冬になると活躍するニット。中でも、素材の宝石とも呼ばれるカシミヤは、温かさと着心地、美しさを兼ね備えたスペシャルなニットとして、世界中から愛され続けています。

しかし、「お手入れが大変そう…」、「毎回クリーニングに出すのは面倒」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、カシミヤに特化した東京・青山の国産ニットメーカー「UTO(ユーティーオー)」の代表取締役・宇土寿和(うと としかず)さんに、カシミヤの特徴を始め、洗濯の頻度や手洗い・洗濯機での洗い方、自宅でのお手入れ法を教えて頂きました。

また、同社が展開する、カシミアブランド「UTO」のカシミアニットのおすすめもご紹介します。

■カシミヤ(cashmere)とは?

カシミヤとは?
カシミヤとは?

ニットの代表的な素材と言えば、ウール素材があります。こちらは羊(ヒツジ)の毛を使ったものです。

一方「カシミヤ」は、カシミヤ山羊(カシミヤゴート)と呼ばれる山羊(ヤギ)の毛を使った繊維です。

カシミヤの柔らかな触感の毛を育てるためには、真夏は30度以上、真冬はマイナス30度以下という厳しい環境が必要なのだそう。

主な原産国は、中国、モンゴル、イラン、アフガニスタン、ロシアなどです。

カシミヤの特徴

ウールのニットには、ずっしりとした重みを感じるものも少なくありません。特に、手編みのものは重量感が出てしまいがちです。

それに対して、カシミヤ素材のものは、同じような動物の毛を用いているにも関わらず、とても軽い。そして、ふんわりとした触感も魅力のひとつです。

軽いだけでなく、暖かくて、優しい手触りが、カシミヤの大きな魅力なのです。

軽いのに、なぜ暖かいのか。その理由は「空気」にあります。

風など「動く空気」は肌から熱を奪ってしまいます。しかし、「動かない空気」は、実は熱伝導率がとても低く、外からの冷気を遮断したり、肌と衣類の間で断熱材として働いてくれたりします。

ニットの素材は、どれもこの「動かない空気」を多く抱えられるのが特徴です。

さらに、ニットに使われる素材は、羊をはじめとして、アンゴラ、キャメル、アルパカ、モヘヤなど様々な動物の毛を紡いで使られています。

これらの動物に比べて、カシミヤ山羊の毛は細かく細いので、とても軽く作ることができます。さらに細かい毛の間に、より多くの「動かない空気」を蓄えることができるため、「軽くてあたたかい」が実現できるのです。

ちなみに、カシミヤよりも細かい毛の動物としてビキューナやチルーというものが存在します。

ただ、一般の市場には出回ることが少なく、非常に高額なため、我々が手に入るものの中で一番毛が細かく、軽くて暖かい素材は、やはり「カシミヤ」なのです。

■カシミヤはお家で手洗いできる・洗濯機で洗える

カシミヤに限らず、ニットはすべてクリーニングに出している、という方もいるかもしれません。他のニットに比べて高いからこそ、カシミヤの縮みや変質などが怖い、という声もよく聞かれます。

しかし、カシミヤは、家で洗うほうがおすすめです。 その理由は、「洗うたびに味わいが出る」から。

実は、カシミヤは革素材と同じように、変化を楽しめる素材なのです。

どれくらいの頻度で洗うといいの?

Tシャツや下着、軽いトップスなどは毎日洗うもの。でも、ニットを着る度に家で手洗いするとなると、大変ですよね。

実は、カシミヤの服は毎日洗わなくてもOK。では、どのくらいの頻度が適正なのでしょうか?

