女性のほうが男性よりも支持が厚いといわれる野菜、「さつまいも」。

第一紙行が行ったアンケート調査でも、「秋の果物・野菜で好きなもの」として女性は第2位に「さつまいも」がランクインしていたものの、男性は5位でした。

また、女性に「さつまいも使ったお菓子で好きなもの」を尋ねたところ、断トツで1位となったのが「スイートポテト」でした。

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女性人気の高いスイートポテト

外出を控えている方も多い今日この頃、ご自宅でもおいしいおやつをいただいて楽しく過ごしたいもの。

今回は、女性が大好きな「スイートポテト」について、手づくりするときに役立つ知識をご紹介。スイートポテトを最高においしくするポイントに迫ってみました。

お話をうかがったのは、横浜市でパン&料理教室「サロン ド ファリーヌ」を主宰しており、各所で講座を行うこともあるという、料理研究家・フードコーディネーターの三谷良子さん。三谷さんは、Web上でスイートポテトのレシピを公開するなど、スイートポテトをはじめとしたスイーツづくりにも長けています。

最後には、スイートポテトのよくある失敗の原因と、そんな時の対処法も教えていただいています。

ぜひチェックしてみてくださいね。

スイートポテトを最高に美味しく作るための材料の条件は?

スイートポテトを最高においしくつくるには、まず材料選びからこだわる必要があるはず! ということで、まずは三谷さんに家庭でスイートポテトを最高においしくつくるための材料の選びのポイントを伺いました。

■1:さつまいもは「紅あずま」「鳴門金時」が特におすすめ

「さつまいもは、ほくほくした食感の『紅あずま』『鳴門金時』がおすすめです」

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ほくほく感がおいしい「紅あずま」

「紅あずま」は、赤紫色の皮、濃い黄色の中身で、甘みの強い、ほくほくとした食感が特徴。関東地域では、この紅あずまがさつまいもの定番になっているようです。スーパーなどで手軽に手に入ります。

「鳴門金時」も、甘みが強くてほくほくとした食感が特徴。徳島県の鳴門海峡に沿った砂地で栽培されており、出回る量が少ないのでお取り寄せなどで手に入れるのもよさそうです。

■2:バターは「無塩バター」や「発酵バター」をチョイス

「バターは、『無塩バター』を使います。お菓子なので、塩味を強くしないために無塩を選びます。お好みで『発酵バター』を使うと、風味が変わっておいしいですよ」

「発酵バター」はその名の通り、発酵させてつくられるバターです。発酵させることにより、バターのコクが深まり、特有の香りにヨーグルトのようなさわやかな酸味が生まれるといわれています。スイートポテトに使用すると風味が変わるとは、ぜひ試してみたいですね。

■3:甘味は白砂糖のほか、「きび砂糖」や「蜂蜜」もあり!

「すっきりした味わいになる『上白糖』、コクの出る『きび砂糖』や『蜂蜜』、『メープルシロップ』もおすすめです」

糖分は、選ぶものによって違う風味を加えることができますね。

■4:まろやかな口当たりの決めては「生クリーム」

「スイートポテトに生クリームを使うと、食感がなめらかになります。代わりに牛乳と、多めのバターでもおいしくつくることができます」

スイートポテトの魅力は、やはり、あの口当たりのまろやかさとコクにあるのではないでしょうか。それをつくり出すのが、この生クリーム。

世の中にあるたくさんのスイートポテトのレシピでは、牛乳を使用しているものもあります。牛乳とバターでも同様においしくつくることができるので、生クリームを買い忘れたときでも慌てずに!

スイートポテトを作る工程で美味しくするポイントは?

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つくり方にもおいしくするポイントがあります!

さあ、材料が決まったら、今度は作る工程における、最高においしくつくるためのポイントを確認していきましょう。

■1:さつまいもの下ごしらえは、ゆでるより「蒸す」「レンジ加熱」

「さつまいもは、まず均一に火が入るよう、大きさをそろえて切ります。1cmの厚さのいちょう切りがおすすめです。また、ゆでるより、蒸したり、レンジ加熱したりするほうが、水っぽくならないのでおすすめです。

つぶすときは熱いうちに。なめらかにするには裏ごします。粒が残る食感を楽しむには裏ごしなしでOKです」

■2:材料はさつまいもが熱いうちに混ぜる!

「バターと砂糖はさつまいもが熱いうちに混ぜ、よく溶かすのが重要なポイントです。牛乳と卵は、粗熱が取れてから加えます。これは材料が傷まないようにするためです」

■3:成型の仕方は自由に楽しんで

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絞り出すのでもOK

「成型は、手で丸めたり、さつまいもの形にしたりと、お好みの形に。裏ごしたものは、星形の口金を付けた絞り袋に入れ、絞り出すのも可愛いですね」

■4:仕上げの卵黄はみりんを少し加えて

「卵黄は、刷毛で優しく塗りましょう。卵黄にみりんを少し加えると、焼き色が濃い目につくので、よりおいしそうな見栄えになりますよ」

■5:オーブントースターかオーブンレンジで焼き上げる

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焼き色がつくまでしっかり焼く

「スイートポテトは、オーブントースターで表面に焼き色がつくまでしっかり焼くとおいしく仕上がります。目安は5~10分。オーブントースターは焦げやすいので、焼き色がついたらアルミ箔をかけるといいです。オーブンの場合は180℃で15分くらいです」

工程で気を付けるべきポイントは、さつまいもに火を通すときには、ゆでずに「蒸したり、レンジ加熱したりする」こと。そして「バターと砂糖を熱いうちに混ぜる」「牛乳と卵は粗熱がとれてから加える」こと。また、「オーブントースターで5~10分、焦がさないようにアルミ箔をかけるなどして焼く」ことにあることが分かりました。

スイートポテトのよくある失敗!原因と対策は?

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失敗しがちなポイントをあらかじめ知っておきましょう

スイートポテトは、もともと誰でも簡単につくることができるスイーツ。でも、なぜか失敗してしまうことってありませんか? ここではよくある失敗の原因と対策を三谷さんに教えていただきました。

■失敗1:「焼いてもやわらかいまま…」は水分が多すぎ

「さつまいもの水分が多かったのが原因と考えられます。下ごしらえは、ゆでずにレンジ加熱をするか、蒸すかすると水分を少なくすることができます」

■失敗2:「焼いたらべちゃべちゃになってしまった」

「バターと牛乳が多すぎるのだと思われます。適量を使ってみてください」

■失敗3:「さつまいもそのものの味が薄く、美味しくない」

「甘みの少ないさつまいもを使う場合、レシピより砂糖を多めに入れるといいです。焼く前に味見することも可能なので、確かめてみるといいでしょう。甘みにコクや深みを持たせたいときは、きび砂糖や蜂蜜、メープルシロップを使ってみてください」


スイートポテトは、ステップがシンプルなだけに「なんとなく」作ると失敗してしまうことも。おいしくつくるポイントを押さえて、ご自宅でも極上のスイートポテトをおやつにいただきましょう。

三谷 良子さん
料理研究家 ・フードコーディネーター・ワインエキスパート・チーズプロフェッショナル・フードライター・薬膳マイスター
(みたに りょうこ)横浜市本郷台の自宅にてパン&料理教室「サロン ド ファリーヌ」を主宰するほか、都内や横浜の料理教室、カルチャーセンターにてパン&料理の講座を担当。「パンを通して食文化を楽しむ」をコンセプトに 美味しい物の向こう側にある物語を含め ワクワクをお届けしています。https://salondefarine.jimdofree.com/
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利
EDIT :
安念美和子、榊原淳