「犇めく」ってどんな状態? 半年後、この状態が懸念されています!

牛牛牛…なんと読む漢字?
牛牛牛…なんと読む漢字?

本日2020年1月24日は、東京オリンピック開会日(2020年7月24日)の、ちょうど半年前になります。

五輪開催にともない、交通機関の混雑が懸念されていますね。対策として東京都は「TDM(Travel Demand Management)=交通需要マネジメント」の推進対策に取り組んでいるようです。

交通インフラを整える取り組みだけでなく、既存の交通量そのものを削減する施策として、各企業に

1. 時差出勤・在宅勤務

2. 休暇の取得(企業による積極的な付与)

3. 会議・商談時期の変更

4. 納品時期の変更・まとめ発注の実施

などの実現を働きかけているようです。みなさまのお勤め先でも、TDM推進の働きかけが出てくるかもしれませんね?

…というところで、クイズです。

【問題1】「犇めく」ってなんと読む?

「犇めく」という日本語の、読み仮名をお答えください。

ヒント:オリンピックの会期中の交通事情を一言で表現できる日本語です。

「○○めく」と読み仮名2文字です。
「○○めく」と読み仮名2文字です。

さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

 

 

正解は… 「犇(ひし)めく」 です。

意味合い的には、なるほど!…字の由来は?
意味合い的には、なるほど!…字の由来は?

「犇めく」の意味は、「大勢が一か所に隙間なく集まる」です。

それにしても、なぜ「牛(うし)」を3つ書いて「犇めく」なのでしょうか?

由来を調べてみると、もともとは「多くの牛が驚かされて一斉に走り出す」さまを表現した文字のようです。牛といえば「牛歩」という言葉があるように、ふだんはおとなしくゆっくりしたイメージですが、興奮すると豹変、大変なパワーで暴れる動物でもあります。興奮した牛の群れを見た人が作った漢字?と思うと、ちょっと恐ろしいですね。

五輪会期中、会場内は盛り上がってほしいものの、交通網が「犇めく」状態は、できるだけ避けたいですよね?

私たちひとりひとりも開催国の人間として、自分にできる混雑回避の取り組みを意識して参りたいですね。

…というところで、2問目に参りましょう。

【問題2】「夥しい」ってなんと読む?

「夥しい」という日本語の、読みかたをお答えください。

ヒント:「数量がはかれないくらい、きわめて多い」という意味です。

<使用例>「五輪会期中は、世界中から人が集まり、夥しい交通量が予想されます」

「○○○○しい」と読み仮名4文字です。
「○○○○しい」と読み仮名4文字です。

さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

 

 

正解は・・・「夥(おびただ)しい」です。

「多さの果(は)て」というところでしょうか?

「夥しい」は「程度や度合い、レベルの最上級に大きいイメージ」を表現する日本語です。

更に、語源を紐解くと、「怯(おび)ゆ」+「湛(たた)ふ」なのでは?という説が最有力です。

つまり、「怯えるほどなみなみと湛えすぎな状態」をして「夥しい」という言葉に転化したもの、と考えられ、いい意味で使用されることは少なく、だいだい「ネガティブな犇めき状態」を表現する日本語なのです。

漢字の成り立ちを見ると「多くなり果てた」というところでしょうか?

外国からのお客様に「日本での一番の思い出は、夥しい混雑だったわ…」などと言われてしまわぬよう、TDMへの協力はもちろん、迷っている方に声をかけて差し上げたり、急いでいる方には先を譲って差し上げたりなど、旅行者に対する優しさを忘れずに参りたいですね。

本日は、オリンピック開催日半年前にちなんで、

・犇(ひし)めく

・夥(おびただ)しい

という日本語をおさらいいたしました。

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ILLUSTRATION :
小出 真朱