意外や意外、シーズン中に週1~2回程度着用した場合は、1シーズンに1~2度洗えばいいもの、なのだそうです。

もしかしたら、想像より少ないと驚かれた方もいるかもしれません。

そもそもニット素材は水をはじきやすく、他の衣類に比べて汚れにくくなっているため、汚れに対して神経質にならなくても大丈夫なのだそうです。

この頻度なら、クリーニングに出さなくても自宅でチャレンジできるのではないでしょうか。

■カシミヤを手洗いで洗濯する方法

では、どのように手洗いをすればいいのか。大事なカシミヤのニットと長く一緒にいるために、正しい洗濯の手順を宇土寿和さんに教えていただきました。

1. たらいに水を準備

たらいに常温の水を準備します。洗剤が溶ければ、冷水を使ってもOKです。

ちなみにお湯やぬるま湯はNG。温度が高いと、カシミヤは縮んでしまいます。

また、他のものと一緒に洗うと、繊維同士が絡まりやすくなり、それが原因で縮んでしまうこともあるそうです。

2. 洗剤を入れる

次に洗剤を投入して、よく泡立てます。

ここで使うのは、ウール洗い用洗剤、もしくは普段髪を洗っているシャンプーです。

カシミヤは髪と同じタンパク質なので、シャンプーでも汚れを落とすことができます。

3. 洗い方

軽く押し洗いや振り洗いをします。

押し洗いは、たたんだニットを押したり持ち上げたりして洗う方法です。振り洗いは、衣類の端を持ち、左右に振って洗う方法になります。

目立つ汚れは、指でつまみ洗いをしてあげましょう。

もし、つまみ洗いをしても落ちない汚れは、たんぱく質が変化したシミの可能性があります。その場合は、自宅洗いでは落ちないので、専門家に相談することをおすすめします。

4. 柔軟剤を入れる

次に、全体をきれいにすすいでから柔軟剤を入れます。

洗い流されてしまった油分を補給して手触りをよくすることが目的なので、髪に使うリンスでもOKです。

これらを使うことで、繊維を保護することができます。

5. 脱水

最後の脱水は、きちんとたたんでから、洗濯機の脱水機能を利用しましょう。

遠心力を使う洗濯機の脱水は、手で絞るよりも素材にやさしいのです。

6. 形を整える

最後に洗う前のニットのサイズに広げて、形を整えます。

■カシミヤを洗濯機で洗濯する方法や注意点

カシミヤを洗濯機で洗濯する方法や注意点
カシミヤを洗濯機で洗濯する方法や注意点

洗濯機を使っても洗濯できます。その際はどのようなことに気を付ければいいのでしょうか?

モードやコース

洗濯機を使う場合は、ネットにいれて「手洗いモード」で洗ってください。

今回、カシミヤのお手入れ方法を教えてくれた、UTO代表取締役の宇土さんは、この洗い方がいちばんのおすすめなのだとか。

摩擦に注意

複数枚を一緒に洗濯すると、摩擦や縮みの原因になります。

ドラム式洗濯機はNG

ドラムが斜めになった洗濯機の場合、たたきつけるような動きをする可能性があります。

ニットが傷んでしまうため、ドラム式洗濯機の使用はおすすめできません。

■カシミヤの縮まない干し方

風通しのよい日陰で、平干ししましょう。網の上がおすすめですが、なければバスタオルを利用しましょう。

その場合は、タオルがかなり水分を吸うため、半日くらい経ったら、ひっくり返してタオルの位置を変えるようにしてください。

乾燥機はNG

ニット素材は乾燥機にかけると縮んでしまうため、絶対にNGです。

フェルトは、あえてニットを熱で温めて、グッと濃縮させてつくられています。ニットを乾燥機にかけると、このフェルト素材を作るときと同じ状況になるため、縮んでしまうのです。

洗濯後の保管法

乾いたら防虫剤と一緒に保管しておきましょう。


■カシミアブランド「UTO」のカシミヤニット・アイテムのおすすめ

自社で一貫して、企画・製造・販売をする日本では数少ないニットメーカー「UTO(ユーティーオー)」のカシミアブランド「UTO」。

同ブランドでは、受注生産で自分サイズのニットを仕立てたり、ベーシックアイテムであれば即出荷してくれるサービス「Quick Delivery(クイックデリバリー)」や、オーダーをしてみたいけど、サイズや色などが心配といった方向けの試着サービス「おうちでフィッティング」などを展開しています。

