュを重視

聴覚が味覚体験を大きく左右することは、オックスフォード大学など学術部門の数多くの研究で認められています。クリュッグ自身も、フランスの国立大学IRCAMと「音と味覚」の相乗効果による学術的な研究を行い、聴く音楽次第で、味わうシャンパーニュの味が変わって感じられることが立証してきました。

音楽は新たな味覚体験を生み出す最上の方法だと考えてきた「クリュッグ」にとって、その根拠が示されたことは大きな意味を持ちます。

ワイン_6,シャンパン_6,フランス_6
音楽とは切っても切れない関係の「クリュッグ」

「クリュッグ」のオフィシャルサイトや専用アプリでは、クリュッグとすごす時間にふさわしい音楽をラインナップ。伝統的なリズムからモダンなビートまで、どんなスタイルの音楽もテイスティングに新たな驚きを演出してくれるはず。

「クリュッグ」と音楽のペアリングはこちら

■6:アプリを駆使して「クリュッグ」のより深い味わい方を見つける

ワイン_7,シャンパン_7,フランス_7
iPhoneのカメラでiDを読み取るか、iD番号を打ち込むだけで、そのボトルの物語を知ることができます。

2012年より、すべての「クリュッグ シャンパーニュ」の裏ラベルには6桁のID番号が印字されています。iPhoneのクリュッグアプリからiDをスキャンすれば、極上の状態で「クリュッグ シャンパーニュ」を愉しむ保管方法をはじめ、著名アーティストによるフードペアリングの提案、音楽とのペアリングなど、豊富な情報がもたらされます。

■7:官能的なバラ色が美しい。メゾン唯一のロゼ「クリュッグ ロゼ」

シャンパン_8,ワイン_8,フランス_8
「クリュッグ ロゼ エディション23」750ml ¥42,000

3種類の異なるぶどうで造られたヴィンテージをブランドした、メゾン唯一のロゼ プレステージ シャンパーニュが「クリュッグ ロゼ」。

1976年、シャンパーニュ地方のアイ村で採れた品質の高いピノ・ノワールに感心した5代目のアンリ氏とレミ氏の兄弟は、そのピノ・ノワールを使った実験を行いました。「クリュッグ グランド・キュヴェ」同様、ヴィンテージの概念を超えた創造的な姿勢で臨み、従来のロゼとはまったく異なる手法で「クリュッグ ロゼ」は誕生したのです。

シャンパン_9,ワイン_9,フランス_9
淡いバラ色の「クリュッグ ロゼ」。グラスに注がれている瞬間から、その美しさに味わいへの期待が高まります

繊細な泡と上品な余韻を持つ「クリュッグ ロゼ」は、これまで体験したことのないフードマリアージュをもたらします。

■7:数量限定での生産! 単一年のワインだけを使った「クリュッグ クロ・デュ・メニル」

ワイン_10,シャンパン_10,フランス_10
「クリュッグ クロ・デュ・メニル2004」750ml ¥107,800

単一年のブドウだけを使った、希少なシャンパーニュ「クリュッグ クロ・デュ・メニル」もあります。石垣(クロ)で囲まれ、守られてきたぶどう畑から造られるワインの風味が非常に豊かであり、この畑のワインだけで優れたシャンパーニュを生み出せることに気づいた5代目のアンリ氏とレミ氏は、クリュッグならではの細部へのこだわりを持って磨き上げていきます。そうして誕生した「クリュッグ クロ・デュ・メニル」は少数しか生産されない、ファン垂涎のシャンパーニュとなっています。


160年以上に渡り、唯一無二のシャンパーニュメゾンであり続ける「クリュッグ」。一度味わうと、そのこだわりと味わいに虜になる人が跡を絶ちません。大切な人とすごすクリスマスや年末年始の夜は「クリュッグ」で乾杯し、音楽とのペアリングとともに、最高の思い出をつくってみてはいかがでしょうか?

※掲載した商品はすべて税抜です。

問い合わせ先

関連記事

WRITING :
津島千佳
EDIT :
安念美和子