こちらでは、「UTO」のカシミヤニット・アイテムのおすすめをご紹介します。

※2020年1月13日まで「お家でフィッティング」サービスは休止となります

「両畦 クルーネックセーター(¥72,000)」

両畦 クルーネックセーター(¥72,000)  
両畦 クルーネックセーター(¥72,000)  ※オーダー商品のため、到着まで3~4週間程度かかります

上質なカシミヤを贅沢に使用し、目の詰まった畦編みで程よい肉感に仕上げたクルーネックセーター。

ボックスシルエットのリラックスした着用感でデイリーに使えます。

カシミヤならではの上質な質感で洗練されたカジュアルスタイルを楽しめます。

ダブルオープンフロント ニットジャケット(¥150,000)

ダブルオープンフロント ニットジャケット(¥150,000)
ダブルオープンフロント ニットジャケット(¥150,000)※オーダー商品のため、到着まで3~4週間程度かかります

上質なカシミヤを惜しみなく使用した贅沢なボリュームが魅力のニットジャケット。見た目のボリュームに反して軽やかで、抜群の温かさを誇ります。

やわらかに肩にかかる大ぶりの衿がソフトな華やかさをプラス。ポケットもついており、機能性も兼ね備えています。

オープンフロンタイプで、ラフにはおれる気軽さも魅力。車移動の際の防寒にはもちろん、都会の冬はこのニットジャケット1枚で過ごせます。

「Vネック ウェストシェイプ フレアーワンピース(¥85,000)」

Vネック ウェストシェイプ フレアーワンピース(¥85,000)
Vネック ウェストシェイプ フレアーワンピース(¥85,000)※オーダー商品のため、到着まで3~4週間程度かかります

シャープなネックラインと美しいフレアーのラインが女性らしい魅力を引き立てる、カシミヤのニットドレス。

ボディラインを美しく見せてくれる計算されたシルエットで、スタイルアップ効果も期待できます。エイジレスなデザインも魅力。

「天使のストール ラージサイズ(¥38,000)」

天使のストール ラージサイズ(¥38,000)
天使のストール ラージサイズ(¥38,000)※Quick Delivery(即納可能商品)のため、2~3日で発送されます。在庫のないカラーはオーダー(2~3週間)で受け付けています

UTOベストセラーアイテム「天使」シリーズのラージサイズストール。

性別を選ばないシンプルで使いやすいサイズで、軽さとぬくもりを感じられるアイテムです。

永く愛用するほどにふんわりと滑らかな風合いへと変化し、カシミヤの滑らかな肌触りに魅了されます。

ギフトにも喜ばれる、UTOの歴史と共に紡がれたストーリーのある商品です。

「ロングサイズ ハンドウォーマー(¥12,000)」

ロングサイズ ハンドウォーマー(¥12,000)※こちらはオーダー商品のため、到着まで3~4週間程度かかります

ロング丈のカシミヤハンドウォーマー。手首まで包み込み、カシミヤならではのぬくもりを感じられます。

ニットやストールとカラーを合わせて、ギフトとしても喜ばれるアイテムです。 

カシミヤをお家で洗おう

当記事では、カシミヤの特徴を始め、カシミヤを手洗いや洗濯機で洗濯する方法や注意点、縮まない干し方やカシミヤを洗う頻度、カシミアブランド「UTO」のカシミヤニット・アイテムのおすすめをご紹介しました。

家で洗うことで風合いの変化を楽しめるカシミヤ素材。1シーズンに1~2度、カシミヤとのゆったりしたお家洗濯時間を楽しんでみてはいかがでしょうか?

※掲載した商品の価格はすべて税込みです。

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